古典オマージュ・パロディが好きな人には堪らない

懐かしのスーパーロボット作品群。
これはアレだ、この部分はコレだ!と思い出しながら、ときにツッコミを入れながら読むべき作品だと思われます。
ただ、俗に言うスパロボ参戦作品を完全履修していなければ読めないというわけではなく、知っていればよりニヤリと出来るという程度で、該当作品を知らずとも「あぁ、そんなのもあるんだ」と納得できるほどに物語の完成度は高く、「戦闘が行われる空間が設定が則する」という複数のスーパー系のあり得ない設定を無理なく組み込む下地に、古き良きスーパーロボットを活躍させてくれています。

作品傾向としては新木伸氏の「あるある! 夢境学園」や、榊一郎氏の「まじしゃんず・あかでみい」シリーズなどの2000年代前半のラノベ群にあった「コレは公式や版元から怒られるんじゃないかなぁ、大丈夫?」というギリギリ一杯を攻めたオマージュ・パロディ作品に近く、コメディもシリアスもふんだんに盛り込まれ、やや古めの雑食オタク層にぶっ刺さりそうな名作の空気を醸し出しています。

このような作品を生み出してくれた作者、くわ氏に感謝を。