第235話 龍と虎
サイタマ観光については知らんなりにオレが案内した。
人当たりの良い春日部あたりを呼ぶことも考えたが、当日はさすがに無粋だろう。それにミミィもたらいまわしにされてるようで不快だろうからな。
テロ騒ぎでは機体の不調で何も出来なかったとはいえ、わざわざ他の都市まで助っ人として付いて来てくれたんだ。そのオレが相手をしないのは不義理ってもんだろう。
「サイタマは涼しいね。サガの日中なんて鉄だって溶けそうだよ」
この世界は環境汚染からくる気象変化で全体的に暑くなってる傾向がある。そのせいでもともと暑い場所はさらに暑い。西の端の方にあるサガともなればそりゃ暑いだろうよ。
乳成分の少ないラクトアイスをパクパクと
他の都市との行き来が少なくなって久しい現代。交流が乏しい結果として同じ国の都市であっても文化の違いが大きくなっていて、まるで別の国のような感覚があるという。
となるとミミィも今サガとサイタマで違う文化の空気と、新鮮な感覚を味わっているのかもな。
「朝方から蒸し暑くなりそうな気配はあったな」
サガの空気を思い出して相槌を打つ。正直、朝にピーピー泣いてるこいつに会った印象しか残ってねえな。戦闘は夜だったし、次の日は基地内に籠りっ切りでサガでの思い出なんざほぼゼロだわ。
《女子が全体的に薄着で大変ようございましタ。へそ出し肩出し当たりA!》
(おだまりエロスーツ)
《えー? 他に特筆するトコないCぃ?》
そりゃあサガには行ったがほぼ戦闘しかしてないから、文化的な違いはオレも感じなかったけどよぉ。
せいぜいガキのパイロットにタコっぽいやつが多そうってくらいか? 朝飯食ってる最中に絡んできやがって。
ほとんどの都市ではパイロットというと一定のステータス。学生でも孤児でも、なんとか社会的な信用を得られるほどにはマシな肩書だ。
だから頭の弱いガキでも気が大きくなるのは分かるが、サガは輪を掛けて生意気なのが多いようだった。そりゃ銃後の大人たちと仲が悪くなるわけだよ。
自分だけで戦ってるつもりのクソガキは、最低でも自分んトコの整備士とは仲良くしてねえと
「でもでも、サガは特設の人工海岸があるから海水浴とかのマリンレジャーはいぃぃぃぃっぱい! できるよっ。たまちゃんさんもミミィと泳ぎに行こ!」
《ナイス情報! 低ちゃん様、週末のバカンスはサガの海で水着でスケスケでヒャッホウ! でご予約いたしまス》
(不穏な言動を混じらせるな。なんだスケスケって。あと今はバカンスに行くほど暇じゃねえよ)
《ハワイ用に買った水着でまだ着てないのあるやん! せっかくだからサガで着ようZE! 白でイイ感じに透けるやつが1着あるの!》
(買い過ぎなんだよ、元からよぉ。その透ける水着は永久封印だ馬鹿野郎)
――――脳内でアホな無機物と付き合っているのはいつもの事なのに、なぜかイライラする。
なんだ? この不快感。まるで大嫌いなやつと話すのを我慢してるような、相手にも自分にもイライラしてる感じのむかつきは。
《低ちゃん? バイタル落ちてるヨ? ああ、そろそろせい》
(言わんでいい……そういやぼちぼち周期か。初めは慌てたがさすがにこれも慣れちまったなぁ)
なるほどこのイライラは月のモンのせいか。女の体になって初めて分かったが、意味も無く腹が立ったりで感情が揺れるから敵わねえや。ホルモンの影響ってやつかね。
戦闘だストレスだで周期がズレる事もあるが、オレはだいたい月のこの時期だ。ついでだし帰りに生理用品を補充して帰ろう。
どうせなら買い置きしても無駄にならないよう、アスカたちと同じ銘柄にしとけばよかったな。いや、オレのこの体は肌が弱いから、スーツちゃんオススメじゃないとかぶれるか?
「たまちゃんさーん。はやくー」
アイスの持ち手のモナカまで食べ切り、次に行く予定の雑貨屋に駆けていくピンク。精神年齢が低くても女子らしく可愛い系の小物とかは好きなようだ。
オレは女の体になってもその辺の感覚は分っかんねえ。まあ女でも可愛いものが好きだどうだは個人差があるだろうしな。この体はそこまでじゃないんだろうよ――――猫グッズとかはわりと好きよ?
――――猫? なんで急に猫が浮かんだ?
「おぉう! こっちでも売ってるんだ、ざけんニャよグッズ!」
「なんだそりゃ」
店の前で引っかかってるからなんだと思ったら、人の服を着たネコのぬいぐるみが気になったようだ。
「古代に生息したヤンキーってサルの恰好をネコちゃんにさせたゆるいキャラクターだよ! うわー、サガにしかないと思ってたぁ」
「サルなのかネコなのかはっきりしてくれ。というかこれはサルじゃなくてチンピラの恰好じゃないのか?」
人の出入りは少なくても都市間で輸出入はしてるから、ブランドや流行物が都市を跨いで共通することはあるだろう。
さっきのネコイメージはこれが無意識に目に入ったせいか。視力が良いのも良し悪しだな。
「欲しいなら買ってやる。ひとつ選べ」
「ひとつ……むむむむむっ」
サガに無さそうなグッズ、サガになさそうなグッズ、と呪文のように唱えて吟味に入るミミィ。オレには違いがわからんが、今の時代に都市限定なんてあるもんかね?
「このふたつ!」
「ひとつだ。選ばないならどっちも無しだ。行くぞ」
「待ってぇぇぇぇぇ! ミミィ、端末持ってないから自分だと買えないのぉ! 後で払うから1個だけ立て替えてぇぇぇぇ!」
《WARNING。パンモロにご注意ください》
ちょ、バ、スカートを持つな! 脱げる脱げる!
(あークソ! たまの私服だからってこんな短いスカートを履かせやがって!)
《若いうちは足を出し、大人になったら背中と胸の谷間を出す。これぞ紳士と淑女のお約束。そして前回はショーパン、なら今回は美少女の王道ボトム、ミニスカの番でござ候》
「(知るかそんな不当協定!)分かったから離せ!」
「やったぁ!」
(
《突然
(この体だけ大きいガキの相手をして思ったんだよ。自分の体調が悪かろうが子供相手に気丈に振舞う、母親って生き物ってのは偉大だなって。オレの場合は一時的な保護者くらいだが、実際の親とかもっと大変なんだろうなってよ)
ミミィみたいな元気すぎるガキを持ったらそれこそ大変だろうよ。今でさえあれだ。幼児の頃にあんな感じで動き回られたら気が気じゃなかろう。
《oh。低ちゃんがついにママになる気に。産むのはいいけど遺伝子的なアプローチを駆使して、カップリングは美少女同士でお願いしまス》
(おぞましい願望を垂れ流すな。ヤル気も産む気もないわい)
……この体の経歴はともかく、『初めのオレ』がいるってことは親はいたんだろう。オレにも。
親の事なんて何ひとつ覚えちゃいないがね。
――――まるで、本当に何も無かったかのように。
「……激戦でお疲れのところお時間を頂きまして。まずはありがとうございます」
サイタマ基地で待っていたのは赤毛ねーちゃんではなく、この00基地の長官だった。キッチリ頭を下げる姿は社会に揉まれた苦労人って感じだ。
どうもピンクの観光に付き合わされてグッタリしてるのを、先日の戦闘の疲れが抜けてないと思われたらしい。オレらへの対応は単なる10代のガキへのものと違った、戦い抜いた戦士へのものだった。
(なんかすげえ真面目なおっさんだな。ちょっと影が薄いけどよ――――名前なんだっけ?)
《フン、オッサンの名前など我がアカシックレコードに記憶するに値せヌ》
(覚えてないなら覚えてないと言ってくれ。オレも覚えてねえけどさ)
有事の振る舞いを見てると赤毛ねーちゃんがやたらと目立って、あの人がここの長官かと思っちまうもんよ。後で『そういやこのおっさんが長官だった』と思い出すレベルだ。
「いえ。何かその、すみません」
くそ、名前を知らん相手にここまで真面目に気を遣われるとさすがに申し訳ないって気分になるな。こっちは丸1日遊び呆けてただけだしよ。
「こちらとしてもせめて明日にしておきたかったのですが、なにせ物が物なので。なるべく手早く済ませますのでご容赦を」
事実として赤毛ねーちゃんの手下、みたいな印象だったが意外と話のできる大人かもしれん。こういう立派な大人ばっかりならバカなガキ共も話をよく聞くだろうに。
横に座ってるミミィもさっきまでの警戒心バリバリの顔から一転、キョトンとしている。今のサガにはいない大人なのかもな。
《プー、クスクス。『いえ。何かその、すみません』。遠慮気味の低ちゃんが実にカワユス》
(焼肉屋で燻してやろうかこの衣服)
《ザンネーン。スーツちゃんはどんな汚れも臭いもつきませーん》
(最近ぬか漬けというのに興味があってな)
《なんでそんな恐い事を言うの!? 服は漬物にできませんヨ!》
うるせえよ。臭いも汚れも付かないなら必要なときだけぬか床から出し入れすんぞコノヤロー。
そうは言っても着るのはあくまでオレだから、たとえぬかのにおいがしなくてもスゲー変な気分になるんだろうが。チッ、もっとマシな弱点を見つけたいぜ。
「気を遣ってもらってありがとうございます。(オレ、じゃなくて)私のほうは平気ですので」
この規制。ありがたいんだかありがたくないんだか。これでも始めに比べればお行儀の良い言葉遣いになってんだがなぁ。
「いえいえ。ワールドエースによってこのサイタマと第二は持っているようなものですから」
……チッ。
「ワールドなんたらという言い方は好きじゃないので、そういう呼び方はやめてください。玉鍵とでも呼んでくれれば(いい)」
ワールドなんて冠、聞いてて寒いんだよ。脳がしもやけになるわ。
狩人に順位なんぞつけてなんだってんだ。戦績が上でも下でも敵倒して戦利品出して、生きて帰ってくるだけだろうが。
パイロットはとかくガキが多い。ガキが死ぬような目に遭って戦って、それだけで十分立派だろ。順位なんざどうだっていいわ。
「失礼。では玉鍵女史で。たとえ大人でも私程度では呼び捨てなど、とてもとても」
(痒いぃぃぃぃぃ! なんだこいつぅぅぅぅ!?)
女史ぃ? なんかゾワゾワくるわ!
《強い女の子が好きというか、有能な女性を信奉するタイプなのでは? そういえばランちゃん相手とか召使いみたいな態度だったナ》
(前言撤回! 変態じゃねーか! ああもう、大人ってやつはどいつもこいつも)
「たまちゃんさん女史!」
「敬称が渋滞してんぞミミィ」
《低ちゃん女王様!》
(乗っかるな! ボケまで渋滞起こしてオレを過労死させる気か!)
ダメだ。スーツちゃんが調子に乗る上にガキの教育にも悪いぞこのおっさん。とっとと話を進めちまおう。
「それで戦利品の件とは?」
《キリッ》
(マンガじゃねえよ書き文字を入れるな)
「こちらをご覧ください」
少人数用の応接ルームにあるモニターが付けられる。
そういや前に長官ねーちゃんやS課のメガネのおっさんに呼び出されたときも、こんな感じの部屋で話をしたっけか。
サイタマ基地でもこういう設備はあるんだな。たぶん人目を憚る話の時に使うんだろう。
「あ!」
発破のようなデカい声を出して、ガタリと椅子から腰をあげたミミィ。そのせいで顔を
「これ! たまちゃんさんが戦った敵!? 敵のロボットだよね!?」
「ミミィ、音量下げろ。聞こえてる」
真横でうるせえわ。あとグイグイ引っ張って画面を見るよう促すな。ここで十分見えるって。
「これが戦利品、ですか?」
壁かけのモニターに映っていたのは、各都市のどの基地区画内にもある『戦利品の出現する場所』。
倒した敵に応じてここに戦利品が出現するため、ある意味でS基地のもっとも重要なスペースだ。今のルールが常識になる前には、この希少な土地を巡って権力者やら反社会勢力が争ったこともある。
まあそんなタコどもはみんな『Fever!!』が吹き飛ばしちまったがな。人の生活に必要な物で金儲けしようとしてんじゃねえよバーカ。
昔の悪党どもの結末はともかく、そこに鎮座していたのは青い龍が人を模したようなロボットと、白い虎を模した
つい先日戦ったばかりの中華ロボとそっくりだった。
超獣機『青鱗』。超獣機『白牙』。
(トカゲとネコか)
間近で見上げるその姿は確かに機械の塊でありながら、どこか生物的な躍動感をまとっている。
実際に動くための可動域を備えた石像というものがあったならこんな感じかね。まるで美術品のようなデザインだ。
もはや
東洋かどっかの神殿の入口、その両サイドに象徴として建てられてそうというか。スピリチュアルな印象がある。
それもそのはず、この2体はまさしく神秘に所縁があるロボットだった。
太古の大陸に伝わる伝説上の獣をモチーフとし、その力を宿したスーパーロボット。それがこの2体の
……調査員が2体の操縦席から吸い出したというテキストフレーバーだからどうでもいいがな。
設定だけ凝ってるメカなんて、設定魔のオタクのしょっぺえ書き殴りと変わんねえよ。中二の落書きをうっかり見たみたいでこっちが恥ずかしいわ。
《青龍と白虎だヨ。神獣とか言われる吉兆を司る益獣の4体の大物の半分だよん》
(ゲロ臭え。神もクソも無い世界で神獣と言われてもなぁ。外れと分かってるクジを引く馬鹿はいねえよ)
神はいなくても人の運不運はあるからゲン担ぎなんかを否定はしないが、吉兆を表すUMAの話を持ち出されてもホラにしか聞こえねえわ。
《罹患経験者は中二設定に辛辣じゃのう》
(罹ってませんーっ。オレは現代の常識的な感想を述べているんですーっ)
あの場で状況説明を受けたのち、おっさん長官に連れられて戦利品の転送区画に案内された。
別の名称で呼ばれてたが無駄に小難しい言い方するより、分かりやすく戦利品の受取場でいいんじゃね?
「おーっ! ミステリアスアジアン! イッツ、クール!」
朝から無駄に興奮気味だったピンクは、ここにきていよいようるさくなってきた。
すまんアスカ、このテンションで深夜まで話しかけられたらそりゃウンザリするわ。
オレは失神こそできないが、一度寝ると電源が落ちたみたいに起きないから話しかけられた程度ではもう起きない。
対してやや神経質なアスカはミミィが寝室にいる環境に違和感を感じて、疲れていてもなかなか寝付けなかったようだ。それで同じく寝ないピンクのマシンガントークの餌食にされたらしい。
ちなみに初宮はアスカとの壮絶なジャンケンの後、オレの横に寝具を置いてグッスリだったようだ……途中でジャンケンが空中戦みたいになっていたのは目の錯覚だろう。オレも疲れてたし。
「戦利品としてスーパーロボットが出るのは世界初の事です。それも2体も」
隣りにやってきたおっさん長官が片手を上げて青いほうを示し、続いて白い方を示す。
「戦闘を見る限りこれは二体一組の合体機なのでしょう」
オレらが戦ったとき初めこいつらは個別で出てきたが、一度倒すと合体した状態で再登場した。もちろん単体より戦闘能力も高くなっていたと思う。
そしておっさんは2体の間で凛々しく両手を広げ、小さく首を横に振った。
「ただ、どうもパイロットに特別な資格が必要な機体らしく、調査員たちでは本格的な起動が出来ませんでした」
(今のなんだ? オレは何を見せられたんだ)
ステージで舞い踊るおっさんミュージカルみたいな光景だったぞ。
《映像上の演出? みたいな? 会話や説明が長かったりすると視聴者を飽きさせないように、キャラクターに突飛な動きをさせたりする作品もあるやん?》
(疑問系かい。今は整髪剤臭いただのおっさんだが、昔はいちいちキザったらしい動きをする『女の空想上のイケメン』みたいな生物だったのかもな)
冴えない男が夢想するヒロインを女が気持ち悪がるように。男も喪女の理想とするイケメンは虫唾が走るって気分を、たった今味わった気がする。
(えぇっと、なんだっけ? おっさんの決めポーズで脳がブッ飛んじまって覚えてねえわ)
《なんや乗るのに特別な資格が要るみたいなんやねんけどな、これ出した低ちゃんなら動かせるんちゃうん? って言ってると思う》
(なんで関西弁……ままええやろ)
「あー、とりあえず触ってみても?」
オレがそう言うのを待っていたようで、おっさん長官の合図ですぐさま搭乗用タラップのついた車両が持ち込まれた。
たまに格納庫に辿り着けずに擱座したりする機体もあるから、こういった自走できる乗り降り設備は物がデカいスーパーロボット関係には必須だ。
まずは全高の低い虎の方から操縦席に乗り込む。操縦席まで伸びる調査用機材のケーブルが山ほどあって邪魔だな。
(中華してる外見より操縦席周りはメカメカしいな。もっと突飛な形式かと思ってた)
《鈴をリンリン鳴らしたり剣を振って動かすとか?》
(ロボットというより、お札張った死体がピョンピョンしそうな動かし方だな、それ)
《ウォーターメロン頭ぁーっ!》
(やかましいわ――――って、こりゃダメだな。エラーしか吐かねえ)
P-LINK『Error』。赤字項目でこれがいの一番に出てくる。P-LINKって何だ?
(スーツちゃん、これなんの判定だい? P-LINKって)
《解析中……PSYCHIC。これは超能力判定だネ。操縦者に超能力の資質が必要みたい》
(なるほど。エラーが出るわけだ。オレは超能力の類はゼロだもんな)
《システムの立ち上げくらいなら無能力でもできるけど、ロボットの活動には超能力の才能にかなりの強さが必要っぽい。確かに低ちゃんでは乗れないタイプですナー》
(見た目は違うが向こうの青いのも同じシステムとすると、どっちも使えないじゃん。ゲームで『強いけど自分は装備できないアイテムが出た』、みたいな気分だぜ。しょっぺえ)
まあいいか。戦った感じオレには扱い辛そうに思えたしよ。やたら小難しい漢字満載の必殺技とか持ってそうだ。
(基地に引き取ってもらうしかねえな。超能力と言ったら力士くんたちが乗れる可能性があるだろう)
《どうジャロ? このシステムに求められる超能力の傾向は
あの2人の持ち球は予知と治癒だったか。それでもオレよか可能性はあるだろうし、売っ払う予定は変わらん。スーパーロボットなんて適性があろうと個人で持てるもんでも無いしな。
なんにせよSRキラーから出たロボットだ。性能は間違いなく高いだろうから高く売れるだろう。死蔵することになってもオレは知ら――――
〔おー、パラディンメイルとは全然違うね〕
配線もあるし軽く見るだけだから開きっぱなしにしていた操縦席のハッチ。その向こうからスピーカー音声で聞こえたミミィの声を、ズシンという振動が遮った。
「ストォォォップ! 勝手に動かさないで! 危ない!」
おっさん長官の焦った声に、
〔たまちゃんさーん! 見て! ミミィ、これなんか動かせるっぽい!〕
はあ?
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