第47話 影の敵

<放送中>


なんというなんつークソ度胸だよ……」


 固唾を飲んで見守る大剣の独り言はシミュレーションルームにいるパイロット全員、いや、この戦いを見る者すべての気持ちを代弁しているものだった。


 ほとんどのパイロットは変形機構のあるブレイガーを見て、突入直後から高速形態に変形するとばかり思っていた。だが、画面に映る大型乗用車は一向に姿を変えずに宇宙を疾走し続けている。


 何人かのパイロットが端末からブレイガーのスペックを呼び出し、その性能から導き出された玉鍵の戦法に戦慄する。


(限界まで車両形態で近づくつもりなのね、エース)


 あえて高速・高機動形態は取らず、その10メートル以下のコンパクトなサイズを信じて敵のレーダーを欺瞞するつもりなのだ。噴射炎はもちろん、シールドも光を出さぬようカットして。


 モニターに映る車内ディスプレイが表示する速度は光速を超えている。いかにスーパーロボットの装甲を持つ車両でも宇宙ゴミデブリひとつ引っかければ宇宙の藻屑だ。


「宇宙フィールドと言っても本物・・じゃない。玉鍵はフェイクの『ゴミの無いクリーンな宇宙』に賭けているんだろう」


 花鳥と呼ばれる元パイロットが絶え間なく更新されるデータの取得を続けている。これまで宇宙フィールドは挑戦者が圧倒的に少なく、得られる情報は極めて価値があるからだろう。


 ワイルドワスプのパイロット『キャスリン・マクスウェル』はジリジリとした緊張感を前に、自分がブレイガーのコックピットに座っている仮定で画面を凝視する。


 英国人の血を引くキャスリンの瞳は青く、その目に映るブレイガーの赤はことさら眩しく映っていた。


(パイロットスーツも着ないで宇宙フィールドに行くなんて。エースはどこまで余裕を気取るつもりなの?)


 玉鍵のパイロットスーツ嫌いは有名だ。彼女は誰に何を言われようと頑なに拒否して白いジャージ姿で出撃していく。


 女としては分からないではない。スーパーロボットのパイロットスーツというのは汎用スーツでさえ明らかに性的なアピールが入っているデザインで、胸や腰が強調されているうえに体のラインがハッキリ出てしまうものがほとんどだ。思春期の少女が着るにはあまりに恥ずかしい。

 酷いものになると局所以外は素肌を晒す痴女めいたデザインのものさえある。ジャスティーンのパイロットスーツなど基地関係者以外にも悪名高い。技術屋たちが『肌を晒していても怪我を負わない』超技術を使っていると言おうとも、これはそういう話ではないのだ。


 キャスリンは戦うために割り切ってタイトなスーツを着用している。わずかな服のたわみがコックピットのスイッチを引っ掛けないよう、少しでも素早くスムーズに操作できるように、戦績を上げつつ生き残るために。たとえ男たちからいやらしい目を向けられても。


 これで玉鍵が過去にひとつでもヘマをしていれば『それ見たことか』と思えた。だが、キャスリンを訓練生トレイニーのようにあしらう桁違いのエースパイロットが貫くスタイルは今日まで完璧で、格下の自分は口を閉ざすしかない。今の立場で何か言ったらこちらが恥をかくだけだ。


「! 変形したぞ!?」


 思わず身を乗り出した大剣をチームメイトらしき男が掴んで引っ込める。しかしそんな事はキャスリンにとってどうでもいいこと。


(なぜ、こんな半端な距離で……プレッシャーに負けた?)


 自分が命を張り込んだはずの戦法を、ギリギリの場面で信じられなくなることはパイロットなら誰でもあることだろう。


 このままでいいのか、もっと別の方法があるのではないかと。エース玉鍵とて人間、この絶望的な戦闘区のプレッシャーに飲まれてしまった可能性が無いとは言い切れない。


「玉鍵……おまえ、スゴイよ。本当に」


 口から血を吐くのではないかと思うほど絞り切った声が花鳥から漏れる。それを聞いた周囲が一斉に彼の方を向いた。誰もがエースの選択の意味を知りたかった。


「あれだよ、恒星だ。あの戦艦、ルート上にある4万度の恒星の熱で外殻のファイヤーアークを強引に溶かすつもりなんだ。それに気付いたから、タイムリミットを感じて突撃に切り替えたんだよ」


「……接近できるの? ブレイガーはそんな熱量の空間に耐えられる機体なの?」


 花鳥は首を横に振る。キャスリンの知覚能力にはイージスのパイロットたちが息を飲んだ事が分かった。


「だから少しでも早く接近する必要がある。限界まで最高速で近づいて……そして、耐G出力にフルパワーを込めて可能な限り短い時間で船体際で減速しなきゃいけない」


「タイミングが取れるわけない! 今の時点で光速以上だぞ!!」


 大剣が不可能だと断言する。それも当然だ、光の速さの何倍もの速度で飛んでいるのだから。


 たとえSの超技術の恩恵で機体が破壊されることもパイロットが死亡することもなく、安全に急ブレーキをかけることができたとしても、光の超える速度に1000メートルそこらの停止許容範囲が何になる? 


 追走なら一瞬の誤差で遥か彼方。向かっていけば、それは有人砲弾と変わらない。だからといって激突に怯えて止まれば弾幕のど真ん中で立ち往生だ。


 あるいは初めから特攻覚悟なのか。確かに、ブレイガーと自らの命で撃破・・だけは出来るかもしれないが。


「玉鍵さん…」「Oh! ゆっチャン!?」「…精神的なもの、このまま安静に」


「センパイ……それでもあいつなら、玉鍵ならやってくれますよ。絶対にね」


 花鳥が目を向けるのを待っていたかのようにモニターに動きがあった。黒い空間を貫くエネルギーの砲撃が走る。


「気付かれた…」


 キャスリンの中でめぐるましく戦闘機動が試算される。とるべき軌道コース、速度、相手の攻撃能力。何一つ予測の域を出ないぶっつけ本番の会敵エンゲージ


「クソ度胸ぉ……ホッッッントに女かよッ、あいつ」


 大剣の全身が己もブレイガーに乗り込んでいるように引きつる。それ以上に、脳内シミュレートするキャスリンもまた身が硬直していく。


 玉鍵の取った戦闘機動は、真っ向勝負の直進。戦艦に向かって雷撃するかのごとく一直線!


(信じられない。どれだけ丈夫な体なの?)


 計器表示からブレイガーは機体のエネルギーを喰う耐G能力を限界まで抑えて、すべて速度に回しているのが分かる。すでに体感する負荷は7G、いや8G近いはずだ。少女の体がパイロットスーツ無しで耐えられる限界を超えている。


「ば、何を!?」


 突如、ほぼ限界値で固定されていた速度計がさらに回る。この上でなおもブースターまで使用した加速に花鳥から悲鳴が上がった。


 モニターの映像がブレイガーの肩ごしの背面映像に切り替わり、発光。次の瞬間には禍々しい気配を放つ金色の雲が広がった。


「こ、光子、魚雷?」


 パイロットの一人が寒気を覚えたように震える声で、その雲を作った兵器の正体を口にした。


 光子魚雷フォトントーピドー。物質と反物質の対消滅を利用した膨大な破壊力を持つ超兵器。この兵器の前にはどんな装甲もエネルギーシールドも役には立たない。


 数ある人類側のスーパーロボットに、この種の兵器搭載記録は無い。


「カンでヤベえと分かったからって、突っ込むかよ普通」


 知らずかいていた汗を拭い、大剣は血の気の引いた己の顔を『参った』というようにピシャリと叩いた。


直進あれ以外は無い。加速して直進する以外はみんな対消滅に巻き込まれる)


 あらゆる機動をシミュレートしても、キャスリンの操るブレイウィングは陽子の雲に飲まれて消えた。


 己が10度選択して10選ばない機動。それだけが唯一の正解であることに青い目の少女は唇を噛む。10人のキャスリンが死んだ道を、玉鍵は一人で潜り抜けたことを理解して。


「これが、エースオブエース……」


 一般層のパイロットでありながら、エリート層パイロットたちの戦績さえゴボウ抜きにした少女。玉鍵たま。遠すぎる背中を幻視し、なおも一人の戦士は克己する。


 キャスリン・マクスウェル。彼女もまた、周囲から天才と呼ばれたパイロットなのだから。





 宇宙には上も下も前後左右も無い。便宜上で三次元に扱われるだけで実際の起点はどこであってもゼロだ。だから地上ではありえない無茶苦茶なデザインでも宇宙なら許容される。


 例えば海上を行く船と違って宇宙船は船底にも大砲やら対空火器をつけたりもする。敵が狙ってくる箇所だって上下の区別がないからな。


 それでも運用を考えればおのずと適したデザインってヤツはあって、この切ったピザみたいな三角形の船は惑星揚陸を想定でもしているらしく、明らかに底面の火器が少ない。


 こりゃあ、当たり・・・を引いたっぽいな。下は地上攻撃用の火器が主体で対空意識は低いみたいだ。上面側面のハリネズミよりかずいぶんマシになった。


《速度同期準備。早くても遅くてもマズい位置に出ちゃうから、タイミングに気を付けて》


(あいよ、ウィングを慣性飛行に。浮いたエネルギーを耐G出力へ回す)


 無重力下での加速減速は等価交換だ。スピードを上げるのも下げるのも同じエネルギーが必要で、かつ同じ加速減速時間が必要になる。


 これを歪めるためには地上と同じく余分なパワーが必要な訳だが、それ以外にもパイロット保護のためにエネルギーが余計にかかる。Sワールドだけに適用される謎理論のおかげで、まだ条件は緩いがね。普通の空間ではまず『光より早く飛ぶ』ってのが人類には不可能だしな。人間中身入りならますます無理だ。


(速度同期、減速カウント)


 目的は外殻に取りついてるガキどもの回収だ。お互いの速度が違い過ぎては何もできねえ。


《10からスタート。9、8、7、》


 まずはあの戦艦とブレイウィングのスピードを揃わせる。接触時に速度差があり過ぎると触れた瞬間に戦艦の外殻使ってヤスリ掛けされちまう。汚い火花になるのは勘弁だ。


(ダンサーへの変形準備、3、2、1)


 戦艦の表面に取り付けたら一度ダンサーに戻る。使い過ぎたエネルギーのリチャージと、迅速な乗り降りのためだ。


(《同期ッ》)


 耐G機構最大出力! 機首反転、最大噴射!


 ブレイウィングが各部の補助噴射を受けて180度回転。戦艦に尻を向ける形になる。この速度を殺せる逆噴射機能なんて無いんでな。急制動かけるなら反対方向にメインノズルを向けるしかないんだわ。


《誤差検出0.002……修正。速度同期成功、低ちゃん生きてるカニ?》


(なんとカニ……目玉が飛び出るかと思ったぜ)


 後頭部から脳みそをグイッと押し出されそうな気分だったわ。あと少し負荷が強かったら冗談抜きで眼球がポロっと出ちまってたかも。


「ブレイシステムッ、ダンサー!」


 船体への降下に合わせてブレイガーを縮小、車両ダンサー形態へ。


 銀色の光を纏ったブレイウィングが見る間に縮み、それに伴い内装も再びレイアウトが変化していく。


 握っていた操縦棹とスロットルは知らぬ間にハンドルとシフトレバーに変化。体を包むように配置されていた計器類は簡素化して正面に。宇宙戦闘機っぽかった内装が、ごくありふれた乗用車らしい車内へと様変わりしていく。


 コレってマジでどうなってんだろな? 今考えるこっちゃねーが。


(……クソ、ちと噴射が後れたか。予定位置よりずいぶん奥だ。戦艦ピザの耳あたりじゃねえか)


《ノズル破損分が響いたね。プログラムで調整はしたけど応急処置みたいなものだし。でもあと少し後ろだったら熱ぅーい噴射炎チーズを被ってたよ? こんなもんでしょ》


(耳までチーズ入りのヤツか。カロリーがスゲーことになってんな)


 まあ嫌いじゃねえけど。クリスピー生地もパン生地も好きだぜ? いやピザはどうでもいいんだよ。近すぎて手も足も出なくなった敵は沈黙した。


 どうせこっちの火器じゃ外殻は抜けないって判断だろうな。うるさくないなら後は気ままなドライブだ。


(スーツちゃん、船体のスキャン頼む。艦載機小物が出てこない以上、帰るにはもうコイツをブッ潰すしかねー)


 最悪ブレイソードでチマチマ掘るしかねーな。穴空けた後は爆発に巻き込まれないよう遠くからブレイキャノンだ。戦うっーか、こりゃもう土方だな。相手が大き過ぎらぁ。


《さすがに大きおっき過ぎて一度にフルスキャンは無理ゾ。エリアに小分けして走り回ってチョ》


(どのみちガキどもを拾うにゃ船の上を走ってくんだ。丁度いいさ)


 恒星の影響が出るまでの制限時間付きだがな。頼むから弱点ひとつやふたつ、ポロっと見つかるくらいの可愛げを持っててくれよ。





<放送中>


「取りついたかッ!」


 脂汗をかいて作戦室の画面を凝視していた獅堂は、戦艦へのアプローチに成功したブレイガーに拳を強く握る。


 ただ老人はむしろ取りついたことより、パイロットが危険な状態から解放されたことのほうを喜んでいた。


 光子魚雷を躱すために無茶苦茶な速度で突っ切った玉鍵は、再びの魚雷攻撃を戦艦底側へと機体を潜らせて躱す軌道を取った。


 それは負荷の恐さを知る者から言わせれば、極めて危険な戦闘機動である。


 体内の血液は心臓というポンプによって循環している単なる液体。言うなれば容器に入った水、容器とは別個の物体である。


 器が振り回されれば中の水もまた遠心力によって外側へと追いやられるように、血液もまた体内で引っ張られて外面に張り付く。


 では、人が足を持たれて振り回されたらどうなるか?


 体内の血液の多くが遠心力に引っ張られ、急激に頭部へと集まってしまうのだ。


 俗に視界が赤く染まることから『レッドアウト』と呼ばれるこの状態は、目や脳の毛細血管を己の血圧によって破裂させかねない莫大なリスクが生じる。


 失明などの深刻な障害は元より、脳がくも膜下出血を起こしてパイロットが死亡しかねない危険極まる戦闘機動である。


 足元に血が集まり失神を引き起こす『ブラックアウト』現象と比べても、レッドアウトは数段リスクが高い。


 きれいな顔を高揚させ、それでも負荷に耐え切った玉鍵。彼女は鼻から出た血を拭って不敵に笑んでいた。


「車になった!? WHY?」


「ちょ、サンダー邪魔っ」


 サブモニターのデータを洗っていた雉森の頭を、興奮して身を乗り出した褐色の二の腕がグイグイ押してくる。

 それを乱暴に払った妹は、兄や他の職員の疑問に答えるためにブレイガーのコンディションを大画面上に添えた。


「さっきの超高速移動でエネルギーが枯渇してるのよ。いくらスーパーロボットでも数光年を全力で飛ぶのは大変だもの」


 それまでのブレイガーの行動から予測されたものなので誤差はあるだろうが、エネルギー残量はほぼカラというのが作戦室のコンピュータが出した結論だ。


 攻撃してくる宇宙戦艦への突撃、速度を合わせてのアプローチ、そしてエネルギー。


 玉鍵はあらゆる意味で不可能な問題を、一回こっきりのチャンスで完璧にモノにしていた。


 雉森では100回、1000回。いや、何万回やっても無理だろう。戦艦の火力を前に無情に叩き落とされ、タイミングを合わせることもできずに宇宙の彼方に通り過ぎ、枯渇したエネルギー残量を見つめて立ち往生するしかない。


 数値的には10光年を飛べるとされるブレイガー。しかし、それは最適な環境であればこそ。戦闘ともなれば稼働時間を急激に消耗してしまう。


「ブレイガーは車両モードならエネルギーを自己充電できるからの。最初から織り込み済みだったんじゃろう」


 スーパーロボットの中には補給要らずの無尽蔵に近いエネルギー炉を搭載している機体もある。

 ただし一度に使用できるパワーは機体の耐久力に依存するため、莫大なエネルギーを放つ炉心と直結はせずに無理のない出力で一旦チャージして、その都度使うという形式が多かった。


 ブレイガーもまたこの形式である。車両形態ブレイダンサーは消耗が少なく、リチャージに適したモードだ。


「船の上を走ってる……」


 なんとも奇妙な光景。1000メートル級宇宙戦艦のフラットな底面を、一台の車が逆さまに張り付いて走行しているのだ。


「人類史上初、じゃろうな」


 敵の空母に間違えて降りた航空機乗りの話は過去に実在するが、敵の戦艦に飛び乗って車で走った例はあるまい。


 緊迫した状況から一転して、コミカルなカートゥーンでも見ているような気分で眺めていた獅堂たち。


「HAY! 何してるッ!?」


 だが、そんな空気の中でサンダーだけが緊迫きんぱくした声を上げた。


 彼がズカズカと駆け寄ったのはひとりの若手オペレーター。驚いた雉森が制止するより早く、兄はオペレーターの男を席から引き摺り下ろしていた。そして男のマイクをひったくる。


 遅れて気付いた獅堂がサブモニターに表示した通信ログは『ファイヤーアーク』その脚部パーツでありオペレーターと唯一繋がっている太陽桃香との秘匿通信だった。


「てめえ! 流しやがったな!?」


 太陽桃香は今回の出撃で不正を働いた可能性の高いS関連犯罪の容疑者。帰還したとき安全に拘束するため嫌疑が掛かっていることを伏せておくつもりだったのだ。


 そもそもこの太陽桃香という少女は怪しすぎる。獅堂が調べた限り、なんと火山と親類関係であり、明らかに子供ならざる意図をもって動いている。


 背後には大人、それもかなり組織的で碌でもない目的を持つ存在がいる。彼女を拘束して調べることが急務だった。


「帰還した時に基地を爆撃でもされたらどうするつもりだぁ!」


 犯罪が暴かれ自暴自棄になったパイロットが、諸共に地下都市を攻撃したらどうするのか。基地側の遠隔操作で誘導しようにも距離に限度がある。


 カタパルトで強引に飛ばす出撃と違い、帰還は基地の信号が届かない距離に留まられる可能性がある。


「!? 危ないッ」


 思わず声を上げた雉森に、全員がサンダーと倒れているオペレーターに注目する。しかし、そこに銃を抜くような場面はない。


 オペレーターは筋骨逞しいサンダーに完全に拘束されている。危険には見えなかった。


「ファイヤーアークが、ブレイダンサーを攻撃しています!」


「なっ、なんじゃとぉ!?」


 雉森は押さえつけるサンダーにも、床に臥すオペレーターにも注目していなかった。


 彼女はモニターに映る光景に驚いて声を上げたのだ。


 突如ファイヤーアークの額から走った光線を、辛くも急ハンドルで避けたブレイダンサー。


 先の戦闘で半壊している不死鳥が、それでも狂った猛禽の如く地べたを往く車に襲い掛かっていた。

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