第35話 主人公に新たな敵? 人の敵はやっぱり人
<放送中>
「この娘を星天家で使うことにします」
本家の屋敷に急きょ集めた分家の長たちに彼女はそう告げる。これは相談ではなく、本家からの決定事項の通達であり分家たちへの命令。それぞれの分野において必要であれば支援をするようにとの要求である。
それぞれの手元に配られた書類にはひとりの少女のプロフィールが綴られている。電子媒体が主流の社会でわざわざ紙の書類を使うのは、それが上流階級の品格であるからだ。
「発言を」
彼女と年齢と席順の一番近い初老の男性が手を上げる。それに首肯することで彼女は応えた。
「まさか本家の養子になさるおつもりで? それはいささか問題では?」
格のある家に素性の知れない者など入れることはできない、それが男の言い分だ。どれだけ容姿端麗で有り余る才能を持っていようと、高貴な一族にとって問題は血筋。たとえ華々しい活躍をしていたとしても血筋が卑しい者は認められないと。
「分家のどこかと将来的に婚姻を結ぶ形であれば分かりますが。年の近い男子がいるのは、まあ
そして代わりの受け皿に己の家を提示する。聞こえ良く言ってはいるが、つまるところ本家に渡したくないと述べていると、この場の全員が理解した。
特に他のどの家よりも多額の上納金を収めるために手掛けている商売は表商売に限らず、都市のアンダーグラウンドを縄張りとした犯罪行為さえあった。
そして後ろ暗い商売というのものは往々にして、真っ当な商業活動以上に中核となる人材に実力と胆力が不可欠である。
手元の資料から見て少女は表でも裏でも活躍できるだろう。だが、
その中でも彼は少女の持つタガの外れた暴力性に注目する。
転校初日に上級生含む10人以上を入院レベルで暴行し、さらに素行の悪い高校生数名を相手取り乱闘。このうちひとりの右手を潰ぶし粉砕骨折させ、加えて眼底骨折を負わせて片目を失明させている。
基地でも成人男性を相手に事件を起こしており、ひとりのトレーナーを殴って肋骨を折っていた。
転校してきてから一ヶ月と経たぬうちに起こした傷害事件の数々と負わせた怪我の重さを見れば正当防衛とは程遠く、意図的に重傷を負わせているのは明白である。残忍で狂暴な性格と称して差し支えないだろう。
他人を傷つけることに躊躇の無い人間。それは彼の一族が抱える仕事に適性がある性格である。こういった人格の持ち主は暴走しかねないので手綱を握る必要があるが、そこは長年培った
これほどの容姿を持つ少女を
彼の家にこそ絶対に欲しい娘だ。今の時点でも間違いなく抱き込む価値があり、その将来性も計り知れない。
「あなたの孫の事? 25のどこが近いのかしら。この娘が20になる頃には三十路でしょう?」
向かいに座るやや太めの中年女性が鼻持ちならない事を聞いたと顔をしかめ、嫌そうな声を出す。
土門家の女家長は冥画家のなりふり構わぬやり方を嫌っている。
「大人になれば10才そこらは誤差だろう」
「なら
争奪戦に声を上げるのはこの二人だけではない。他の分家たちからも次々と名乗りが上がる。
実は同年代の男子を持っている分家がひとつあるのだが、その家の事を誰も話題にはしない。少し前であれば本家から白羽の矢が立っていたかもしれないが、その可能性はもう無くなっていた。
太陽、
星天家の10ある分家たち。序列が本家からの支援に直結する彼らは常に争っている。有能な人材を他家に行かせるわけにはいかない。
「……聞こえていなかったのかしら? 私は星天家で使うと言ったの」
上座に座る白髪交じりの女性の言葉に言い争いをしていた分家たちが静まり返る。
地下都市でどれだけ序列が上がろうとここは一般層。エリート層と繋がっている本家とはその影響力と財力は比べるべくもない。たとえ彼ら分家が団結しても対抗さえできないほどの実力差が本家と分家の間にはあるのだ。
「お言葉ですが、
静寂の中、今回の資料作成のために情報収集を担当した木目家が恐る恐る手を上げる。
この少女は基地長官の要求を一言で蹴ったうえに引き留めようとしたSPを殴り倒して去っている。高額の報酬や用意された最新鋭機さえ興味を持っている様子が無かった。
勧誘するとして、どんな条件を提示すればいいのか。また
「耳がおかしいのかしら? 養子? 婚姻? 私は
「お待ちください。この娘はパイロットです。下手をしたら―――」
「辞めさせればいいじゃない。背丈と同じお金でも掴めばいいだけよ」
忌々しい『Fever!!』が口を出してくるのはパイロットの事だけ。辞めた後の人間がどうなろうと関知した記録はない。
ならパイロットを辞めさせればいいだけだ。世間を知らない愚かな小娘など、大金を前にすればすぐ飛びつくだろう。後は拉致でもなんでもすればいい。別に殺すわけではないし、最悪卵子だけでも提供してくれればいいのだ。
「お言葉ですが、難しいと思います。稼いでいる金額が並じゃありません。当人も嫌々パイロットをやっているわけではないようで、大金を積んでも興味を示すかどうか……」
木目家は金銭解決を否定する。少女は性別にそぐわぬほどの強い戦闘意欲を持っており、すでに高額の報酬を得ているにも関わらず毎週の出撃予定を立てているほどだ。金銭問題で止む無くパイロットをしているタイプではない。
「若い女の意志を奪うなら恋でしょう。その話、私どもにお任せを」
声を上げたのは月島家の若作りの男。美男美女の揃う一族であり、異性の篭絡を専門として諜報活動などを行っている。比較的まともな手段で情報収集を行う木目家とは相反する、人の心を弄ぶような手口を得意としていた。
「……いいでしょう。本家で
「フフ、はけ口には困っておりません」
部屋のどこからか舌打ちが聞こえたが、月島家が発言すると決まって誰かが鳴らすので、今日も誰も気に留めなかった。
(なあスーツちゃんや。オレさ、マジで寒気がするんだが)
《風邪を引く直前かな? 栄養を取ってあったかくして、今日は早めに就寝しようね》
勘弁してほしいぜ。この体は
IS03.<…ぜんぜん当たらない>
IS01.<すぐ位置を変えて! 止まってたら――>
「バン、だ」
IS03.<…ぐ、撃破判定>
どれだけ大砲撃ちたくても味方がカバーに入れない位置で静止するもんじゃねえぞ。
《シズクちゃん、アウトー》
IS02.<うわッ、待って待って!?>
前衛は味方の前にいるって意味じゃねえ。敵の前に妨害兼ねて出るんだよ。ほれ、受けろ受けろ。
《わざと射撃を散らして、ガードを揺らしーの》
IS02.<わ、わ、わ、ひゃん!>
《恐がって固まったところで隙間を縫いーの、撃破ー》
IS04.<射線がぜんぜん通らナイ、味方をずっと壁にされてるヨ>
そういうときゃ思い切って突っ込むんだよ。遠間のほうがこっちは余裕を持って射線を切れるんだ。2機以上いるときゃ多少無茶でも接近したほうがプレッシャーにもなる。
《片っぽは盾にされてるけどねー。低ちゃんてさ、こういうこすっからい戦法得意だよね》
(独り身が長くてな。背中預ける味方機が
IS05.<剥がれないッ、こっちの機体じゃ無理ぃ!>
いや、さすがにバックで逃げようってのは虫がいい話だぜ? 大抵のロボットは前進が一番速いんだ。だからって横に動くにゃ周りが見えてねえな。そっちは撃破した味方が邪魔だ。
IS05.<あ!?>
《撃破。ホントに思考加速するまでもないにゃあ》
(対人相手じゃ勝手が違うのもあるが……ロボットの性能頼りがひでぇな。棒立ち、直線回避でポコポコ当たる。そんで撃ってくる気配も読めてねえ)
ガチで殺し合えば1回、訓練で3ヶ月そこら真剣にやれば『あ、来る』って攻撃の気配がちょっとは読めてくるもんだ。やっぱこのガキども、まだまだゲーム感覚で戦ってるようだ。
《死んだことがないんだからこんなもんでしょ》
(1度死ぬ思いしないと覚醒はしねえか)
これで3機。後は01と04、
IS01.<これ、もう終わりだよね…>
IS04.<マイム、やるだけやるヨッ>
おお、04は思い切りがいいな。
<放送中>
慣例的に出撃日の翌日はパイロットが少ない。体調を整える意味で休むパイロットや、手に入れた報酬に満足して休む者、仲間の死から立ち直れず基地にこれなくなる人もいる。
そして今日は前日に引き続き街の復興のためにパイロットたちが出払っていることもあって、いつも順番待ちするほどの人気がある玉鍵さんと、私たちチーム対ソロという形でシミュレーションが出来た。
結果はボロ負け。5機で戦っても合体ありでも玉鍵さんの相手にならなかった。だってクンフーマスターの素早い動きに翻弄されてフォーメーションどころじゃないんだもの。飛べないクンフーに合わせて飛行縛りにしたことも言い訳にならない圧倒的な実力差だった。
「…ゴメン、いつも最初に墜とされる」
「シズクはスナイプ仕様だから真っ先に狙われるのよ。守り切れない私たちの方が悪いわ。玉鍵さんもそう言ってたしね」
複数戦のあと『四枚も壁があってひとりも火力担当を守れないのは問題だ』と言われちゃってるのだ。でも玉鍵さんなら倍以上でも簡単に抜いちゃうと思う。1回の戦闘でダブルスコアを叩き出す人なんだもの。
指揮担当で合体時に頭部になる平均的な能力の10メートル級『イージス01』が私、星川マイムの機体。
他『02』『04』『05』の3機は似たり寄ったりなんだけど、シズクの担当する『イージス03』だけは合体時に胴体パーツとなる機体なのでやや大柄の20メートル級。
大きいだけに大口径の火器を持っていて、分離状態で戦う時は03を守りつつ敵を包囲するように展開するのが私たちの基本戦法なのだ。
けど残念ながら今回のシミュレーションでフォーメーションが穴だらけと分かってしまった。ちょっと圧力をかけられるとたちまち崩れてしまう。今の形だとフォローが間に合わないみたい。
数戦するだけでヘロヘロの私たちと違ってまったく平気そうな玉鍵さんは、今後の私たちの課題を淡々と説明して自主訓練に戻っていった。
玉鍵さんはよかれと思って真面目に戦ってくれたんだろうけど、憧れの人との断絶した実力差に消沈しちゃった私たち。
「頑張れ、シスターズ」
でも去り際に、ドアから顔だけ出して言ってくれた激励は疲れを忘れるほど嬉しかった。みんな現金だなぁ、私もだけどさ。
私たちのチーム名はチーム生還後にシスターズチームという名称で正式に決定された。正直、みんなちょっと恥ずかしいと困っている。チーム名は大抵の場合、搭乗する機体が由来になるのでしょうがないことなんだけどね。
姉妹合身『イージスシスター』。これが私たちの乗機。小型ロボット5機で合体する50メートル級スーパーロボット。
女性型フォルムを持つスーパーロボットは意外に多いんだけど、ほとんどは単機型みたい。全機が女性型の合体機はすごく珍しいんだって。
このスーパーロボットは同系統の機体に比べて強い代わりに、搭乗資格にものすごく変な条件がある。人に話すことは禁じられているからあまり知られていない。
その条件は『百合の資質』。
乗ってから言うのもなんだけど、開発者の悪ふざけが過ぎると思うの。自分でも知らない変な資質を見出されて平気な女の子がいるわけない。後で資格ありと聞かされて、全員が全員の顔をまじまじ見ながら悶絶したわよ。
玉鍵さんも試験を受けたのに最高成績の彼女が落ちた理由、あのとき初めて分かったわ。この一点だけで落とされたんだと。
……玉鍵さん百合っ気は無いのか。
そう知った時に感じたあの言いようのない喪失感はなんだろう。私は何を
けど、あれだけの容姿と能力を持つ女の子。はたして釣り合う男はこの世にいるんだろうか? 高嶺の花は摘まれずに枯れてしまうものなのかもしれないけど。
――――枯らすくらいなら。
そんな悪魔の囁きが聞こえた気がして強く頭を振った。恩人相手に私は何を考えているんだろう。
(完全に功夫ライダー返し損ねた)
二つあったヘルメットは更衣室でひとつになった。どっちもスーツちゃん製で
スーツちゃんは衣服だけじゃなくヘルメットや手袋、ブーツといった小物もモーフィングできる。服の上下とか、物理的に分離したものでも平気だから出来そうだとは思ってたがよ。
ちなみにあんま本体と離れすぎると変態機能の無い、ただの
相変わらずフィーリングの合わない感覚はともかく、
《まーいいんじゃない? お爺ちゃんたち忙しそうだったし》
徹夜で働いてると言われちゃなあ……。私用で仕事増やすみたいで居た堪れねえから切り出せなかったぜ。おまけに元ガンドールチームの面子までジジイの仕事を手伝っていやがって、なんか周りが仕事してんのにひとりで遊んでた気分になっちまったわ。
(ジジイのやつ、マジで長官代理してんのな。たしか副長官って野郎いなかったっけ?)
《入院中、って記録されてるね。急性胃炎にでもなったんじゃない?》
(ブラックだなぁ。殺しても死にそうにねえジジイだが、さすがに過重労働すぎんだろ。
次が因縁の5回目だってのに。不安材料ばっか積み上がるじゃねーか。
向井は復帰したが病み上がり、夏堀と初宮はまだ学校にも来てねえ。もう5回目はチームで戦うのは無理だわ、これは完全に諦めたほうがよさそうだ。
バックアップも不安だ、都市がダメージを受けて基地の連中も動揺している。こういう状況は見えてこないところでトラブルが起きるんだよなぁ。また整備不良に遭いそうで恐いぜ。
(そういやヒゲは例によって基地の牢屋か)
あのタコ、息子に装着した痛覚装置を出撃前に切っちまったらしい。おかげで息子はオペレーターの言う事を聞かずに大暴走だ。
損害出したのは息子のほうだが、この一点だけで十分犯罪者だろ。さっさと底辺送りにしちまってほしい。
けど……なーんか国の動きが鈍い気がするんだよな。今は被害復旧に注力中、とかならいいんだがよ。あるいは不良整備士みたいに逃亡させて行方不明扱いにする気なのか?
(逃亡させるとしたら、次は誰が逃がすんだろうなぁ)
《大手を振って出てくる可能性もあるけどねー》
(笑えねえ)
これだけやらかして本当に無罪放免だったら、マジの大マジでオレが殺しちまったほうがいいかもしれねえ。腐り過ぎだろ一般層。
《んー? 自宅近辺に怪しい車が4台》
あん?
(具体的に何が怪しいんだ?)
《民間外の周波数でやり取りしてる。功夫ライダーを見て通信が激増したよ。それにナンバーは偽造だね》
記者、いや偽装ナンバー使ってるあたり暗黒街の連中か? 撒いたと思ったが。
(どこぞのタコに自宅を押さえられちまったか。こんなに早く引っ越すことになるとはな)
《次はもっとセキュリティの良い場所にしよう。お金はたんまりあるしね》
(へっ、なら引っ越し代くらいは巻き上げないとな)
このマンションは地下に駐車場があるからな、外より向こうさんには都合がいいだろうよ。
単車をトロトロ転がして地下に入りちょっとばかし様子見。まず間違いなくオレが目的だろうが、もしも全然関係無かったら赤っ恥だ。
《1台が車内に運転手ともう1人残った、他は全員降りて、入口の見張りに2人。他12人がこっちに来てる》
(慣れてるな。まさに今から犯罪しますって布陣じゃねえの)
なら運転手付きの1人がこいつらの頭か? 自分は手を汚さねえ、何かあったら逃げ出せるって位置にいるのがそれっぽいな。
功夫ライダーを停めたあたりでオレの視界にも入ってきた。見えてるのはスーツの男2人。他は物陰で様子を伺っている。
「玉鍵たまさんですね?」
暴力の気配はプンプンするが物言いは柔らかい。
《どっちも拳銃を持ってる。スタンロッド、薬品のシリンジも。うわぁ、ガチの拉致仕様やん》
「なに(かようか)?」
「さる御方がお会いすることのことで、あちらの車まで来ていただきたく」
「嫌だと言ったら?」
「悪い事は言いません。大人しくしていただけませんか」
「それでも嫌と言ったら?」
「……ガキ、おまえの意志は関係な―――」
その場で停めていた功夫ライダーのアクセルを吹かし、アクセルターンで男を跳ね飛ばす。
《もうひとり、銃を抜こうとしてる》
すぐ抜こうとするあたり正体が知れてんぜ。何より拳銃所持の時点で違法だよなぁ!
加速を切らず車体をウィリーさせて2人目にぶちかます。いきなり大重量に乗り上げられ、駐車場の床に叩きつけられた男の体はミシリと一瞬だけ筋骨が重みに抵抗したが、結局ベシャリと潰れた。胸骨骨折ってとこか? こっちだって弾が当たったら死ぬんだ、銃持ちに遠慮はねえぞ。
「偽装解除!」
《偽装解除。功夫ライダー再起動。
男に乗ったまま急発進。猛然と回転するタイヤの下でバリバリ何かが破ける音と、野太い悲鳴が地下に響く。
「スパイク準備!」
《スパイクタイヤいつでもどーぞ。これで引っ掻かれたらチャチな装甲板なんてガリガリだよん》
周りから他の連中が飛び出て銃を抜こうとするが、もう遅せえよ。目標、偉そうなヤツの乗ってそうな黒い高級車!
《ヒャッハー! ブッ壊せえ!!》
ジャンプ機能でほぼ水平に跳ぶ。狙いはフロントガラスの運転席側。ここで逃げられたら困るんでな!
スーパーロボット由来の超強化タイヤ、その前輪に形成した現実離れしたスパイクがフロントガラスに突き刺さる。加減したから奥の運転手を潰すまではいかねえが、一発でガラスは丸剥げになった。
《後ろに初老の男が乗ってるね、すごい偉そうで陰険な感じ》
「アンカー!」
《アンカー発射。男の横の後部座席を貫通してフレームに命中、カウルを移動してアンカー発射機を功夫の後方にセット》
おう、さすがスーツちゃん。分かってくれたか。功夫ライダーはバイクなのにバックもできるが、やっぱ引きずり回すならフルパワーを発揮できるようにしねえとな。
(それじゃあ黒幕さんよ、ちょいと派手に行くぜ?)
偏向ノズルを斜め上に向け、噴射の力で功夫ライダーを地面に押し付け強引にグリップを利かせる。大型バイクとはいえさすがに車相手では重量負けしてるからな。
だがこいつのパワーは民間車とは段違いだぜ?
《はいよー、クンフーッ》
アンカーで繋げた高級車を引き摺り地下駐車場から脱出する。突然下からカッ飛んできた功夫と
《ぶつけるならあの辺がいいかな。死なない程度の調節はスーツちゃんにお任せちゃん》
軽くカーブをかけて急停止。一方アンカーの先にくっ付いている車は慣性のままに懸架の土台部分に叩きつけられる。特別性らしい車体は無事でも中身はそうはいかないだろう。まあ死んでなくて口が聞ければいいさ。
「さあて、親玉の
残り10人の男たちを半死半生で転がすまで、それから40秒ほど掛かった。4人ほどサブマシンガンまで持ってやんの。マジでこいつら
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