第30話 ルール違反!? 跨がれた境界線!

 4回目の出撃日。乗機はそのままGARNETを選択した。マシンサンダーチームが懲りずに粉をかけてきたがオレは足は嫌なんだよ。


(ありゃ、夜間部か。しかも最後の6段目って、ついてねぇなぁ)


《6時、9時、12時、15時、18時、21時、の計6段だもの。4回出撃すればそろそろ後半に当たるっしょ》


(まあな。運のえヤツは夜ばっかとかあるだろうし、それに比べりゃマシか)


 夜間は難度が高い傾向がある。敵が強かったり変な能力を持っていたり、選べる戦闘区が残らず過酷な環境になったりと、まあとにかく昼より面倒なんだよな。


 立てた予定が直前で狂いっぱなしだったが、先日ようやく療養中の夏堀と初宮の様子を見れた。けど、会ったはいいが正直ちょっと判断に迷う感触だったから困ってる。


 どちらも口では平気と言っていた。しかし、その目に戦闘への怯えがあった。いっそ、もう嫌だと泣いてくれりゃあ分かりやすいんだがなぁ。


 ――――人は自殺できるくらいには『死』に体当たりできる生き物だ。


 だが、『長く続く苦痛』には脆い生き物でもある。


 爆弾一発、一瞬でご臨終ならやけくそで戦えるやつは案外多い。自殺だって楽に死ねるなら発作的に死にたいヤツは相当数いるだろう。死ねば楽になれる、そんな空想したことのない人のほうが少ないんじゃないか?


 けれど、あいつらは半端に生き残っちまった場合に起きた体験から、どうしようもない事実を認識できちまったんだろう。


 夢見がちなガキの頭でも追い付いちまったわけだ。死ぬってのは悲惨で惨めで絶望しかねえってよ。それがどうしようもない現実リアルだ。


 きれいには死ねないんだよ、現実はな。


 内臓まき散らしてうーうー言いながら死ぬ。半端に潰れた操縦席で生きたまま泣き叫んで焼け死ぬ。手が、足が、顔が、ぐちゃぐちゃになって苦しんで苦しんで死ぬんだ。


 嘘くさいほどきれいな友人や恋人の遺体に縋りついて、涙の伝う開いた目を閉じさせる。


 そんな悲劇を辿ったお涙頂戴シーンなんざ創作だけさ。死体なんてのはみんな悲惨で汚ねえんだよ、誰だろうとな。


 腹を空かせ、喉を焼いて、くせえ臭いを漂わせる無残な死体になるのさ。楽に死ねるなんてだーれも保証してくれね。それが戦うって事だ。


 ……ま、いいさ。元よりひとりで戦うやるつもりだったんだ。せっかく生き残った命なんだし、大事にしろよガキども。


(はぁ、朝から基地に缶詰は気怠いタルいな。どうすっかねぇ?)


《ショッピングにでも行こうじぇい。申請すれば出撃3時間前までは上位パイロットなら外出できるはずだよ》


(おー、スーツちゃんはなんでも知ってるなぁ)


《低ちゃんが面倒くさがって書類を読まないからねー》


 あのクソデカバイク、ケツのシートに括り付ければ組み立て式のクローゼットとかなら積めるかねぇ? パワーだけは無駄にあるからいいんだが、さすがに積み込むための面積がなぁ。


「玉鍵さーん!」


 こっち目掛けてゾロゾロやってきたのは星川ズか。こいつら基地でも学校でも変わらず群れてツルんでんのな。最近はオレまで飯で一緒だ。


 昼になると追い込み漁みてえにワッと来て、あっと言う間に席を囲むから抜け出す隙間がねえ。ボッチ飯よかいいけどよぉ。


「玉鍵さんは最後かー。私たちは1段目だからもう行かないといけないんだぁ。お昼は一緒に食べない?」


「ちょっと!? 死亡フラグやめて!」


《特製サラダ頼んで待ってるぜッ》


(なんのこっちゃ?)


「(まあ)頑張れ(や)」


「「「「頑張る!」」」」


 じゃーねーと手を振りながら格納庫に行った連中を見て、なんか今の時点でスゲー疲労を感じたぜ。固まった若い女共のノリは未だに慣れねえなぁ。


《いやー、全方位でキャピキャピしててエネルギーが充填されますにゃあ!》


(キモス)


《キモくねーし!?》


 いや、今の発言はだいぶキモいぞスーツちゃんよ。あれで数時間後には死んでるかもしれねーんだぞ、少しはちったぁ真面目に送ってやれや。


(……あ゛ー、朝早くてなんか眠いわ。出かける前にちょっと休憩所でコーヒーでも飲ませてくれ)


《ほなら申請は送っておきますぅ。ゆっくり星川ちゃんたちを見守ってね♪》


(そんなんじゃねぇよ!)






<放送中>


「どうしても覆らないのですか? 息子は、宗太は、戦える状態ではありません」


 心無い中傷の視線から逃げるため極力人と会うのを避けていた火山は、閉め切った長官室で決して無視できない相手からの通信を受けていた。


 白髪交じりの初老の女性はモニター越しでも火山の心を騒めかせる。幼いころから徹底して受けてきた上下関係の教育が、己の体にどうしようもなく畏怖する反応を沸き立たせるのだ。


<戦える状態? 前からあらゆる意味で戦うには適さない成績だったのでしょう? 合法的に殺したいのだとばかり思っていましたわ>


「息子を殺したいわけがないでしょう!」


 発作的に思わず反論したが、再び体が勝手に竦み上がっていく。この女性の侮蔑を込めた目は、それだけで火山に強い恐怖を与えてくるからだ。


 その反応は奴隷の調教成果にも似た、秩序という名の刷り込み・・・・の集大成だった。


<ならどうして他の合格者を押しのけてパイロットにしたのかしら? まさか息子がなりたいと言ったから立場を利用して叶えた、なんて言わないでね?>


 確かに息子の成績はよくなかった。だが将来性を考えれば合格最下位と入れ替えるくらい問題ないはずだ。それだけの才能を父親は息子に期待しているのだから。


「……息子には才能があるのです。開花が遅れているに過ぎません」


<じゃあ丁度いいわね。極限状態でも開花しない才能なんて無いのと一緒よ>


「お願いします! せめてサポートをつけさせてくださ―――」


<ふざけないで>


 親の必死な願いを静かな一言がバッサリと断ち切る。そこに彼女の怒りを感じた火山はもうそれだけで言葉が続かない。たとえ息子のためだろうと、これ以上モニターに映る人物を怒らせることは彼には出来なかった。


<貴方、自分の息子がなんて言われているのか知らないわけじゃないわよね? 味方を置いて2度も戦闘放棄した最悪のパイロット、負け犬、味方殺し、クソ野郎、親の七光り。言いたい放題よ。私も他の誰かなら喜んで吊るし上げるところだわ。我が家の分家でなければね>


 古き名家、星天家の分家でなければとっくに殺している。そう暗に伝える彼女、星天家の家長代理には基地長官でさえ無力。むしろ彼女の支援なくばすでに基地を追われ息子共々『病死』か『事故死』させられていただろう。


 分家の人間が罪を背負って底辺行きになるなど星天家が許すわけがない。どうしても罪から逃げられないなら『あの世に逃がす』。


 どんな理由があろうと名家が底辺になどなってはならないのだと、家長代理の彼女はもちろん火山もまた呼吸するように信じ切っていた。


<誰もサポートになんか入らないわよ。もしかしてお金でも積む気? 基地の賠償もできないクセに>


 残念ながら息子の失敗・・で基地が被った被害は甚大だ。それは事実であり覆らないのは分かる。だが、それでも家長代理の命令は息子の処刑と同義の非道なものだと、父親として火山は懸命に家族愛に訴える。


「…………たった一人の、息子なんです」


<その息子が見殺しにしたパイロットたちの親も、似たようなものでしょうね>


 それがどうしたというのか。他が何人死のうが自分の子供のほうが大切なのも親の常だろうに。それに彼らは生きている。何の問題もない。


<繰り返すわ。単機で出撃して3機を撃破。それで処分事故死だけは許してあげる。以後は一切家から出さないこと、いいわね?>


 無言という形で抵抗する火山に構わず、彼女は最後の通信で言葉を締めることにした。これでも逆らうなら本当に事故死させると決断していることは、カンの良い火山には明らかだった。


<私たちが貴方たち親子のせいでどれだけ恥をかいて、どれだけ庇ったと思ってるのかしら………星天家の面汚しが>


 プツリと消えたモニターの前で、途方に暮れた父親がひとり立ち尽くす。


(息子よ……目覚めてくれ)







(んー、これでどうだ?)


《おっけぃ。これなら急カーブでも80キロまでなら解けないよ》


(そんな速度で曲がんねーよ)


 まったくったく、単車は荷物の積み込みが一苦労だぜ。ミニカーゴは小さいちいせぇながらも最初から荷台スペースがあるからな。あとは幌被せてベルトで締めりゃいいだけだったから楽だったなぁ。


 梱包用の紐で括るのは応用が利くが、慣れてねえと走行中に解けたりタイヤ辺りに巻き込んじまうから素人は止めとけ。トラックとかで見る荷台用のベルト使ったほうがいいぜ。


 さすがに擬態でソロシートからクィーンシートにまで出来るスゲー細かい設定機能がなきゃ積むのは無理だったろうな。つーかバイクに乗せる荷物サイズじゃねーか。功夫ライダーこいつじゃなかったら絶対途中で転倒すコケるぞ。


 功夫ライダーの擬態形状はデフォルトでも数種類あった。元がアドベンチャータイプの親玉みてえなクソデカバイクで、そこからオンロードのスポーツタイプとオフロードタイプに自分で細かい設定ができる。


 カウルはどっちも在りだがオンオフごちゃ混ぜの気持ち悪いバイクにも出来るらしい。やんねえけど。


(後回しにしてたクローゼットも買って、これで一通りの家具はコンプリートだな。組み立ては暇潰しにちょうどいいから好きだぜ)


《ため込んでる梱包したままの洋服もやっと出せるねー、剥き出しで置いてる下着も片付くぞい。残念!》


(残念じゃねーよッ。視界の端にいっつも下着がある生活ともおさらばだ)


 パンツをいちいち巾着みたいな畳み方で置かせやがって。何が可愛いお菓子袋みたいにぃーだ、完全無欠にオレのパンツだわ。


(これを自宅に運んでもまだ時間があるな。良い機会だし、バイクで街を軽く一回りしてみるか)


《うんうん、おっけぃ。知り合いは全員無事に帰ってきたし、気楽になったもんねー》


(だーかーら、心配なんざしてねえよ。合体機ならだいたい無難に戦えるし、よっぽどヘマしなきゃ全滅もねえしな)


 星川ズは5機合体のスーパーロボットを乗機に選んでいた。普通に強いがパイロットに要求される資質に変わったものがあるため、格納庫で塩漬けになってたロボットらしい。


 こいつの縛りは搭乗するパイロットや整備しか知っちゃいけない機密とかで、何の資質を要求されるのかは知らん。オレもシミュレーションでテストは受けたが適性で弾かれた。成績は1位だったんだがなぁ。スーツちゃんのオススメに出てこないんだからお察しか。


 ロボットの中には特定の血筋や人種でないと動かせないって、出生だけで乗れるかどうか決まる代物もあるんだよな。それ以外の人間がうっかり近づくと防犯機能が作動して自動で攻撃してくる物騒なロボットさえある。


 こいつはもちろん整備だって近づけねえ。謎の技術で自動修復・自動補給するからいらないんだと。


 まーS関連は真面目に考えてもアホくさくなるだけだ。そういうもんと受け入れたほうが楽でいい。


《結構器用な戦い方してたよねー。合体状態に拘らずに分離機でフォーメーション組んで戦ったりさ》


(リーダーのおつむが柔軟で、作戦を受け入れる信頼と度胸が全員にあるんだろうよ。良いチームだ。……ちと追撃に入れ込みすぎって気もしたが)


 分離状態にも利点はある。単純に手数が増えるし、的も小さくなるから意外としぶとく戦える。けど合体機のチームメイトが臆病ビビリだと、そいつがとにかく合体したがるんだよな。相手も戦況も見ないでよ。


 まあそれだけでロボットの守りが硬くなって、かつ自分じゃ操作しなくて済むかんな。後は何もせずとも報酬が貰えて、なんかあったらメインに戦闘の責任押し付けられるって便利な戦法だ。しょうがなくパイロットやってるタイプにチラホラいる。


 人によっちゃ寄生と言われるクソ行為なんだが、合体機の場合はある程度しょうがねえからまともかタコかの判断が難しい。


 で、そういう野郎ほど負けが込んだら勝手に逃げる。チームメイトにこういう臆病者チキンがいることを見抜けるか否か、切れるかどうかが合体機に乗って戦うパイロットたちの生死を分けるところだ。


 なんせ単機でチーム組むのと違って合体・分離の隙があるからな、身勝手野郎がいると全員が危険に晒される。合体機のチームメイトは腕より度胸と信頼で選んだほうがいい。


 技術うんぬんは二の次だ、最初は雑魚でも死に物狂いで戦ってりゃ、そのうちそこそこ・・・・の腕はつくぜ? オレみたいによ。


 肝心の負けてて逃げ切れるのかって話だが、担当する分離機パーツによっては簡単だ。飛行能力のある分離機は武装のある脱出ポッドと言ってもいいからな。生還率は高いもんさ。


 飛べないタイプは覚悟決まったヤツが乗る。そいつこそヤベー時に置いてけぼりにされるかもしれねえ不安と戦う真のパイロットだ。


《低ちゃんが焚きつけたからじゃん。がーんばれ♪ がーんばれ♪ って》


(おかしいな、オレの記憶じゃエロいチアガールみてえな言い方はしてねえんだが?)


 ……社交辞令程度のもんを発破と勘違いしたか? サクッと倒してサクッと帰ってくりゃいいものを。


 ガキは緊張に慣れるとそのうち飽きて、恐怖が薄れて戦闘も物足りなくなってくる。金欲しさに敵を探し出したら危ねえ兆候だ。死神が近い証拠だぞ。


(……そういや訓練に付き合ってくれとか言われてたな。一回くらい緩んだおつむシメてやるか)


 二度はやんねえ。オレだって人様の世話してるほど余裕はえからよ。


《お嬢様、アンスコは白をご用意しております》


(違う、そうじゃない。チアに行くわけじゃない)


《こんなスーツちゃんに一言だけ言わせてほしい》


(どうぞ)


《アンスコ、あーん好きすこッ(はーと)》


(地獄のように寒い、ここがコキュートスか……)


《ヒドくない!? ―――っ、逃げて!》


 不意のマジ声に一瞬反応が遅れた。突然に足がもつれるほどの激震、そしてオレのジャージを滑り何かが背中を斜めに走っていった感覚。


《ジャージを瞬間硬化させたから怪我はないよッ、今すぐバイクでここから離れて!》


 足じゃなくバイク、つまりそれだけ広範囲でヤベーって事か! オレが手をかざすと眠っていた単車が反応して即エンジンが掛かる。ヘルメットメットしてる間はえと判断して無理やりアクセルブン回し、一気に車道に出た。


 停めてた路面がスーパーロボット仕込みの剛タイヤに擦られてギャリギャリ鳴り、猛烈に削れちまったようだが緊急避難だ、勘弁しろよ!


《速度進路このまま! スーツちゃんがハンドル固定してるからすぐヘルメットして! 細かい落下物がいっぱい来る!》


 さっきのは天井からの落下物か!? 今の地震か何かの衝撃で崩落しやがったのかよ。


 引っかけていたヘルメットメットを慌てて被る。被ってすぐにパラパラガチゴチと細かい打撃音がメットから響いてきた。さらに後ろからデカい衝撃音がひとつふたつ。


 振り返るとさっきまでいた駐車スペースと店に岩みてえな大きさの瓦礫が突き刺さっていた。逃げて3秒も経ってえぞ、ギリギリだったぜ。


(スーツちゃん、何がありやがった!?)


 スーツちゃんが腕の袖から糸を出して固定していてくれたハンドルを返してもらう。体がやたら固くなって動かし辛いのはジャージの表面を硬化させて落下物からオレを守ってくれているからだろう。さすがに当たる衝撃こそバチバチ来るが、この程度なら怪我はしてねえはずだ。


《理由はビルの瓦礫からもう見える。アレだよ》


 スーツちゃんからの網膜投影で視線を誘導するカーソルが現れる。


 見えてきたのは幾つものビルをその巨体で突き崩し、地面に災害のような振動を生んで滑走してやっと完全に停止した青と白の黄色の物体。


「―――ジャスティーン!? なんで地下都市のど真ん中で転がってやがる!?」


 正義鋼人ジャスティーン3。有人機1、無人機2の3機で合体する40メートル級スーパーロボット。その有人機だけが無様に墜落してやがる。


《まず天井に激突して、バウンドしながらビルに突っ込んだんだね》


「そうじゃねえ! なんでここ・・にいるかって話だ! 戻ってきたなら基地に降りんだろッ」


 今朝のことだがよ。戦犯しやがったジャスティーンのパイロットを無理やり戦わせて、それで禊にするってふざけた話は確かに聞いた。朝一番、突然一方的に基地内に通告されたからオレ以外にもみんなで悪夢でも見たのかと思ったぜ。


 宗太とかいうタコは鬱になってたらしいが薬で無理やり精神高揚させて、さらに逆らうと激痛を感じる処置を受けさせて戦わせることになったらしい。


 クソが、それのどこが禊だ? オレたちゃみんな言われなくても戦ってるわ!


 国もあのタコガキの所業をマジで見逃すことにしやがったらしい。さすがに100パーセントパーお咎めなしじゃ基地の誰も収まんねえってんで、安い贖罪させるために戦わせて稼いだ金を賠償に充てるとか言ってやがった。


 ヒゲがさも辛そうに抜かしてたがよぉ、ヒゲテメエのガキが不幸にもワリ食った被害者みてえによ!


『ふざけんな!』


 最近ビビッて長官室から出てこなくなったヒゲは今日もモニター越しにタコい事を抜かして、さっさと通信を切っちまいやがった。その場の全員、整備もパイロットもカフェのおねーちゃんも清掃のおっさんも食堂のおばちゃんも、みんなみんな満場一致で突っ込んだわ。クソが!


《……えー、今から信じられない事を言いまーす》


 な、なんだよ、急に『素の声優の声』みたいな作ってない生々しい声で。おっかねえよ。


 !? ――――あ……、そういう。ああ、はい、そういうことね。ところどころの黒や白は、焦げや瓦礫の粉塵がこびり付いてるもんだとばかり思ってたよ。


 思いたかった、の間違いか? なんだありゃ……。


 遠くに見えるジャスティーンのカラーリングに無いはずのがあるのが、ここからでも分かった。そのがにわかに動き出す。


《敵が一緒についてきてる。ジャスティーンに張り付いて》


 ―――――――人類オレたち現実ルールが、崩れた。

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