去る二人

「ふ~ん、さっきの覚えたんだ~」


 ダリアは面白そうな顔でラートを見ている。


「さぁ、どうだろ?」


 ふふふっと互いに不気味に笑いあう。

 この二人、なんだか似ている気がする。


「やめるんだ、ダリア」

「ラートもだぞ」


 ガウラはダリアを、ナオトはラートに言い放つ。

 そう言うと、互いに言われた方に向き直る。


「お父さんは黙ってて」

「堅物は黙ってて」

「「はぁ~」」


 その言葉に二人は溜息を吐く。

 

「ら~ちゃ~ん?」


 しかし、ハナさんの言葉に彼女の顔が青ざめた。

 

「どうしたの? 来ないの?」

「こ、今回は見逃してあげる」


 先程まで好戦的だった彼女は今や目が左右に揺れて、まるで怯えているようだった。


「つまらないわね」


 彼女はまだ頭が働くのか、彼女は矛を収める。


「やれやれ……」


 ガウラがそう言うと、ナオトさんは彼の目的の件を話す。


「そうか、ありがとう」


 一通り話すと、ガウラは納得したようにうなずいた。

 

「じゃあ、僕達は行くよ」

「まて、こっちの要求は……」


 そう言おうとしたが、彼らはいつの間にか消えていた。


「本当に、嵐みたいなやつらだな……花、追える……訳ないか」


 そう言うと、深く溜息を吐く。


「ガウラにダリアか……警戒するに越したことはなさそうだな」


 彼の消えた方を見ながらそう言った。


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