飲み会は続き
「さて、何か飲みます?」
「私、普通の麦茶が飲みたい」
「了解であります!!」
僕は麦茶を取りに奥の方へ向かう。
「すみません、麦茶いただけますか?」
「あぁ、それならそこにあるよ~」
指さす方向に麦茶があった。
「さっきレアちゃんにセシアちゃんの分も頼まれて置いといたんだけど、誰も飲んでないから飲んじゃって」
先程、レアが持っていたのが酒だったとすると、これは麦茶だろう。
「僕のもお願いします」
「はいよ、これ」
そう言って麦茶とパン二つ乗せた食器を渡してくる。
「試作品なんで、これ2人で食べな」
「ありがとうございます」
せっかくのご厚意なので食事を受け取り、セシアの元へ行く。
「ん? なにこれ」
「ミリスの両親から試作品だって」
「ふ~ん」
そう言って僕が持っているパンを皿からとると、齧りつく。
「ん、美味しい~」
一口食べると、彼女の頬が零れ落ちるような蕩けた顔になっている。
セシアにつられるように、机に食事を置きパンを口に運ぶ。
これは……リンゴパンだ。
リンゴはないが、一口噛むごとにリンゴの風味が口に広がる。
恐らく、リンゴを浸したのだろう。
よく見ると、リンゴをすりつぶしたような小さな粒があった。
「確かに美味しいね」
僕はそう言いながら、美味しいパンと麦茶を飲むのだった。
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