どうしてこうなった
「大体あんたわね~!!」
この状況は何なのだろう。
今、僕の状況は一言で言うと、押し倒されている。
事は数分前……僕が持ってきたパンを美味しいねと言った後の事。
「セシア?」
「ふぇ?」
セシアがパンを食べ、のどに詰まらせて一気に麦茶を飲んでいた後の事。
セシアはその麦茶を飲み干した後から様子がおかしい。
顔を見ると、焦点はあっていないし顔も紅い……もしかして……。
セシアが飲み干したジョッキに鼻を近づけ、匂いを嗅ぐ。
嗅いだことのあるアルコールの匂いが、鼻に刺さる。
これは麦茶じゃない、お酒の入ったビールだ。
「これ、お酒!?」
そっか、さっきの麦茶はレアが飲まなかったアルコールの方だったのだ。
元から酔っぱらっていたため、区別がつかなかったようだ。
「まさか、レアの飲んでない方がアルコールだなんて……」
「アンタね~!!」
横にいたため、セシアは胸倉を掴んでくる。
「アンタはいつもいつも、他の女の子にデレデレして~!!」
僕の胸倉を掴み、揺らしてくる。
デレデレしてないけどね、多分……。
「セシア、落ち着いて!!」
周りとみると、見ているだけで誰も助けに来てくれない。
「皆、セシアを止めて!!」
僕がそう叫ぶが、温かい目で僕達のやり取りを見ている。
両親に至っては面白そうなので黙っていようといった感じの表情をしている。
それでいいのか、大人よ。
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