オットーとコロナ

「俺の目標は全学院で誰よりも強くなることだ」

「……それだけ?」


 次に何か言うかと皆思ったが、オットーはそれ以上何も言わなかったのでミリーが問いかけると、不思議そうな顔でミリーを見る。


「それだけですが、何か問題でも?」

「卒業後は何か予定とかは?」

「う~ん、冒険者として生きていくのもありかと思ってます」

「卒業後の予定は無しか……なんかつまんないわね」

「そう言われましても……」

 

 確かに彼の言葉は今まで行ってきた中でシンプルかつ計画性のないものだ。

 首席を取るという面では学院の目標としてはあっているのかもしれない。


「じゃあ、ラストは巨乳ちゃん」

「コロナです~!!」


 そう言うと、彼女はむくれた表情でミリーを睨む。

 その他にもごく何人か、誰とは言わないが羨ましそうにコロナを見ている。

 

「いいな~、羨ましい~」


 レア、君も結構な物持っているからね。

 これを言うとセシアに気絶するまでしばかれる(経験談)ので、黙っておく。

 それにセシアならまだしもリラとルラもいるので、精神的にも物理的にも瀕死になりかねないのだ。

 まぁ、今もずっと睨まれ続けているんだけどね!?

 何もしてないのに、睨まれるのは理不尽極まりないが、今更だ。


「そ、それじゃあ……私の目標は……」


 そう言ってコロナの目標を語り出すのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る