コロナの想い
「わ、私の目標は……セシアに勝って首席になることだよ!!」
指をさして自信のなさそうな顔でセシアを指差し、そう言い放つ。
「今は私はこの中で一番弱いけど、絶対にセシアに勝って首席を取る……後の事は考えない、とにかく貴方を目標にしていれば少なくとも落第することはないし……何より私は貴方や皆と肩を並べて生きていきたい……それが私の自信にもなり、将来の自信になるはずだから」
決意の表情を浮かべ、指差した少女の方をじっと見つめ、高らかに宣言する。
セシアは一瞬驚いていたが、面白そうな顔でコロナを見る。
「じゃあ、私も宣言するわ……この誰よりも強くなって誰よりも先に立ってやる!! そして、誰も私に命令できない……自由を手に入れる!!」
彼女の言葉にコロナは嬉しそうな顔をしている。
いいライバルというか、追いかける者と追いかけられる者の関係が出来上がる。
自由……か……。
彼女にとって本当の自由は貴族の柵に縛られる籠の鳥から抜け出すことだろう。
これで、全員の目標を言い終えた。
「セシアちゃんも、まぁ目標は言えたという事で、次はリラちゃんとルラちゃん」
「私!?」
「私もですか?」
「当然でしょ~、これは主役は絶対言わないといけません」
入学前に目標もくそもない気がするが、意気込みは大事だ……言ってやれ!!
僕と目が合うリラルラに目を向けると、僕の目を見て何かを悟ったのか、互いに見合って僕に指を向けた。
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