二刀流ならぬ二剣流

という事は二刀流の戦い方が投影にはあっているのかもしれない。

 二刀流か……。

 厨二心をくすぐられる響きだ。

 しかし、二刀流を扱うにはそれなりの力が必要になる。

 僕の今の戦い方は魔法、もしくは単剣の戦い方だ。

 それを二刀流とするとなると、それなりの剣の鍛錬が必要となる。

 そもそも今までの戦い方と違って二刀流にはメリットとデメリットがある。

 一つは戦術の幅が大幅に上がる。

 剣が二つになるので一つの剣が相手の剣を受け止めている間に攻撃できること。

 デメリットは力負けしてしまう事だ。

 本来、二つの腕で鍔競り合うのに対し、持ち腕で戦わなければならない。

 だが、デメリットだけではない。

 それは魔法だ。

 片手を魔法にすれば片手だけで剣を扱えるため、ルラのように手袋で術式短縮を使えば非常に強力なのは間違いない。

 魔法とは違い、術式をもって行う攻撃なので0から作るか、1からの違いだけなのだ。

 最も0から作るにはそれなりの工程と1にするための基礎を作るため、少しのロスが生じる。

 魔術は1から作るため、只魔力をそこに流すためという簡用という部分もある。

 そのため同じ魔力の攻撃でも魔術の方が早いのだ。

 このソウという男の戦い方は正直、僕の理想と言ってもいいほどの戦い方だった。


「何かわかったかい?」

「いえ、読み続けてますがさっぱりです」

「へぇ、てっきりわかっていると思って見ていたんだけど」


 興味深そうな顔で教授は見てくる。

 これを解読できるとなれば、それは王国にとって有益だろう。

 しかしながら、勇者システムとは王国が考えたものだ。

 解読できるとなれば、今後僕の身に何が起こるかわかったもんじゃない。

 だからわからないふりをした。
















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