一方そのころ、ナオト編

「さて、追いつめたぞ」


 目の前のカウンに追いつき、そう言うと彼は深く溜息を吐きこちらに振り返る。


「弱っている人間に追撃するなんて、悪魔にも程があるだろ」

「悪魔か……お前が言うな、

「はは、一度は魔王だったさ……嵌められなければな!!」


 カウンは魔力を込め魔弾を放つ。

 その威力はこのままだとここが崩れるほどの威力だ。

 

「おびき出されたってわけか……」

「誰でもよかったけど、一番ややこしい奴が相手なのは幸運だったな……神に感謝だぜ」

「お前が神を信じてどうする。」


 僕は魔力を込め、爆発させずに殴り消した。


「やっぱりえぐいな、爆発させずにするなんて……でも」


 少し身体がふらつく。

 聖魔力を流していたにせよ、奴の陰魔法の方が強いのは確かだ。


「ほら、次行くぞ」


 そう言って魔力を込めた複数の魔弾を放つ。

 次当たれば、少しきついかもしれない。

 だが、避けられない……よければ建物が崩れるからだ。

 

「不利だな……」


 完全に不利な状況……なら……。

 ナオトは一歩下がり、距離を取る。


「我が求めに応えろ、聖なる力をもって我が神、ラート神をを守らん」


 カウンは少し焦りを見せた。

 これは彼にとって脅威になりえる代物だからだ。


「させるか!!」


 彼は魔力で練り上げた槍を渾身の力で放った。

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