聖拳ナッド

 しかし、あらかじめ直人は防御魔法をすでに発動していた。

 あの時か……。

 下がる前の場所に魔力の壁が出来ていた。

 ナオト独自の魔術だ。

 地面には依り代となる物が地面に突き刺さっていた。

 そして、彼は詠唱を終える。

 

「来たれ、


 彼の言葉に答えるかのように彼の両腕が光り輝く。

 光終えると、彼の腕には光り輝く銀色の手甲を腕に纏い、盾が浮いていた。

 聖装……神と契約し、神の力を行使する……文字通り聖なる装備だ。


「……!!」


 止められなかったと悔しがるカウンに僕は目を向ける。


「さぁ、お前も出せよ……契約してるんなら使えるだろ?」


 僕が煽ると、悔しそうな顔で睨みつけてくる。


「未だに使えないとか……お前は只の駒のようだな」


 聖装はそれぞれ見合った装備になる。

 神が装備の名前を付けることで聖装は完成する。

 名づけられないという事は、只の駒という可能性は高い。

 それに、彼らからすればその能力を与えるという事は自分の正体を曝け出すという事でもある。

 僕らに正体を明かすという事は即ち、敵対関係の神が全てわかるという事だ。


「俺は、そんなことないぞ!!」

「まぁ、どっかの誰かに魔王を簡単に奪われるくらいだから、只の駒としても駄目だろうな」


 そう言うとカウンは僕を睨みつけた。











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