防御突破

「防御を高魔力に集中……完了」


 ウェルサの防御は全体から炎獣とエレナ、ルミリナの攻撃を受ける円盤に姿を変えた。


「見えた!」


 その隙間を見逃さず、一瞬にして彼に間合いを詰める。


「少し痛いが、我慢してくれ」


 レキは彼に抜刀で彼の身体を横から薙いだ。

 そのまま攻撃で意識を刈り取る気だ。


「!?」


 レキは薙いだ後何かを感じたのか、後ろに後退する。

 対するウェルサは何事もなかったかのように彼女のいた場所に魔法を放つ。

 レキは魔法を受けながら、その勢いでミナ達の方へ後退する。


「確かに決まったはずなのですが……感触がありません」


 何か魔法だろうか、彼女の攻撃はウェルサには全く効いていない。


「今の彼には魔法は通じないよ」


 声の方を見るといつの間にか、クレアがいた。


「魔法が効かないって?」

「詳しいことは解らないけど、同じような症状の奴は皆魔法が効かなかった」


 見てきたといわんばかりのクレア……。

 魔法が効かないとなれば物理攻撃だ。

 しかし、今の彼では僕達は近づくこともままならない。


「私がどうにかしてあげようか?」


 まるで簡単と言わんばかりの表情で僕らを見る。

 しかし、彼女の言葉が少し引っかかる。


「どうするつもり?」

「私がやれば一瞬で片が付く、だけど


 僕の言葉に笑顔でそう返答した。











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