少女の見る彼

昔のことを思い出す。

私はまだ小さかった頃彼と初めてであった。

最初はなんてことないただのお坊ちゃんという印象だった。

私はそんなにいい生まれではないそれに比べれば私の家計はまだまだ新参者だった。

私の家系はたかだか40年そして彼の家系は300年という歴史に加え、王家直属の家系ということもあり庶民での私にとっては雲の上の人だった。

初めての顔合わせ私はとても緊張した。

どんな失礼なことを言われても、言い返さないと心の中で決めていた。


「僕はウェルサマックハートとと申しますよろしく」

 

 私に握手を求めてきたが緊張しているせいか、言葉が出なかった。

 向こうも察してくれたのか、私の手を引いてある場所に連れてってくれた。


「父上、少し席を外します」

「いいですかな?」


 怒っていた父の顔が嬉しそうな笑顔で答えた。

 今回は殴られずに済みそうだ

 私をある場所に連れて行ってくれた。

 マックハート家の噴水だ。

 初めて見たが、きれいな場所だった。


「綺麗~」


 舞踏会に照らされた夜会が噴水に光が反射しててとても幻想的な雰囲気だった。

 私は心の声が出てしまったことに気が付き、照れくさくなって口を塞ぐ。

 彼はそうだろう、そうだろうといった感じで頷く。


「綺麗なものを見ると、心が安らぐだろ?」


 彼は無邪気に笑った。

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