師弟対決

「少し本気で相手してあげましょう」


 そういうと、彼女は詠唱を始め魔法箱が現れる。


「試作段階の魔法箱ですが、戦うには十分です」


 彼女は魔法箱に魔力を込めると、魔法箱は開かれる。

 彼女の頭上に四つの鏡が現れる。

 赤・青・黄・緑の淵の鏡、自然魔法の色のように見えた。


「さぁ、耐えてみなさい……」


 瞬間、赤の鏡から炎の魔法が僕を襲う。

 威力的に中級魔法だ。

 反応が遅れ、僕は魔法の壁を展開して斜め後ろに飛ぶ。

 魔法が当たり、飛んでいたこともあり斜め後ろに魔法ごと吹き飛ばされるが、身体の軌道を逸らしたことで魔法を回避する。


「そういう避け方もありますか……」

 

 直線的な攻撃は軌道を逸らす、もしくは自身の身体で避けることで回避できるのだ。


「なら、これは避けられますか!!」

 

 今度は緑の鏡から種が現れ地面に落ちる。

 地面に落ちると、地面から植物が生えてくるとこちらに向かって襲い掛かってくる。

 先程の直線的な魔法とは違い、万能型だ。

 

「求めるは炎……火遁!」


 大きく息を吸い、中級魔法火遁を放つ。

 息を吐くと炎が植物とぶつかり合う。

 黒焦げになって再生しながら植物は少しづつ進んでくる。

 流石にこれでは対応できないか……

 しかし、魔力が少ないのか植物が黒く焼け焦げた部分が残っていた。

 回復力が落ちている……そう思い、持っていた剣で植物を切り裂く。

 予想通り、回復力が落ちているのか植物は回復できず、植物がまるで何事もなかったかのように消える。


「これも凌ぎますか……」

 

 まるで試すかのような発言に僕は少し苛立ちを覚えた。

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