各控室にて ミナ編

 各人、準備を進めていた。


「ミナ、なんか嬉しそうね」

「昔の事思い出しちゃって」

「あぁ、そう言えば貴方もよく 師匠あの人と当たってたっけ」

「えぇ、あの時もこんな感じでした……まぁ今は立場が逆ですけど」


 過去の事を思い出す。

 かつて ミリー《師匠》に何度も挑む権利があり、そして毎度ボコボコにされていた。


「今回はどっち相手にするの?」


 この試合は私にとって特別だ、あの頃のように師匠と弟子で戦いたい。


「サウルと戦います」

「じゃあ、私はあの生意気少女か」

「勝てそうですか?」

「う~ん、彼女はまだあの槍には何かありそうだから怖いけど……まぁ、なんとかなるでしょ」


 両魔装の能力は底の見せあいだ。

 どちらかの能力が上回るのかが、魔装使いの腕の見せ所だ。


「それに、私にはがあるでしょ?」


 そう言って懐から銃弾を取り出した。 

 彼女の銃は装填と魔力両方使えるのだ。


「今度はどんな能力ですか?」


 彼女の銃弾は使うときの能力が放つまでわからない。

 

「教えな~い、使うかわからないし……貴方とも、ライバルだから」

「そうですか、現在種類は5でしたっけ?」

「うん、そうだよ~」


 私が見る限り、現在の銃弾の能力は一つしか知らない。

 弾丸は黄色、雷のような威力の銃だ。

 ファリオスに一度だけ使ったが、彼自身の防御魔法でさえ二発で完全に打ち抜かれてしまう威力だ。


「国家魔法大会に向けて温存してるんですか?」

「まぁ、そんなところかな……数を作るのには時間がかかるし」


 作れない彼女にとって、この魔弾はおいそれと使えるものではないのだ。

 控室のドアからノックが聞こえる。


「準備、お願いします」

「じゃあ、いこっか皆」


 エレナがそう言うと、皆で決戦の地に向かった。

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