それぞれの戦力
一方、その頃……。
リックとセナ、カウルスとゼノンがやりあっていた。
「相変わらず、凄い反応速度だね」
「そんなこと言いながら、対応するな!」
攻撃範囲に絶対の自信があるセナにとって、余裕で躱しているリックはとてもムカつくだろう。
「どうしたんだい? あれを使わないと、僕には勝てないよ」
悔しいが、確かにあの魔法と合わせなければ、とてもじゃないがリックに勝てそうにないらしい。
リックはそう言うと、一歩後ろに下がり彼女の範囲から距離を取る。
これは、やれって事なのだろう。
「後悔しないでよ!」
魔法を発動する。
「我、雷の力を身に纏いて剣技の極致に向かわん……剣雷!」
彼女の周りに雷が纏われる。
彼女にとってこの魔法は諸刃の剣、魔力の消費が激しいのでもって一分だ。
「行くわよ」
その言葉と同時にカチっと剣の方に音が鳴る
音が鳴ると同時にセナが前に現れる。
彼女は抜刀、本来ならその場は動かない。
しかし、魔法によって高速移動できるようになった彼女なら、それはもはや……。
金属音が鳴り響く。
剣技は何とか見えるが、残像が残るくらい素早い剣技だ。
「流石、初めて俺についてきただけはあるな」
嬉しそうな顔でリックは彼女の剣を受け止めている。
「黙れシスコン!」
そうして息をする間のない剣戟が続き、リックは何かに気が付く。
ミナが魔法をかけたのだった。
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