試合の状況

 試合の開始を合図にリック達の足元に魔法陣が現れる。

 開始の合図の前にミナは魔法を発動していたのだ。

 

「汚いじゃないか……」


 リックは魔法を受けなかった。

 ルミリナが魔法を発動する前に魔法を上書きしたのだ。

 

「私が君の戦略をわからないとでも思った?」


 魔法士と剣士が対峙する場合、先手必勝も戦略的には必要である。

 ただ、それは一対一の場合だ。

 敵にも魔法士が居れば、先手必勝の対処もできる。

 剣士がその場の判断だとすれば、魔法士はいかに先を読むかが重要となる。

 ミナはすぐに魔法箱を発動する。

 しかし、魔法の鎖に絡まれ、彼女の魔法は発動しないかった。


「使わせないよ、それは強すぎるからね」


 ミナの集大成にして最強の魔法が封じられる。

 

「さぁ、どうする? 降参でもする?」

「なめないで!」

 

 エレナが魔法を発動する。

 銃弾が彼らに向かって降り注ぐ。

 

「効かんよ」


 ファリオスがそれぞれの所に防御結界を張る。

 高度な魔法操作だ。

 普通、防御魔法は他人に使う場合、操作が難しい。

 それを四人同時にやっているのだから、流石六法生の五鞘ナンバーズに入るだけはある。

 そうしてルミリナは魔法球を放つ。

 属性は様々だ、火・水・雷・風・光・陰それぞれの魔法を放ってくる。

 

「相変わらず、嫌な戦いね~」


 エレナは自分が相殺できる火と雷を水と氷で無力化する。

 水と火、氷と雷がぶつかり合い互いに霧散していく。

 残りはミナに任せる。

 ミナは火と風を放ち、無力化する。

 

「いいコンビネーションだ、羨ましいな」

「私は貴方のその魔法が羨ましいわ」


 そう言いながら、剣技科の方に目を向けた。

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