似たもの同士

「何あいつ、気持ち悪い」

「本当よね、陰湿そう」


 アリエとリラがムッとした表情いう。

 その状態でよくそんなこと言えるな~。

 アリエはカナリアに、リラはルラが羽交い絞めにして止めていた。

 なんというか、手を出しそうだったんだな。

 リラは心配だったが、アリエもそういうタイプだったんだな。

 止める方も止められる方も同じポーズというのに何故か笑いそうになる。


「と、とりあえず ウェルサ《あの人》の事は放っておいて行きましょう」


 僕らは リラとアリエ《二人の猛獣》を落ち着かせて、受付へ行く。

 

「ネイです、案内するよう言われていた方々をお連れしました」


 その言葉にしばらくして扉が開かれ、ウオラが対応する。


「お、来たな」


 僕らは中に入ると、僕とセシア……リラとルラ以外はレイスの前で膝をついていた。


「そんなにかしこまらなくていいよ、僕はこういうの苦手なんだ」


 レイスがそう言うと、皆戸惑っていた。


「初めまして、僕はレイス・アルスだ」

「お久しぶりです、レイス様」

「様はいらないって言ったろ、久しぶりだねセシア……それにサウル君とリラちゃんとルラちゃん」


 僕らは頭を下げる。


「お久しぶりです、レイスさん」

「活躍してるようじゃないか、途中からだけど試合は見てたよ」

「ありがとうございます」

「流石は君達の息子なだけあるな」


 僕の両親に目を向けると、当然といった顔でレイスを見ていた。

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