学院最強戦
準決勝第二試合が始まろうとしていた。
「ミナ《あの子》が君の弟子だね」
「えぇ、この前見た限りでは魔法や魔術においては学院で右に出る者はいないでしょう」
「君よりも?」
「近々、追い抜かれるかもね」
レイスはその言葉に驚いている。
「てっきり、私よりはだけどっとか言いそうなのに」
「無論、私の方が強いけど……成長速度は彼女の方がはるかに高いわ……まぁ、武術の方は全然だけど」
彼女の言う全然は彼女の合格点に及ばないというだけで、聞く限り修行についてこれているのでその辺の奴よりは戦えるだろう。
「昔っから魔法の事しか見てないのよ、あの子は……」
そう言いながらミナを見る目には、弟子が成長していく姿を嬉しような寂しいようなそんな感じがした。
「寂しいか? 弟子が成長するのは」
ウオラが、彼女の心境を察してかミリーに問いかける。
「そんなわけないでしょ、嬉しいに決まってるじゃない」
「そうか」
そんな話をしていると、反対方向からリックたちが現れる。
ウオラの表情が変わる。
「どうしたんですか?」
「これを言うのもなんだが、ミリーの
武術を極めし者の感だろうか、ウオラは彼を見ると同時に何かを感じ取ったのだろう。
その言葉に、ミリーは不服そうな顔をする。
「どうしてそんなことがわかるのよ、剣技科の贔屓かしら?」
「いや、なんて言っていいか……」
「ウオラがそういうからには、リック《彼》は相当な手練れなんだろうね」
そう言うと、両者が構え試合が開始したのだった。
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