交流

「「師匠(ミナ先生)、優勝おめでとうございます!」」

「サウル、セシア……ありがとうございます」


 優勝の言葉を僕とセシアが贈ると、ミナは照れくさそうな顔をする。


「次は私が勝つからね!」

「いいえ、私が勝つ」


 エレナがそう言うと、ルミリナがそう言い放つ。


「私!」

「いいや私だ!」


 ルミリナの口調が違う。

 もしかしたらこっちが彼女の本当の性格なのかもしれない。

 僕はまだ入って半年だが、学園では文武両道才色兼備……凛々しく孤高の存在といった感じだ。


「ルミリナ、口調口調」

「別にいいんじゃないか? 彼らの中にも貴族はいるが、そんなの気にするやつはここにはいなさそうだし」


 ルミリナはセシアを見る。

 確かにセシアは他の貴族とは違い、僕ら一般生徒にも分け隔てなく接している。

 まぁ、兄のウェルサはあんな感じだが……。

 基本、貴族はウェルサのような人間が多い感じがする。

 プライドが高く傲慢で貴族以外の人間をゴミ扱いする。

 全員が全員そうではないが、それで僕ら以外の一般生徒は少ないのが現状だ。


「百歩譲って貴族は必要だとしても、プライドばかり高い奴はいらないわよね~」

「全くその通りだわ……」


 ちびちび飲みながら言うエレナにうんうんっと頷くセシア……。


「こらこら、今日は愚痴を言う席ではないぞ」


 重苦しい雰囲気の中、ルミリナが言う。


「今日はミナと彼ら、未来を担う一法生の歓迎会だろ」

「よ~し、今日は飲むぞ~!」


 ルミリナがたしなめるとエレナは立ち上がり、今夜は朝まで酒飲むぞ~! っといったっ感じで持っていた瓶を一気飲みした。

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