138話 二人の本気

 魔法の銃を放つエレナに防戦一方のミナ。

 

「是、この時を持って対称を捕縛しろ

 

 ミナの周りに彼女が撃った場所から魔法が発動し、光の鎖が現れる。

 嫌そうな顔でミナはエレナを見る。


「全く、いつの間に同時に出来る様に」

「私だって成長してるのよ? ほら、早くを使わないと負けちゃうよ?」


 鎖がミナを襲うが足元に雷の魔力を纏わせ、素早く避ける。

 鎖が襲うが雷の魔法雷脚でミナは逃げる。


「これ、この時……」


 ミナが詠唱を始めるとエレナの表情が一層真剣になる。

 鎖を避けながら詠唱を続け、両手を合わせると魔法を発動させる。


魔法箱マジックボックス


 ミナの後ろに七つの箱が浮いていた。

 初めて見る魔法だ。

 ミナのオリジナル魔法だろう、誰も知らないのか彼女の魔法に息を飲んでみている。


「第一門、解放」


 走りながらそう言うと、彼女の箱の一つが光る。 

 エレナは無効化しようとするが、魔力が濃いのか消しきれなかったようだ。

 箱が光り、紅い光に変わると炎の獣が現れる。

 紅く、綺麗な鬣に大きな身体。

 まるでこの世界の御伽話に出てくる暴獣のようだった。

 

 炎の獣が大きな咆哮をあげると、辺りの温度が上昇する。

 ここまで熱が伝わってくるので向こうでは更に熱いだろう。

 エレナは四方の床に弾を放つ。

 魔法の弾はそれぞれ繋がり、氷の膜が張られる。

 

 両手の銃を前に掲げる。

 獣は顔を上に向けると炎が収束する。

 

「第一門、今日こそ倒すわ!」


 エレナは対抗して水の魔法を収束させていく。

 互いに収束させた魔法を互いに放つ。

 

「~~~~~~!」

「水流砲!」


 互いの魔法が勢いよくぶつかり合った。

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