139話 二人の本気2 エレナ視点

 魔法がぶつかりあい、あちらこちらでぶつかった周りで爆発が起こる。

 攻撃は拮抗している。

 ミナは魔法強化を獣の魔法に強化する。


「くっ!」


 私は苦悶の表情を浮かべる。

 この攻撃で拮抗していたはずの魔法が、ミナの強化魔法によって獣の攻撃が強化されて拮抗がなくなる。

 少しずつ魔法が押し切られていく。

  

 まだまだ、私は……いける!


「うあぁあぁぁぁぁ!」


 力を振り絞り、叫ぶ。

 全力以上の攻撃、だけどまだ私はいける気がした。

 彼女に勝つ、ただそれだけの為に私はここまで頑張ってきたのだから。

 そして互いの魔法が拮抗し続ける。

 まだ、私は……。

 更に魔力多く込める。 


「あぁぁぁぁあぁぁぁぁ!」


 互いの攻撃で魔法が相殺される。

 水と熱気が混ざり水蒸気が辺りを包み込む。

 

 力が……。


 魔力を使い過ぎたせいか、膝から崩れ落ちる。

 瓶を取り出さないと……。

 腕がまだ力が入るうちに取りだそうとすると、


「第二門、解放……」


 突風が吹き荒れると同時に周りを包んでいた霧が消える。

 目の前には……龍がいた。

 正確には風刃の様な魔法が幾つも重なり、龍の形を成していた。


「そんなの反則~」


 やっと倒したと思えば直ぐに次の魔法が立ちはだかる。

 ミナの召還したであろうモンスターを見る。

 全く、本当に天才ってのはどいつもこいつも理不尽だ。

 

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