72話
「あら、来てたの……」
ミリーがそう言うと、深いため息をつき、
「知ってましたよね? あと、どさくさに紛れて私にも雷鳴打つのやめてもらっていいですか?」
先程の魔法は雷鳴って言うのか……。
今の感じだと的確に狙ったという事だ……母恐ろし……。
「あら、誤射しちゃって……テヘッ」
あ、今イラッとした。
ミリーが可愛らしいポーズをすると冷めたような瞳で見ている。
しばらくしてイラッとした表情を抑え、僕とセシアを見る。
「こんばんは、二人とも……」
「「師匠(先生)こんばんは」」
「あら、セシアちゃん知り合いだったの」
「はい、私の魔法の先生です……
「え〜、勿体無い……貴方見る目無いわよ! こんなに可愛いのに! 弟子失格よ!」
そう言ってミリーはセシアを抱き締め頬を膨らませる。
面倒臭そうにミリーを見つめる。
「可愛い基準かよ……」
「可愛いは正義よ! そうでしょ!?」
「はぁ……」
そう言うミリーを心底鬱陶しそうにため息をつく。
「確かに彼女は適性は高かったです、私としても
「色々って何よ!」
「貴方が一番わかっているでしょう?」
「え〜、わかんな〜い」
ミリーが惚けるように言うと、再びイラッとした顔になる。
「まぁ、冗談は置いておいて提案があります」
「その冗談……私の命かかってましたけどね」
「そこ! 茶化さない!」
「えぇ……」
どの口が言うといった感じで項垂れるミナにビシッと指差すミリー。
「提案とは、この子の護衛は彼女に任せるというのはどうかしら?」
「え、私…ですか……?」
「うん…貴方なら学院にもいるし、余計に安心じゃない?」
「そう言われましても、私は研究員の傍らで……」
「へぇ〜、この子達より研究が大事なんだ〜! 見損なったわ!」
「うぅ……」っと言うと涙目になりながら恨めしそうに「はい」っと答える。
この人、情とかに弱そうだなぁ〜、悪い男に引っ掛からなきゃいいけど……。
「決まりね、じゃあ明日からよろしくね」
「はぁ〜」
深いため息が食堂に響くのだった。
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