71話 護衛

 一足先に戻り、席に着くと二人は戻ってくる。


「どういう風の吹き回しかしら?」


 二人が戻ると、母のミリーが淡々と述べる。


「ひどい言われようだなぁ〜」

「まぁ、長い付き合いですから」

「えっと、どういうことだ?」


 二人の会話についていけないウオラが聞くと、呆れたようにレイスを見る。


「この人、セシアちゃんと婚約したのよ」

「それは、よかったじゃないのか?」

「考えてもみなさい、レイスは今王戦で命だって狙われてる……それにセシアちゃんと婚約したとなれば、彼女だって狙う対象になりかねないでしょ?」

「まぁ、そこは安心して……対策は講じるつもりだから……」


 そう言うと、レイスの元に何か飛んでくる。

 

「全く、言わんこっちゃない」


 レイスの後ろに魔法の障壁が張られる。


「追います、加速アクセル


 レイスの側近のテオが追いかける。

 

「ここは任せるぜ、二人とも……加速アクセル


 二人は風のように消える。

 数分後…彼女達は襲撃者を捕らえて戻ってくる。


「さて、コイツらどうする?」

「どうせ雇われただけの下っ端だ……ある程度尋問したら裁判にかける」

「「了解」」


 そう言うと、二人は消えて行く。


「全く、後を断たねぇな……」

「全くね、人の生活を覗き見なんて」


 ミリーが指をパチンと鳴らすと、複数箇所に雷が落ちる。


「見られてたわよ、どうすんの?」

「あはは……」


 もうチートじゃないかと思えるくらいミリーのやっていることに思考が追いつかない。


「ん〜、とりあえず落ち着いてきたし、休暇ついでにこの子の護衛頼める?」

「貴方の護衛はどうするのよ、二人じゃキツイでしょ?」

「そこは大丈夫、君の弟子とギースが護衛につく予定だから」

「え、あの子達で大丈夫かしら?」


 心配そうにしているミリーを他所にレイスは続ける。


「大丈夫だよ、君たちが調査でいない間は二人で交代で護衛してもらってるし」

「でも、心配だわ……あの子そそっかしい所あるから……」

「いつの話してるんですか……」


 ミリーに異議を唱えた方を向くと、師匠のミナがいた。

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