第10話 初めての友達   エルミナ視点

「あれ、意外に早かったね!大丈夫だった?怒られ…はしないか。ピリついてたけど、あれはヤキモチかなー?」


先に部屋に戻っていたイブが出迎えてくれる。


「はぁ…っ」


ドアを閉めるなり、床に崩れるように座り込んでしまった。

息が苦しく、顔が熱い。視界も涙でかすんでいる。体も震えていた。


「あんた大丈夫?どこか具合でも悪いの?」


イブも床にしゃがみこんで、体を支えてくれる。


「――き」

「え?」

「好き…大好き…力強かった…ぁ…そのまま引きずり倒されたい…っ。もういっそ、抱いて…!!」


もうホールにいるときから叫びだしそうだった気持ちを吐き出す。


「え…なにあんた怖いんだけど」


気持ちだけでなく、物理的にイブが引いていく。


「ご、ごめんなさい!しゃんとします!あなたを見境なく襲ったりしないので安心してください!」


イブを怖がらせてしまった。

これから同室としてやっていくのに…自分が抑えられなかった。


「ぷっ!なにあんた…そんな可愛い顔してギャップすごいな!!」


離れていた距離をつめて、イブが手を差し出してくる。


「改めて、あたしイブ!あんたは…エルね!仲良くやってけそうで安心したわー」


そして今度は身を乗り出してくる。


「ねぇねぇ、みんな聞けなかったけどルディウス・ヴィクトールとどういう関係なの!?教えなさいよ!」




それから私とイブは夜遅くまで、荷解きをしながらたくさん話をした。

私に、初めての女友達ができた。

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