盗賊団のリーダーがいい金になりそうなので連れていきます。
取り敢えず、死んじゃったやつ、瀕死のヤツ、動けるやつ、気を失ってるやつって感じでより分けていく。
うーん、半数は死んでるなこれ……
残った内の十人くらいはもう瀕死だし……捨てていこ。
動けるやつは……何人か逃げてるなこれ。まあいいや、放置放置。
気を失ってるやつは……うーん、やっぱりリーダー3人組以外はいらね。後でさくっとやっちゃおう。
さて、まあこんな感じで……あとは戦利品だよな。
そんな無茶苦茶何かがあるわけじゃないけど、それでも結構色々ある。
鎧は、インゴットにでもしようとしたのか、鋳潰されてる。手間が省けたね。とりあえず回収しておくかな。
武具の類もそこそこ。まあ折れたり欠けたり毀れたりしてるから大半はダメだけど。リーダー3人組の持ってた武器は回収済み。後はいくつかの剣と槍、鎧系はかさばるし、そんな良いものっぽくないからパス。まあ善し悪しなんてわからないけど。
あとは盗んだであろうそれなりの量の硬貨、取り敢えず先に拾った分もまとめて持っていく。お金はいくらあってもいいもんだ。
大きめの袋とか布で武具や衣服、その他ごまごましてるものを適当に突っ込む。銀食器とか金になりそうだし。
それから、何人かいる女性。
これは相当困った。
7人いて、3人は心身ともにボロボロっぽい。素っ裸だし、足元には死体があるし、まあお察しだ。
四人はまだ手をつけられる前だったっぽいけど、俺が怖いらしく2人気を失って、残り2人がそんな女性達をかばおうとガタガタ震えながら手を広げてる。
怖くないよー
「ひっ!?」
……余計に怯えさせてしまった……
うーん、俺喋れないし……
あ、紙とかないかな?ジェスチャーで伝わるかね……ものを持って何かを書く仕草をしてみる。うーん、そこはかとなく恥ずかしい……
お、伝わったっぽい?女性がなにかとってきてくれる。
「こ、これ……」
ふむ、木炭と大きめの木の板か……まあ、無いよりましだ。
"危害を加える気は無い。残念だが、集落はダメだ。みんな死んでいた。"
こんなところ、かな?木炭書きづらいなぁこれ……それに量書けないし。
よし、見せてみよう。
「……た、助けて、くれるんですか……?」
頷いて見せる。
「ど、どうして……?」
ん?どうして、とは?
「あ、あなたの得にならないし……ほ、報酬も払えない……」
ああ、なるほど、無償の善意は怖いもんね。
ゴシゴシと板をこする。む、こりゃ削った方が早いな。
ガリガリと削って、もう一度カキカキ
"報酬は案内で。あとは、そうだな、荷物持ちもしてほしいな。俺一人じゃ運びきれないし"
「……わ、わかり、ました……で、でも、なんで……」
"まあ、なんとなく"
実際は助けなくてもいいかなーって思ったけど、人手がいた方が戦利品は多く運べるしね。まあ、元はこの人たちのものだけど。
「……か、体を要求とか……」
ふむ、そりゃ魅力的だが、俺体無いしな。がりがりタイムです。
"そんな場合じゃないし、そんなクズじゃない。後、急がないと暗くなるし、危ない生き物とか出るんじゃない?血の匂いすごいし"
「……そ、そう、ですね……わかりました……で、は、み、みんなに、そう言ってきます……」
そう言って離れていく女性。なんでこんなに怖がられてんのかね?あ、血塗れだし鎧だからか。顔見せれないからしょうがないんだ、ごめんよ。
それから大体20分くらいかけて、死体と、生きてるけど瀕死、生きて抵抗してるやつ、そんなの全部ひとまとめにして
「こ、これで全部です……」
"よし、数本残してあとはこいつらにかけてくれ。燃やしていく。"
「は、はい……あ、そ、その、これ……」
ん?何これ?なんかのマークっぽいのが書いてあるけど。
"これは?"
「と、盗賊団のシンボルみたい、です……回収できる分は全部、集めておきました……」
ふむ……そういうのがあった方が討伐したって証明しやすいかな。なにげに多いな……まあ逃げたのもいるだろうし、全部じゃないだろう。まあ、それでも60近くあるけど。
ま、いいか、とりあえずは燃やそう。酒の数本を開けて死体にぶっかけて、火をつけた薪や布なんかを挟ませて燃やしていく。あ、生きてるやつが叫んでる。まあ自業自得だ。諦めてくれ。
これで女性の気が晴れるかどうかとかは知らんし、正直どうでもいいけど、まあ、生きたまま焼かれる奴らは自業自得。ご愁傷様。
さて、あとはこいつらだ。
「くそっ!くそくそくそっ!」「ごらぁ!放しやがれぇ!」
また板を削って書き込む。
"黙れ。焼くぞ"
クイッと親指で火をつけられ焼かれている山を指す。
「く……な、なんなんだよてめぇは……」「ちくしょう……」「く、ぐぅ……ぜってぇ殺す……」
ふーむ、面倒だなぁ。こいつら適当な布で縛ってるだけだしなぁ……ロープないかな?とりあえずは
「な、なんだ……ぎゃあああああ!」
両腕の肘をぎゅっと握って砕く。ついでに手首も。まあ、死にはしないでしょ。死んだら死んだでいくらかになったのが減るくらい。手持ちゼロだし変わんない。
残り2人の肘と手首も握り砕く。これで攻撃はしにくいだろう。あとは魔法だけど……こんな状態で使えるのかね?
こんな時は女性陣に聞こう。と思い女性陣の方を振り向けば……
「ひ、あ……」「あ、あ……わ、私たちの番……」「いや……いやぁ……」
うっわぁ……めっちゃ怖がられてる……助けてあげるって言ってるんだから落ち着いてほしいなぁ……
"こいつらの腕を壊したのは攻撃できなくするためだ。安心しろ。それより、縄かなにかないか?こいつらを縛りたい。それに荷物を運ぶ時にもあると便利だ"
「……で、でしたら……あの辺に……」
女性が指した方に向かっていく。おー、色々詰まってるね。生活用品とか農具とか。お、いい長さと太さのロープめっけ。
このロープをのたうち回ってる盗賊のリーダーたちの首にぐるり、で、ここをくぐらせて……よしできたー。
「ぐぁああ、な、なんだ……ぐぇっ!」「く、びがしまっ」
"引っ張れば締まるように結んである。逃げ出そうとしても首が締まるし、わざとゆっくり歩いてもじわじわ締まっていく。死にたくないなら大人しくしてろ"
途端ガタガタと震え出す盗賊たち。まあ、これならとりあえず大丈夫かね?逃げたらそれはそれで殺せばいいし。
「あ、あの……」
ん?
「お、お名前を……う、伺っても……」
ああ、まだ名乗ってなかったっけ?
"これは失礼した。ユヅヒトだ。お前達の名前も教えてくれ。"
「ユヅヒト……様、ですね……あ、わ、私はレーテルです……」
こんな調子で自己紹介してもらう。もちろん、作業はやめない。
金髪で唯一まともにコミュニケーションが取れてるのがレーテルさん。巨乳美人。こんな状況じゃなかったらお近づきになりたいね。
茶髪で巨乳な美少女さんはカティさん。茶髪で普通サイズのおっぱいさんはベルさん。黒髪のスレンダー美女はイリアさん。
そしてボロボロの女性3人は特に美人さんだな。グラマーな茶髪のエリアさん、黒髪美熟女?って言うの?キアンさん。そして一番ダメージが多そうな、もう目に一切の生気を感じられないディアナさん。生きているだけって感じなのが怖い。
「荷物……準備終わりました……あと……一頭だけ、馬が残ってました……」
"おお、それは助かるな。荷車か馬車があればもっといいんだが、それは望みすぎか。"
「……そう、ですね……流石にありませんでした……」
気まずそうな、申し訳なさそうな顔で頭を下げるレーテルさん。気にしなくていいのに。
"気にするな、ただ、歩きになってしまうの。ついてこれそう?"
「あ……は、はい……多分、大丈夫です。」
"それじゃあ行くか。何が来てもおかしくはない。悪いが俺は自分の身を優先して行動する"
「は、はい……それでも、十分ですから……で、では、案内しますね……と言っても、ここから歩いても2日ほどかかりますが……」
2日かぁ、なかなか遠いねぇ。ま、それなら俺が多めに食料を持っていけばいいか。
よっと、うん、全然行けるね。どれ位かわかんないけど、40から50キロくらい?軽いのは女性陣に任せて、あとの重いのは馬に括り付けるか。武器っていってそんなにだし、これも馬に結んどこ。
レーテルさんの案内で先に進む。もちろん盗賊のリーダーたちは縛った上で引き連れてる。とりあえず今はおとなしい。
もう日も暮れそうだけど……とりあえず少しでも進もう。野犬の群れでも来たら面倒だ。倒せるとは思うけど。
"取り敢えず完全に日が落ちるまで歩くぞ。あの場から少しでも離れた方がいい"
「は、はい……あ、た、松明、つけますか……?」
"頼めるか?数本でいい、油がないなら酒を布に染み込ませれば、まあなんとかなると思う。"
「は、はい……」
松明が3本でき、1本はレーテルさんが、残りは俺と、イリアさんが持つことに。
うーん、冒険者になるならこれくらいの技能は必要かね?解体とかできるかなぁ?
だいたい一時間くらい歩いたところでディアナさんの限界がきてしまった。まあ、これくらい離れればとりあえずはいいかな?
「す、すいません!か、彼女、その、も、もう限界で……!」
"気にしなくていい。休ませてやれ。夜営をするから手伝ってくれるか?恥ずかしながらこういう事には慣れてなくてな。ああ、俺は食事はいらん。好きに食っていてくれ。"
まあ、食えないし。とりあえず周りを警戒しておくかなー。
「は、はぁ……」
なんか不思議なものを見るような目で見られてるなぁ……食事したくてもできないのよ。
"こっちを見ている暇があるならさっさと介抱してやったらどうだ?"
ハッとした表情になってディアナさんの側へとかけていくレーテルさん。野営の準備忘れないでよ?
しっかし、うっすら道っぽいのがあるくらいで本当に何も無いねぇ……まあ、周りに大きな動物も見当たらないしそのへんは楽だけど。
あ、そうだ。新しい魔装を考えてみよう。というか、ステータス。結構レベル上がってるんじゃないのー?もしかしたらいいスキルゲット出来るかも!
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【PARAMETER】
《NAME》遊真 夕鶴人 《SEX》♂ 《AGE》21
《LEVEL》8 《RACE》特殊霊魂 《SUBJECT》全身鎧(金属)
《DURABLE VALUE》476/700 《MANA POINT》800/740+60 《STAMINA POINT》無 《STATUS》霊魂 憑依中
《DEFENSIVU》480 《MENTAL》1007 《PMP》135 《SLP》35
【SKILL LIST】
・《魔装・闇》LV2[スロット・3]・《魔力強化》LV2・《魔力操作》LV2・《魔力回復強化》LV2・《血肉化》LV1・《生命力回復強化》LV1・《危機察知》LV2・《隠蔽》LV1・《体術》LV3・《格闘技》LV2・《跳躍》LV1・《投擲》LV2・《日常魔法》LV1
【SPECIAL SKILL】
・《異世界言語》LV5・《異世界記述》LV5・《異世界常識》LV5・《状態確認》
【UNIQUE SKILL】
《特殊憑依》LV1《憑依解除》LV1
【BLESSING】
【転生神の加護】【曖昧な歓迎】
【TITLE】
【特典を受け取りし者】【肉体を捨てた者】【神の時間を奪った者】
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おー、対人戦美味しいな。一気にレベル上がってるじゃん。まあ、あんだけいて10まで届かなかったってことは、相手のレベルはお察しってことかな?実際強くはなかったし。まあそのへんは落ち着いてからだね。
「あ、あの……食事の用意……」
む、いらないって言ったんだけどな。って、イリアさんか。レーテルさん言ってないのかな?
"食事は必要ない。そちらでとってくれ。俺は周囲の警戒をしておく。何かあれば叫べ。すぐに行く。こっちに何かあったら……そうだな何か大きな音を立てよう。それを合図に逃げるなりしてくれ。"
「ほ、本当にいいんですか……」
ガシャンっと頷いてみせる。うーん、喋れないの面倒だなぁ……
「……で、では、失礼しますね……」
しっかしおどおどしてるなぁ……まあ無理もないんだろうけどさ。
さて、魔装だ魔装。新しいのは攻撃魔法がいいかなー?火とか雷とか、すっごいかっこよかったし!
早速攻撃用の魔装を作ろう。と言っても、そんなに強いのはできないだろうけど。
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《魔装・闇 》【魔撃・闇突】
【創造項目】
・能力:盲目 拳の打点部から闇属性の魔力球を放つ。
・形状:腕を覆う黒い燐光
・発動範囲:打点部から10~100㎝
・顕現時間:60秒
・評価点:1
《MATERIAL ATTACK》3↑《MAGIC ATTACK》5↑
《DEXIFENNSIBU》1↑《MAGIC DEXIFENNSIBU》2↑《COST MP》15
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《魔装・闇 》【魔蹴・歩越】
【創造項目】
・能力:盲目 蹴りに追従する闇の刃を作り出す。
・形状:脚を覆う黒い燐光
・発動範囲:蹴りの範囲+50㎝
・顕現時間:60秒
・評価点:1
《MATERIAL ATTACK》5↑《MAGIC ATTACK》10↑
《DEXIFENNSIBU》1↑《MAGIC DEXIFENNSIBU》2↑《COST MP》20
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よーし、こんな感じかな?
拳から飛び出す魔力の玉、魔撃・
うんうん!どっちもロマンだよね!
しっかし、これって結構強いと思うんだけど、まだ評価点1なんだな。どうやったら評価点って上がるのかね?
もうちょっといじるか?いや、とりあえずはこの二つと、魔霧を重ね掛けしたらどうなるのかが気になるな。
同時発動!《魔霧・酷霧》《魔拳・闇突》《魔蹴・步越》!
お?
おー!全身は見えないけど、手と足が黒い光に包まれてる!それに、霧が光と重なって繋がって見える。
……これ、本格的に悪霊の騎士っぽくないかね……
と、とりあえずはちゃんと球と刃が出るか試さないとね!
まずは殴る!
びゅっ!
……あれ、出ない?でも、光は残ってるね。これ、このままでも攻撃力あるのかね?まぁ、とにかく飛ばなかったし……飛ばさないと。
えい!てやぁ!とぉお!
しーん……
あっれー……?おかしいな、出ない……なんでだ?
ステータスではちゃんと《闇突》出来てるのに……
あ、名前を言ってとかかね?
じゃあ殴ると同時に……《闇突》!
びゅん!ばしゅっ!
おぉ!出た!威力がどんなもんかはわからないけど出たぞ!
うぉー!よし、今度は蹴りの《步越》だ!
縦の蹴りで……《步越》!
びゅお!しゅぱっ!
……はっ?
い、石が、切れた?
え、うっそ、切れ味良すぎじゃね?
うっわー、これつえーわ絶対。石綺麗に来れてるもん。
こりゃ人相手にゃ使えないね。ま、とりあえずはこれでいいかな。俺呼吸しないから動きの出がかりとか読み辛いだろうし。
まあ、あと数日で町につくし、その時に改めて色々すればいいか。
「あんたが、盗賊団?」
は?
「汚れはないけど、すごい血の匂い……相当殺った後みたいね。なるほど、場所を移動して、拠点を移動してる最中、ってところかしら?」
何言ってるんだ……?というか……子供?
「返事くらいしてみなさいよ。それとも、子供だからって、舐めてるのかしら?あ、まさか私を売り払おうとか考えてる?それ無理だから。」
いや、そんなこと考えてないけど?って、声が出ないんだった。ええっと木の板木の板……
「む、問答無用ってわけね!だったら、痛い目見てもらうわね!」
はっ!?なん……っ!?
ゾクッ
これはヤベェ!避けろ俺!
ぶぅ―――んんん……
ずどおおおおぉぉぉぉ……っっ!
「今のを避けた……?相当な手練ってわけね。盗賊団の中でも幹部とか、かしら?」
いやいや、盗賊の幹部なら今頃転がってますよ?団員は焼け死んでるし。
「久々に骨のありそうな仕事ね。光栄に思いなさい。私が直々に討ち取ってあげるわ!」
いやいやいや!なんで俺が討ち取られにゃいかんのだ!くそ、っと、木炭あった!
ガリガリ
「む、また呪符……?させないわよ!」
ジュフってなんだよ!?ちげーよ!文字書いてんだよ!あ、ジュフって呪符か!呪いなんて使えません!あ、今度の魔装の効果呪いとかいいかも!ってそんな場合じゃ……!
「つぇえいい!」
びゅばっ!
うをおおおおおっ!?は、はっええ!いや、あの盗賊連中と比べ物にならない速度だぞ!?
「これも避けるですって!?冗談でしょう!」
冗談じゃないっつーの!なんでこんなことに……!くっ……逃げに徹してちゃ埒が……
「ならこれはどう!?大地の
はぁっ!?地面が割れ……牙っ!?生き物の口か!
「食われて潰れて死になさい!」
あーもう出し惜しみしてる余裕ねぇなこれ!まあ出すほどのものも無いけどさぁ!
《魔霧・酷霧》《魔拳・闇突》《魔蹴・步越》!とりあえず全部十倍ずつで!
これで、どうにか……!
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