憑依したらフルプレートアーマーでした。
お?
おー……
あー……?
はっ!?
ここどこだ?
うーん、周りにあるのは木と草と土くらいだな。
っとと、俺今どうなってるんだ?
んー、うっすーい透明な生前の姿って感じなのかな?顔とか見えんしなんとも言えんが。
取り敢えず、もらった特典とか確認するかな。サービス分があったりするっぽかったし。
どうすればいいのかな?ステータスオープンとか?てか、喋れないけど大丈夫かな?
とか思ってたら出てきたよステータス画面……そんなに項目はないんだな……って、あれ、HPなくね?
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【PARAMETER】
《NAME》遊真 夕鶴人 《SEX》♂ 《AGE》21 《RACE》特殊霊魂
《HP》無 《MP》500+50 《SP》無 《STATUS》霊魂 通常
《PHYSICAL》無 《MENTAL》1000 《PMP》100 《SLP》0
【SKILL LIST】
・《魔装・闇》LV1[スロット・2]・《魔力強化》LV1・《魔力操作》LV1・《魔力回復強化》LV1・《血肉化》LV1・《生命力回復強化》LV1・《危機察知》LV1・《隠蔽》LV1・《体術》LV1・《格闘技》LV1・《跳躍》LV1・《投擲》LV1・《日常魔法》LV1
【SPECIAL SKILL】
・《異世界言語》LV5・《異世界記述》LV5・《異世界常識》LV5・《状態確認》
【UNIQUE SKILL】
《特殊憑依》LV1《憑依解除》LV1
【BLESSING】
【転生神の加護】【曖昧な歓迎】
【TITLE】
【特典を受け取りし者】【肉体を捨てた者】【神の時間を奪った者】
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やっぱりHPない。SPもない。フィジカルってことは、腕力とか足の速さだよね?それも無い、と……
え、これ詰んでね?
あ、いや、そこは憑依した存在依存なのか。
ならこのステータスも納得だな。
問題は加護と称号か……一体いつの間に。
ま、とりあえず確認できるところ全部確認しちゃおう。
まずは種族の特殊霊魂。なになに……『モンスター未満の特殊な霊魂。通常であればモンスターと変異するが加護とスキルの効果でそれを免れた存在。この世に一体しかいない。』
おー……俺ってたった一つの存在なのか……ヤベェ……超燃えるじゃんそれ。
次にステータスかな?ええっと、『ステータスは存在の状態を表す。麻痺や毒といった肉体的な異常から、呪いなど、魂や精神にダメージを与えたりする異常を表示する。霊魂はそのものズバリ遊真夕鶴人の現状を指す。』
へぇ、俺の状態を教えてくれるのね。憑依したら憑依状態とか出てくるのかね?なんにせよ、便利なのはわかった。
次は……数値が『無』とか0になってる項目かな?HP、SP、それとフィジカル。
まあ、そのままの意味だったけど。
『無』や0の理由は書いてないけど……これってあれだよね?体ないからだよね?HPがないのは謎だけど……あれって肉体の生命力とかって認識なのかな?だったら0でも仕方ない、のかな?
でもこの表記って絶対面倒だからまとめてるよね。
次は称号とか加護について。
【転生神の加護】は説明してくれてた通りっぽいかな。
『遊間夕鶴人専用の加護となっている。輪廻の輪に還ることを阻止、怨霊化の阻止、成仏の阻止、死神等特定存在による干渉不可、特典の贈与。』
とりあえずはあれでしょ。お祓いとかされない限りはまあ問題ないってことでしょ。
次は【曖昧な歓迎】か。なんで曖昧なんだろう?
ええっと……ふむ、『転生者を歓迎する称号、ただし、歓迎しきれない能力のためこの次元の管理者の表情が引き攣ったためこのような名称となった加護。神に歓迎されたことの証明であり、一部神族以外を除き干渉が行われなくなる。』
うん、まあ、能力はたしかに悪役というか、やばい能力だもんね。そら顔も引き攣るわ。
次に称号か。これも色々ありそうな。
【特典を受け取りし者】はそのまま、特典を貰ったから。
【肉体を捨てた者】は、転生する際に体いらないって言っちゃったからだね。身体能力とかが上がらない代わりにほかが伸びやすくなるのか。結構いいね。
【神の時間を奪った者】は……よくわからん。効果も読めないし。ただまあ、とりあえず、お手数かけました……
じゃあ最後にスキルの確認をあらためてしよう!正直、ワクワクが止まらんのですよ。
まずは《魔装》!なんと、魔力を使って魔法を作ったり、文字通り装う……魔法を身に纏ったり、装備を作ったりできるスキルなのだ!いやー、なんとも厨二心を擽ってくれるスキルだね!
ちなみに属性の闇は勝手に選ばれてました。俺の魔力属性が闇なんだと、ダークヒーローっぽくて好きよ。まあ、まだレベルが低いから全然使えないだろうけど。
隣にあるスロットは、スロットの数字まで魔法を作れるってことなのかな?あ、これも個別で見れるのね。
なになに……『作り上げた魔法に評価点が与えられ、その評価点がスロット容量数より低い場合のみ発動可能。
※例)スロット5の場合。 評価点1の魔法を同時に5つまで、2の魔法を2つまで発動、3の魔法、4の魔法、5の魔法を一つまで発現可能。評価点がスロットの数字以下、同数になるよう組み合わせも可能。』
ほー、つまり、今の俺だと評価点1のが2つ、2が1つまで発動可能なわけか。強いような、弱いような?まあ、レベルもまだ1だししょうがないか。
魔力関連はまあそのままだね。魔力を増やしたり回復したり。
よし、次だ次!《血肉化》は何やら物騒だけど、結局のところ、食事したり倒したりすれば経験値が増えるよってやつだ。ただこれ、肉体ありきなんだよなぁ……魂だけじゃ成長しないのよね。まあ、体を手に入れればどうにかなるか。
《生命力回復強化》は今のところ《血肉化》と同じで死にスキルだな。生命力無いし。
《危機察知》は自分に迫る危険を何となく気づきやすくしてくれるスキル。これがあれば死ななかった可能性もあるし、とっておいて損は無いでしょ。
《隠蔽》は結構汎用性というか、効果範囲が広いからいいね。気配とか、隠れたりする時に効果があるのに加えて、ステータスなんかも隠してくれる。まあ、レベルが低いうちは効果に期待はできないけどね。
《体術》《格闘術》《跳躍》《投擲》はそのままだね。ただまあ、格闘術だけは、特定の流派とかがなくて、いろんな武術とかの基礎をごちゃ混ぜにしたって感じらしい。体術は体捌きだとか、全体の動きの補正だから、これも……っていうかこの四つも死にスキルだ。これ、間違って動物とかに憑依したら使えないんじゃ……二足歩行の犬とかになるのか?
《日常魔法》は、着火や水を出したり、手頃な石を出したり、風を少し起こしたり、要するに日常生活であったら役に立つなー、程度の魔法。特に属性とかがあるわけじゃなくて、本当に日常で使われるレベル。子供が親の手伝いで薪に火をつけるレベルで使われてるからまあ、戦闘には使えないね。
《異世界言語》なんかは、この次元限定でなく、どの次元のどの国、どの部族にも通じる言語らしい。ただ、今いる次元の今の場所での言語しかわからないから、実際に行ってからじゃないと発動しないタイプなんだと思う。
《状態確認》はまあ今やってる事だし割愛。
最後に限定スキル、《特殊憑依》と《憑依解除》
《特殊憑依》は、神様から(既に名前忘れた)説明してもらった通りで、どんな存在にも最初の1回は確実に成功するっぽい。それ以降はレベルに応じた確率だけど。
で、人に憑依したらあとはもう憑依できるのは人間種のみ、犬なら犬種、モンスターならその系統のモンスターに、と。
結構自由なようでそうでもないけど、まあ凶悪なスキルであることには変わらないね。
憑依したら憑依した対象を意のままに操作可能らしい。これ結構重要。相手の精神力とかが強くて動きを邪魔されるってことがないのはいいね。
ただまあ、スキルや能力にはいくつか制限がつく場合もあるから、完璧って程でもないけど。
あとはステータスが劣化していく制限だけど、ちょっと変わってて、憑依を自分で解いてもステータスは下がるっぽい。まあ、しょうがないか……十分にチート能力だし、これ以上は望むまい。
さて、確認は終わったかな?じゃあ、まずは体を探さないとね!
ここにはさっきも言ったように草と木と土くらいしか無いんだよなぁ。人の気配もない。
とりあえず憑依先は人間がいい。いるならエルフとかそういうのでもいいよ!ただ人間基準から外れてそうで怖いけど。
うーん、とりあえず動こう。どっか適当に進めば何かしらいるだろう。こんなことなら地理関係のスキルも取っておくべきだったかな?
そうだ、道中 《魔装》を試そう!魂だけでも戦闘できるのか知らんけど、使えないってわけじゃないだろうし。
そうと決まれば早速出発だ!
…………………………………………………………………………………………………
………………………………………………………………………………
…………………………………………
う、うーん……ま、魔法が使えない……
よくよく考えてみれば、剣使ったことなくて剣術取らないって言ったのに、魔法使ったことないのに魔法関係のスキルとっても使えないわなそりゃ。
やべぇぞこれ……
なんとなくこう、動いてるような気配はするんだよ。魔力的なものが。
《魔力操作》のお陰だろうけど、とにかくなんとなーく感じる。
この感覚をより深く感じられればいけそうかな?
それにしても、本当に人の気配がしないなぁ。
すんごい僻地なのかな?チラホラと動物の気配は感じるんだけど……お?すっごく遠いけど……煙……か?
よし、とりあえずあそこを目指そう。
結構な距離があったけど魂だけだからかすんなりと移動できた。こう、幽霊のイメージ通りな浮遊していく感じ?結構スピードは出せるっぽい。
さて、見えてきたぞ。おー、村……っていうより集落かな?何棟か建物もあるっぽい。
って……あれ、なんか様子がおかしくね?あ、これ野盗かなにかだ!うわぁ……死体があちこちに……うわぁ、家も焼けてんじゃん。うーん、こんなことしてる奴らがいる世界か……まあ、ファンタジーのお約束だからいいけど……まあ、とりあえず体になるような奴がいるってことは分かったしいいかな。
お!フルプレートだ!全身鎧の奴がいる!決めたぜ、俺はこいつに憑依する。だって鎧かっこいいし!
いくぜ!《特殊憑依》!
ヒュォォッ
お、おぉ?これで成功なのか?うーんわからん。
あ、状態を見ればいいのか。
ステータスステータスっと
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【PARAMETER】
《NAME》遊真 夕鶴人 《SEX》♂ 《AGE》21 《RACE》特殊霊魂 《SUBJECT》全身鎧(金属)
《DURABLE VALUE》564/700 《MANA POINT》500+50 《STAMINA POINT》無 《STATUS》霊魂 憑依中
《DEFENSIVU》480 《MENTAL》1000 《PMP》100 《SLP》0
【SKILL LIST】
・《魔装・闇》LV1[スロット・2]・《魔力強化》LV1・《魔力操作》LV1・《魔力回復強化》LV1・《血肉化》LV1・《生命力回復強化》LV1・《危機察知》LV1・《隠蔽》LV1・《体術》LV1・《格闘技》LV1・《跳躍》LV1・《投擲》LV1・《日常魔法》LV1
【SPECIAL SKILL】
・《異世界言語》LV5・《異世界記述》LV5・《異世界常識》LV5・《状態確認》
【UNIQUE SKILL】
《特殊憑依》LV1《憑依解除》LV1
【BLESSING】
【転生神の加護】【曖昧な歓迎】
【TITLE】
【特典を受け取りし者】【肉体を捨てた者】【神の時間を奪った者】
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お、状態が憑依になってる!いやー、これで一安心っと。
……ん?んん……?んー……?
え、まった。なんで俺こいつの口で喋ってないの?
いや、もっと言うならこう、鼓動だとか、そういうの感じるもんじゃないの?
まてまて落ち着け。慣れてないからだ。まだ初めてだからな。もっと意識して……まずは、そうだな、右手だ。右手を動かそう。
ガシャ
お、動いた!よしよし、憑依自体は成功してるな!いやーよかったよかった!よし、とりあえずは立ち上がろう!
ガシャ……ガシャ、カチャカチャ
んー、結構音が鳴るんだな鎧って。
ザッ……ドチャッ
ドチャッ?
……
えっ
な、なんで……鎧の中から体が出てきてんの……?しかも血まみれで。
いやいやいやいや!?
待って俺憑依したじゃん!え、もしかして死体に憑依しちゃった?てことは結局アンデット?いやいや、ないわー。ありえないわー
いや待て。死体に憑依してるなら、なんで死体は倒れた?
も、もう一回ステータス見よう。
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【PARAMETER】
《NAME》遊真 夕鶴人 《SEX》♂ 《AGE》21 《RACE》特殊霊魂 《SUBJECT》全身鎧(金属)
《DURABLE VALUE》564/700 《MANA POINT》500 《STAMINA POINT》無 《STATUS》霊魂 憑依中
《DEFENSIVU》480 《MENTAL》1000 《PMP》100 《SLP》0
【SKILL LIST】
・《魔装・闇》LV1[スロット・2]・《魔力強化》LV1・《魔力操作》LV1・《魔力回復強化》LV1・《血肉化》LV1・《生命力回復強化》LV1・《危機察知》LV1・《隠蔽》LV1・《体術》LV1・《格闘技》LV1・《跳躍》LV1・《投擲》LV1・《日常魔法》LV1
【SPECIAL SKILL】
・《異世界言語》LV5・《異世界記述》LV5・《異世界常識》LV5・《状態確認》
【UNIQUE SKILL】
《特殊憑依》LV1《憑依解除》LV1
【BLESSING】
【転生神の加護】【曖昧な歓迎】
【TITLE】
【特典を受け取りし者】【肉体を捨てた者】【神の時間を奪った者】
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……
え、き、金属鎧……?
う、嘘だろ……俺……金属鎧になっちゃったの……?
落ち着け落ち着け!とりあえず周りを見よう。
ガチャカチャ
うん、完全に焼けてるな。うん。
カチャカチャ、ガチャガチャ、カーン
うーん、生きてる人はいないっぽい……
ガシャガシャ、ザッザッ、コーン
……これ完全に鎧だわ。さっきから空洞音もしてるし。
うぉぉぉぉマジで!?俺マジで?鎧とかふざけんなよぉ!こん、こんなっ……おぉぉっ!
ガシャンガシャン!
うぐぅ……はっ!声が出ない……そりゃそうだ。喋るための口も喉も無い。
あー、これ、ほんっっっっっっっとうにやばい。
なんだっけ?リビングアーマー?とにかくアンデット系モンスターにこんなのいるよね?
俺、完全にモンスターじゃね?
ぐぉぉぉぉっ!
…………………………………………………………………………………………………
…………………………………………………………………………
………………………………………………
おれは しょうきに もどった
いやいや、最初から正気だから。うん。落ち着いた。
いや、でもこれ、ほんとどうしよう?
鎧だよ?中身ないよ?喋れないよ?
鎧だけで動けてる時点で討伐対象とかになっちゃいそうだし……
……でも、まあ
人型だっただけましか!
これでもう魔獣とかだったら詰んでたよね!何事もポジティブが大事だ。
ふぅ、そう思うと吹っ切れたな……でもマジでどうするか……幸い言葉とかは、筆談でどうにかなるだろう。
喋れない理由は……あー、どうせ鎧脱げないし、ひどい全身火傷でとかでいいか。見せたくないから鎧だ!みたいな。
しかしこの鎧の持ち主さんはなんで死んでたのかね?装備的に野盗じゃなさそうだけど。騎士とか?この集落を守る騎士!
おぉかっこいい!
……まあ、護れなかったぽいけど。
んー、ここの人達には悪いけど、使えそうなものとかもらっていこ。金になりそうなものとかは持ってかれてるっぽいけど、まあ何かしらあるでしょ。
しかし鎧のこの隙間って意外と外見えるのな。視界はそこそこ取れてる。
うーん、案外鎧も悪くないかも。
お、剣とかあるじゃん。あ、ダメだわこれ折れちゃってるわ。
うーん……
………………………………………………………………………………………………
…………………………………………………………………………
………………………………………………
結局一時間ほど漁って見つけたのは、鍋に包丁、大ぶりの鉈に解体用のナイフかな?それと何枚かの硬貨っぽいもの。あとは全身鎧が2つ。一つは頭がなくて、中の人も頭がなかった。
うーん、これでどれ位のお金になるかね?あ、なんか頭に情報が……
ふむふむ。この8枚ある銅貨っぽいのが1枚10ギル、と。1枚だけあった鉄の硬貨が100ギル。ふむ、宿屋に泊まるのに大体一泊食事なしで600ギル。じぇんじぇん足りんじゃん。
鍋も包丁も使わないしなぁ……料理どころか食事すらいらなくなったし。
全身鎧は……これがどっかの騎士団とかのだと売れないよなぁ……って、この鎧もそうじゃん。うーん……これって厄介だね。騎士団じゃないにしても統一された装備なわけだし……なんか適当に改造したくてもそんな技術ないしなぁ。
うーん、いいや、鎧はここで壊していこう。一番状態がいいのは今憑依してるやつか……ん。それじゃあ……この石で殴ったら壊せるかな?
あ、いや、普通にこの鎧同士ぶつければいいじゃん。
よっと
ガシャンッ
重さ感じないなぁ……鎧の体だからかな?
まあいいや、《投擲》を意識しながら投げればいいかな?あ、《跳躍》して投げたらもっと威力あるかも!
とう!
グッ、ガシャッ!
てやぁっ!
ビュッ
グワシャアアンッ!
おー、いい音!
あと何回かやれば壊れるだろう!
とうっ!てやっ!オラァ!ふんっ!どっせい!ぬりゃあ!
ふぅー、これくらい壊しておけば大丈夫かな?
よしそれじゃあ、適当に布を拝借して、この硬貨だけ持ってけばいいかな?あ、布多めにもらおう。血で汚いからね。川とかないかなー?
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