第10話 それは愚かなる昼食
私の名前は暮羅須 姪徒
特に特徴といっても何もない女の子いわゆるモブ子だ。
そんなわたしには昨日からとても気になることがある。
それは隣の彼だ。
容姿はとても整っていて青い瞳に長いまつ毛、泣きぼくろがチャーミングで綺麗に整えられたショートヘア……普通に黙っていたらモテるだろうなと思う容姿とイケメンや美女特有の近くにいると緊張するオーラを感じる彼……。
だけど初日の挨拶から滑り……リチャードくん、無敵くんと仲良く超次元な話をして次の日には混沌キャラ……混キャ3人組と呼ばれてる。
私は気になる……彼のことが気になる……。
昨日は午後の授業にはきちんと出て授業受けてたけど今まであったことのない人種。
クラスのマドンナ月姫さんがくると目が逝って……彼を囲んでいた人も散ってた彼のことが気になる。
気になって仕方ない……
授業中――
あー左の利きなんだ……彼は左手で真面目に受けてるかと思ったら、女の子のお絵かきをしてる……。
でも右手で黒板も一応写しており……あれ右も使ってる……どっちなんだ?
お昼休み……昨日はクラスにいなかったけど今日は隣でお弁当とお味噌汁を持参している。弁当持参してるんだと思って横目に見ているとお弁当の蓋が開き。
姪徒「お弁当……え、ゆで卵と塩とパセリ……?」
私は驚きのあまり声が出てしまっていた。
それは隣の彼にも聞こえていたようで……
蓮「塩だと思うだろう……これレモン味のプロテインなんだぜ……」
蓮「悲しいよな……俺しくっちまったから……。」
昨日の授業を初日からサボったことを言っているのか、それよりプロテインてなに?と思っているとお味噌汁かと思った容器は小さい水筒だったみたいで彼は水筒のコップに中身を注ぐ。
――――コポコポ……
姪徒「虹色……」
いい音ともに注がれたそれはコップの中で周りながら虹色のコントラストを綺麗に描いていた。
驚きのあまり声が出ないでいると……
蓮「中国の油が流れ出た虹色の川みたいな色だろう……信じられるかこれお茶なんだって……これがお茶ならなんでもお茶だよな……。」
姪徒「え……何それ」
見ていてもお茶には全く見えないどこら辺がお茶?虹色のお茶‥‥違う意味で目を奪われる光景にヤバい葉っぱなのかなと思っていると彼は遠い目をしながら朝のことを話す。
蓮「妹特性1日の栄養素を詰めたサプリメント漢方茶だよ刺激物と胃を守る体に優しい自然由来の漢方薬のハイブリッドらしい‥‥」
それから彼は朝を迎えて台所でミキサーの聞いたことない音……それは断末魔の悲鳴のような音を聞き、急いで窓から逃げようとしたら捕まり、お弁当の説明の後待たされた教えてくれた。
蓮「しかもさ、お小遣いは叩いて作ってくれてるんだ……信じられるか拷問じゃなくてこれ思いやりなんだぜ……」
お小遣いをはたいてこれを作る?……他にも野菜ジュースとか方法はあるだろうに……彼は意識不明で数ヶ月眠っていたというのは聞いているけどこれは……拷問じゃないのかな?
‥‥というか授業のことじゃないのこの拷問はと思い聞いてみる。
姪徒「え、授業サボったから罰とかじゃなくて?」
蓮「昨日パセリ……残したんだ……。」
彼の返答に、よくわからないけど何かあったんだなと思いつつ
彼との話を終わらせたあと
横目にまた見ていると彼は仕切りに月姫ちゃんの方を見て目を逝かせながら
ゆで卵を食べて、虹色のお茶を飲み食べる前よりげっそりとやつれていた……。嫁たちのためとか小さい声で聞こえてきたけど……
嫁いるのかな?結婚できる年齢じゃないけど……
姪徒「あの……私の水だけどまだ開けてないからのむ?」
見ていていたたまれないとお水を渡し、震えた手で彼はそれを受け取る。
蓮「あ、ぁりがとう」
しゃがれた声で……お腹抑えてたけど漢方て食事前に飲まないといけないんじゃないかなと思いつつ彼の胃を心配する。
――ゴクゴク――
―――ツっ――
蓮「水てこんなに美味しいんだな……俺昼は水道水でいいかも……パセリ大好き‥ぺっ」
涙を流しながら最後に残っていたパセリを私じゃなきゃ見逃しちゃうような速さで口にした瞬間‥‥すぐにゴミ袋に吐き捨て彼はそんなことを口にする……。
普通に考えたら近寄りたくはない人だけど……隣で見てるくらいなら面白く、また彼への興味が湧いた。
その後…長いトイレから戻った無敵くんと、売店から傷だらけで帰ってきたリチャードくん達と仲良くお喋りをしていた。
聞こえてきた話の内容は1ミリも分からなかったけど私は隣の彼を横目で見て学校生活が楽しくなるそんな予感がしていた。
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