第5話 みんなより遅れた初登校

職員室でのとあるやりとり。


担任の先生「あークラスは1年A組で……自己紹介とかしてからの方がいいか?」 


入って自分の名前を伝えると、手招きしているジャージ姿の40代くらいの無性髭の男性の方に行くと開口一番そう聞かれる。


蓮「心配不要ですえーとMr、 Mr……」 

熱心「あー俺がまだだったな後凛羅 隣だ」

蓮「Mr後凛羅ですねよろしくお願いします」 

熱心「おうっ熱いクラスにしようぜっ体育大会は必ず優勝するぞそのつもりで部活入らなくても鍛錬に励めよっ」


後凛羅先生は学園に1人はいそうな熱血系教師だと言うことが短いやりとりでわかった。そして先生をM rというのはスルーされた……


蓮「okですっみんなに頑張ってもらいましょう」


熱心「おう……うん?何がokなんだ?というかもういないし…………」

先生が自分の机の方を向いたと同時に職員室を颯爽と後にし、白と頭の中で話しながら1年A組と書かれた教室のドアに手をかける。

白「あそこは滑ったね、たのまい!」

蓮「たのまい?あ、違った失礼するぞ」

白「引っかかった、引っかかったっ」

白のいきなりのフェイントが口に出つつ教室を開ける。


月姫「あ、蓮!さっきは……」

黒いダークマターが女の子の声で喋りかけてくるがそれを遮るように発音の良い英語が耳に入る。


イケイケ外国人「haybrother!」

蓮「おおっ軍曹同じクラスなのか」

軍曹「YES!タノシクヤロウ、ヤロウダケニ」


こいつの名前はジョニーリチャード

色気のあるミディアムヘアーに180近い身長とその日本人離れしたルックスの女子受け間違いなしの彼だが何を隠そう……

…アニメオタクだ。特に禁断シリーズのrail gunを嫁と連呼する外国人。得意技はCQCであり、彼のアニメに対して熱心で熱血、突撃態勢であり、俺は軍曹と呼んでおり、彼も意味というより響きが気に入っているとのこと、出会いは割愛するがバイト先の仲間だ。


月姫「あ、リチャード君日本語喋ってる……じゃなくて蓮……」

またもダークマターが声をかけてくるが、眼鏡を上下に動かす音とともに……彼が現れた。

歩く屍「カチャカチャ……やぁ…軍曹は行動が早いね……学校でもよろしくね蓮いやレクイエム」 


月姫「え、レクイエムて?」

蓮「おおっ課長!3日前より少しやつれた?」


彼は無敵 進化

少ない髪でクリ◯ンのような頂点を隠すようにセットされたベリーベリーショートヘア、縁の太い黒眼鏡をかけている。

実は彼は最強を追い求めているがその容姿は妖怪の餓鬼のような体型で夜中に歩いてるだけで歩く屍の都市伝説を作った逸話がある。

だが彼もアニメの北斗の○に憧れ努力するが限界に気づき……プロテイン、サプリに手を出したことで、凄いよま○るさんに出てくるキャラのように病弱、吐血、これは特技らしいが胃の中のものを瞬時に吐き出せるピッコ◯さんもびっくりの、イカれた……ゴホン…通称課長だ。

心なしか前にあった時よりも顔がやつれている。


課長「新作のサプリを配合したらまた失敗だよ」

月姫「ねぇ……」

課長「ゴブゥア!」

月姫「え、ごめんね無敵くん」

視界が黒く染まってるので見えないが、ダークマターが課長に触れた際嘔吐したようだった……。だがその時だった……。


クラスメイト「トンっ」

その直後他のグループで話していた女子が振り向き様に彼女の肘が彼の腹部にクリンヒットする。


課長「アビゲイルッ!!」


クラスメイト「え!大丈夫これ救急車?」

今度は先程の胃液と違い、赤い液体を口から床に吹き出す課長……役職のストレスから嘔吐する様子もトイレが唯一の捌け口となっている課長のようだ……ちなみにそこも課長の由縁だ。 

白「アビゲイル!!だってぷふふっ」

白は相変わらずツボが分からないが笑っている。


活発そうな女子「あーいつもだよ……赤いクスリが溶けて出てるだけだって」

月姫「あー!大花ちゃん」


後ろでお団子を作っているような髪型の、なにかスポーツをしているのか、制服から見えるよ足や腕だけ見ても引き締まった身体、見た目から活発そうな容姿の女子がしんちゃんと呼び課長の背中をさすっている。


大花「な?シンちゃん」

課長「その通りゴブゥ…はぁはぁさすがたいちゃん気づくとは」


そんなやりとりを見ていると、後ろから左肩を叩かれ、俺は後を振り向く。すると何かが頬に当たると同時に。


イケメン「よう蓮っ元気してたか?心配してたんだぞ」

蓮「おおっ真佑!久しぶりっ」

彼は五月女 真佑

イケてる系のベリーショートヘアーの彼だが俺の記憶では殆ど坊主だった記憶が大半で、一緒に学童野球をやっていた昔からの幼馴染。かれこれ3ヶ月も会ってないのは小学校からは初めてでとても新鮮な感じがする。


そして振り向きざま人差し指を頬に当てるのはもう古いぞ真佑‥‥‥。


月姫「え、あ、真悠くんのことは覚えてるの……」

ダークマターが……割愛する。


軍曹「brother,brotherコレ」

真佑との再開に懐かしさを感じていると軍曹がハニカムような笑顔で俺の机に本を置く。

それは……

蓮「おおっ軍曹これは禁断シリーズの新刊じゃん!」

軍曹「YESrail gunハサイコウ」

課長「かちゃかちゃ、名作である確率100%これから新章も始まり興奮が抑えられない」

軍曹「サスガカチョウ、ソノトオリダヨ」

それは禁断シリーズの最新作本日発売のはずだが……どこで手に入れたかは不明だが……聞くのは野暮ってもんだ。


真佑「おお、蓮?」


幼馴染の真佑が声をかけてくるが俺は帰ってからしか読めないと思っていた本を手にして……


蓮「あー真佑……今忙しいんだ」

蓮「たとえワルプルギスの夜が来ても…。おれはこれから手を離さない……」

白「「じゃあじゃあ記憶読み取ってネタバレしたら?」」

蓮「「ころすっ」」


怖い怖いと白は黙る。


友人との久しぶりの再開よりも……これからの禁断シリーズに興奮を抑えられなかった……。


真佑「え?なんて?ワルプルギスてなに?」

軍曹「Sharap!ヨンダラカタルンダ!ジャマスルナ」

課長「かちゃかちゃ…その通りです、席に着きましょう今のレクイエムを止めてはならない、軍曹…次僕に貸してくださいね……」


真佑「そのレクイエムてなに?というか無敵くんとリチャードは蓮とどういう関係?」


課長「かちゃかちゃ…彼の新名はレクイエム……89人の嫁と100人の嫁候補を抱えている、そんな彼の追い求める先はレクイエム……ラテン語で「安息」の意だよ」


真佑「何?新名?レクイエム、ハチジュウキュウニンのヨメと100人の嫁候補を抱えている?話し殆ど分からなかったけど……ピカソみたいな感じ?」


軍曹「Sharap!カレトワタシタチハ、チガウジゲンデムスバレタドウシ!トウエンノチカイをアニメントデシタナカ」

真佑「えーと?桃園の誓いと結ばれた中?桃園の誓いて?」


話が通じないと軍曹と課長は呆れる様子。

逆に真佑は話が通じない……いや話について行けず困惑している。


課長「かちゃかちゃ…そんなことも……三国志いや僕のリスペクトする北の拳見直してきなよ」 


真佑「なぁそんなこと言わずに無敵教えてよ」

真佑は困惑し、女子ならドキッとしちゃうように優しく課長の両肩を掴み……課長を見つめながら優しく……揺らす。


課長「ゆ、揺らさないで戻しちゃうからわかったから」

真佑「お!ありがとう無敵っ」


課長「はぁーカチャ……コホンっ」

爽やかな笑顔に対し、一呼吸課長は置き。


カチャカチャ動かしていた眼鏡を取り、メガネ拭きで拭きながら、一つ咳払いして、真剣な目で俺たちの誓いの言葉を言う。



課長「我ら三人、生まれし日、時は違えども兄弟の契りを結びしからは、心を同じくして助け合い、アニメに困窮する者たちを救わん。上は二次元嫁を報い、下はアニメ、ラノベを全てリサーチすることを誓う。同年同月同日に生まれることを得ずとも、同年同月同日に深夜日中問わずアニメを分かち合うことを願わん。実にこの心をアニメへの忠誠、鏡と鑑みよ。義に背き恩を忘るれば、天人共に戮すべし。」


その長い誓いを聞き……真佑は……


真佑「おおアニメオタク仲間てことでいい?」

軍曹「オタクイイコトバ…ダ」

課長「ふんっわかってるじゃないか真佑くん」

何故が通じ合った……。


真佑「あ、え、うん、なんでそんな誇らしげ……軍曹「ポキポキ」……なんかごめん」


軍曹の指を鳴らす音に何故誇らしげか悪気もなく聞いた少し空気が読めない真佑もそれ以上は聞くことはなく。

俺はまるでそのやり取りを気にせず新刊……いや簡単シリーズの神刊を読んでいた。



クラス別視点……


大花「なんか蓮くんって1ヶ月遅れでくるって聞いてツッキー心配してたけど……もうだいぶクラスに馴染んでない?」

月姫「う、うんそうだね大花ちゃん」

馴染んでいるというか……、どうしたらあの形に収まるんだろうと不思議に思っている。

私は初登校なのに緊張の気の字もない彼を遠目に見つめていると……。


大花「あれがクラスのマドンナである。ツッキーの思い人なの?なんか顔はいいけどざんねんオーラ満載だよ?」

耳元で大花ちゃんが私に聞いてくる。いい匂いするな……じゃない!


月姫「え!違うよ違う違う……違くないです」 


恥ずかしく最初は否定するが、彼女とは高校で意気投合し、恋バナも既に済ませた中だった……結局私が一方的に話し……最後は愚痴大会のようになってたけど……。 


大花「待ち合わせすっぽかされたと思ったら意識不明で……でなんだっけ今朝は記憶喪失とかついてないね」

月姫「う、うん」

先に1番の友達のたいちゃんには今朝のことは話していた……。


ついてないどころじゃない……恋の神様がいたらなんでこんな意地悪するんだろうと思うほどに状況と彼の反応は良くない……。特に私を見ると目が逝ってしまうのは100年の恋も冷める衝撃だった。


大花「進化とあと、リチャード君と中良いのは意外だけどね」

私もそれは意外だけど……友達作りとか苦労しないか私も真佑も心配してたからそこはホッとしていた……

そのまま話しにのり、私の恋バナの話題を変えようと大花ちゃんの幼馴染について聞いてみる。


月姫「うん……大花ちゃんは進化くんと幼馴染なんでしょう?どうなの?」


大花「どうなのって……北の拳に憧れて頭の中も頭皮も世紀末になったサプリ中毒に何か思うことある?」 

月姫「う、うんそうだね、同じ年齢なの?てくらい老けてるし、病弱で屍みたいな体で心配なくらいだよ」

言ってることが酷いと思ったけど……私も彼に対しての感想は言い方は違くても同じようなことであることに発言の後に気づき…

幼馴染を酷い言われようをしていることに対し大花ちゃん……たいちゃんは良い思いをしてないだろうと申し訳なさそうに顔を上げる。


大花「うーんだけどね昔は両親に負けないくらい神童とか呼ばれてる位スポーツ万能だったんだよ……あのオリンピックの女神と、怪物と呼ばれた無敵一心とのカップルの子でさそりゃ凄かったよ……」

大花「でもさ…小学生だと女の方が成長早いじゃん……私一度だけあいつに勝って優勝しちゃったんだよね」

大花「そしたら進化…ショック受けてさ、あいつの両親も女に負けたことに対して厳しかったらしくて……ツッキーだから話すけど……ウチ達の両親ライバル同士だったんだ」


遠い目をしつつ、猫のように変わる彼女の瞳を見つめている私を他所目にたいちゃんは話を続ける。


「その時らしいんだけど北の拳見て……荒廃した世界ではドーピングもクソもない…最強になるためには家族も倒せなければとかぶつぶつ言って……サプリ中毒になってたの……」


一通り話を聞いてなんといえばわからず……。


月姫「壮絶なのか……なんなのか……」

大花「男はバカなんだよ……」

月姫「バカというか危ない線超えてない……?」

一通り話し終え……

私の考えは…とりあえず彼女の幼馴染がすごく心配になった。



クラス別視点……②

八方時「あぁぁあ、リチャード君が……あんな人だったなんて……でもあの人もカッコいいかも……」

虹元「どぅしたの?」

八方時「ううん虹元ちゃんはかわいいねて話し……」

虹元「そぅ、ぽっ……」 


明るい髪の男子受けしそうな女の子と、銀色の長い髪をした小さい女の子がそんな話をしていた。



クラス別視点③

翔「なかなか熱そうなやつじゃーないか!ははは」

暮羅須「うるさい熱中 翔くん」

翔「あぁすまないすまない!ははは」

暮羅須「さらにうるさっ、なんでも熱いに置き換えるのやめなよ」

翔「その通りだはははは!」


とにかく熱そうな、声が大きい男と、とくに特徴もない怠そうな女子がそんなやりとりをしていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

作者余談欄

ここまで読んでくださりありがとうございます♪

よければハート貰えると嬉しいです。


たくさんキャラを追加したくて盛りすぎました。読みづらかったらごめんなさいっ

次はヒロイン視点です。


手探りで頑張っていきます。

応援よろしくお願いします。

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