第4話 君は誰?逝っちゃってる?
蓮「ういってきゃす★」
結花「行ってきますでしょう?お兄ちゃん」
妹にツッコミをもらいながら、蓮は母親から気負いしてなくて何よりという言葉をかけられ手を振りながら玄関から外に出る。
朝特有の澄んだ空気を堪能しつつ、自分がこれから(皆んなより1ヶ月遅れて)通う学校へと向かう。
結花「あーツッキーだ!おはよう!!」
学校へ向かう途中の住宅街……隣を歩いていた中学生の制服がとても似合う妹が誰かに手を降り小走りで走っていく。
(ツッキーか……親しそうだから結花の友達かな?)と考えながら妹を追いかける。
月姫「お、おはようございます……あの蓮も久しぶり」
その言葉を聞いて蓮は先程の考えは間違いだったことに気づいた。
月姫「あの、今日からくるって聞いたから迎えに来ちゃった……て…」
彼女は言いかける途中で言葉を止める。
何故止まったかはなんとなくだが蓮も分かっていた。
月姫「蓮…何その目?」
結花「目って?うわお兄……目が逝ってる」
妹の声色からドン引きしているのが伝わる。
蓮「目がどうした?そしてツッキーて誰だ?」
ツッキーという人を見ようとするとグラサンのようなモザイクがかかっており、声だけで姿は見えず隙間から見ようとした結果が……目が逝っちゃってる人に繋がっていたのであった。
このやがらせの犯人は確実に白であった。
結花「何言ってるのっ仲良くしてたじゃんっ小学校の学童野球も一緒で、中学でも野球部のマネージャーしてた待宵月姫ちゃんだよ?忘れたの?」
……意識不明で目覚めた時…記憶が曖昧なこともあったがここまで知り合いだと言う人を忘れたことは蓮はなかった。
しかも聞く限り幼馴染だという。
「お、おぅ……覚えてないんだなーこれがははは」
(お兄ちゃん信じられない)という妹の言葉を聞きつつ、誤魔化しても長い年月過ごしてきたであろう幼馴染や、それを傍で見てきた妹にバレるのは時間の問題なため蓮は半端諦めていた。
だが原因を作った白には理由を教えてもらおうと問いただす蓮。
蓮「「おいっ白!どう言うことだ?」」
白「「どういうことでしょうう??」」
蓮「「誤魔化さずちゃんと話せ」」
白「「うん、そうだよね……あの子からは嫌な感じがするのとてもね……わたしだからわかるけど一緒にいちゃ、いやそれこそ視界に入れちゃいけない子なの」」
蓮「「それもそうだが……勝手に記憶を食べられてたのは驚愕だ、もしかして他にも思い出せないだけで……」」
白の言葉を聞いて蓮は今まで感じたことがない感情が湧くとともに身震いする……知らないだけで他にも記憶がないなんてことがあったら生活に支障が出るだけではなく、蓮は記憶を今のように疑うことになる。
白「「勝手にじゃないもん……、他は食べてないよ…私が来た衝撃の反動とかは流石に分からないけど……誓えるよ」」
母さん達に聞いた話だと……街中に電波障害や停電が数分起きたとのこと規模を考えると街を飲み込むなんて蓮には想像できない。
蓮はまた勝手にじゃないということはやはり……記憶にはないが白とは何かやりとりをしていた意識不明だったはずの時に……。
と記憶を思い返そうとするが、やはり思い出せない……。
蓮「あぁ、つきめちゃんでいいのかな?思い出せなくてごめんねー」
白と2での会話も終わり月姫の方を向きながら蓮は声をかける。
結花「ダメ!ツッキー残念だけどお兄ちゃん、危ない人になっちゃったみたいだかは離れて歩こう」
結花はモザイクな幼馴染に手を伸ばし前をどんどん歩いていく。
月姫「う、うんあの蓮くん……もしかして私のせいで……」
結花「あー違うよあのストレスとかの話でしょう?ツッキーに合わせなかった理由もね……お兄ちゃん意識不明になった時からおかしくなったの」
月姫「おかしく?どういうこと結花ちゃん」
結花「もう……あのクールぶってるアニオタのお兄ちゃんじゃなくて……」
クールぶってるは余計だが…アニオタは間違いじゃなかった。
まだ妹の会話が聞こえる範囲であり蓮は耳を傾ける。
結花は一度立ち止まり声が震え出したかと思うと悲しい声になり蓮の幼馴染である。
月姫に真実を伝える。
結花「中二病を発症しちゃったの……お医者さんに見せても自然に治るのを待つしかないって匙投げられちゃって」
結花「人によってだけど……1ヶ月から数年かかるらしいの……」
月姫「そんな……」
蓮「そんなじゃねぇよ!」
思わずツッコミを入れてしまう。お医者さんにはかかってたけど……裏でそんなこと会話が繰り広げられていたのは驚愕だった。
月姫「目が逝ってるのは?デフォルトなの?」
結花「ううんっこれは始めて……ツッキー見る時だけみたい……」
月姫「そんなぁ……」
蓮「「そんなぁーは俺のセリフだよ!」」
と心の中で愚痴りつつ白に問いただす。
蓮「「白これはどういう……」」
白「「それはねグラサンモザイクだよ、あの子から視点逸らせば問題ない」」
蓮「「問題しかねぇよ?これ外せよ?支障出るだろこれ……」」
あの子を見ようとすると目が逝っちゃってるのがデフォルトとか支障しかない!
白「「もう外せないよ固定したもん……意地悪みたいだけど本当にその子に関わっちゃダメだよ恋心も抱いちゃだめ」」
蓮「「声だけで恋できるねぇよ、しかも相手には目が逝っちゃってるように見えてんだろ?」」
白「「うん……そのうちあの子も離れると思うから……」」
蓮「「肝心なことは何も言わずか……白は感だけでこんなことするやつじゃないし……白なりに俺のこと考えてるんだろ」」
白「「うん、ごめんね……後で私の力で出来ることなら言うこと聞くからさ」」
蓮「「はぁーいいよ、別にあの子のこと覚えてないから」」
いつも馬鹿みたいに笑う元気な声ではなく、終始悲しそうな声で白は俺の問いに答える。
蓮「「というかあの子の中の俺の記憶食べればいいじゃん」」
明暗じゃんと思い白に聞いてみる。
白「「食事はやろうと思えばできるけど……あの子はダメ……飲み込まれそうで……」」
蓮「「おお、声によらずヤバいやつなんだな」」
白「「うん……そうなんだよ……」」
獏と名乗ってはいるが、神の所業に近いやがらせをしてくる伝説の存在がそれだけ恐れるとは……俺の幼馴染……ヤバい……。
結花「先に行くよツッキー!学校で何かされたらいってね?お兄のゲーム一つずつ破壊してなんでそんなことしたか尋問するから」
そんなことを考えていると、妹が二次元嫁を1人ずつ殺して断罪しますよ?と言ってくる。……これは尚更近づかない方が良いだろう……あることないこと言わないよね?幼馴染のツッキー?
結花「またねお兄ちゃんさっ行くよツッキー!」
月姫「またね蓮……私気になるけど気にしないようにするから」
蓮「あ、あぁまたな」
目が逝ってる人を気にしないのは無理だろと思いつつ手を振り見送る……。
美少女と……もう1人は様子が見えずわからないが……美少女達と登校していたはずなのに今は1人……とぼとぼと歩みを進め学校へと向かった
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
作者余談欄
ここまで読んでくださりありがとうございます♪
よければハート等貰えると嬉しいです。
白は主人公に隠してることがあります。隠し続けてると背景が分からなくなるので小出しで説明や白視点を追加出来たらなと考えてます。
手探りで頑張っていきます。心の片隅程度で良いので、応援よろしくお願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます