第2話 いつもの朝‥‥日常。

学校登校の初日の朝。


春を感じさせる生暖かい日差しの中、布団の中で蓮は気持ちよく眠っていた。


『ドドドドっ』

誰かが階段を乱暴に登ってくる音がする。


「起きてお兄ちゃん、起きてお兄ちゃん」


それに呼応するように蓮にとって心地よい音の目覚ましがなる。


(妹よ……起こそうとしてるようだが俺は今とても心地の良い気分なんだ。)


ふとっ蓮は壁に掛けてある、Blu-ray初回限定特典の時計を薄目を開き眺める。

時計はまるで、世界は動き続けている証明かのように秒針は動いていた。

大したことない日常でも確かに秒針は刻一刻と時を刻む、その音はまるでメトロノームのように均一な音を奏でており、その音が……蓮を夢へと誘なおうとしていた。


蓮「おやすみ」


 蓮は誰に言うでもないがこれが眠りへと誘う魅惑の言葉とばかりに呟く。

蓮は柔らかい感触の枕に頭を深く沈めて夢の世界へ旅立とうとしていた。


 その時だった。

 『バァァァーン』

ものすごい音と共に扉が開いた。


結花「おやすみじゃないよお兄ちゃん!」


音に驚き蓮がドアの方に目をやる。


整ったミセスヘアーにあどけなさが残るが、若く艶のある肌、それに伴った少女らしさが残る愛らしい瞳、少し眉間に皺を寄せているがそれがまた不相応で頑張っているようにも見えて可愛らしくすら感じる。


「「八九鬼 結花」」


蓮の妹がそこにはいた。

妹は何か言いたそうにし此方を見つめている。

もちろん来た理由を蓮は分かっている。分かりきっているほどに分かっていた。

だがそれでも蓮は3時に寝たためとても眠かった。


結花「お兄ちゃん?今日から学校だよね?」


蓮「愚かな…妹よ……救えないな。その程度の理由で我がセイントサンクチュアリを汚すのではない。」

(訳:俺の部屋に勝手に入らないでくれませんか?あとそっと寝かせて下さい)


結花「ははーんっ何言ってるか分からないけど分かった気がするよ……」


蓮「そうかわかってくれたか……それじゃ扉を優しく閉めて気を付けて帰りなさい、じゃあな」

蓮は睡眠という3大欲求の内の一つが支配する頭で……(流石妹だ、理解してくれたのか)と手を軽く振り布団を被る。


結花「…………じゃあな!じゃないわー!!」


蓮『ゴフッ重い、重い』

妹の元気な声、見事なノリツッコミと共になんと結花は蓮が寝ている布団の上へとダイブをしていた。

そしてトドメとばかりに蓮のバリア(かけ布団)を取りあげる。


蓮「あ、ぁぁあ陽光がぁああ目が目が〜」

結花「ほら起きた起きたっ顔洗って歯磨いてきて」 

ベットの横にある窓から後光が刺すように、蓮の目を刺激し、その原因を作った蓮の上に馬乗りになっている妹が笑顔でそう言う。


蓮「……なぁ結花」


結花「なぁーにお兄ちゃん?」

不思議そうな顔でこちらを見て首を傾げる仕草をする妹と2人見つめ合う形になる。

蓮は妹の瞳を間近で捉え(とても綺麗な瞳だな学校じゃモテるんだろうな……)と思考に耽っていたがすぐに欲求へと思考を切り替えた。


蓮「結花、俺にはな夢がある……とても大きな夢だ……」


結花「いつもいきなりだけど……いつもより真剣な顔だね。お兄ちゃん……どうしたの?」


蓮「その夢はなここじゃ見れないんだ……だから俺の力が使えるあちらの世界に行かなきゃいけないんだ、女神のように眩しい妹よ分かるだろう」

(訳:2度寝は最高なんです、妹様よお願いします恩赦を……寝かせて下さい)


蓮をまるでゴミを見つめるような怖い目をしながら結花はピースをし笑顔になった。

蓮も釣られてピースの形を右手で拙く作り返すが、妹が作ったピースは蓮に高速で近づき……蓮の目に右手のピースがそのまま直撃した。

『プスっ』

蓮「ぎゃあぁああー目が目がぁあああ」


結花「それさっきもやったよね?お兄ちゃんっ♡早よ起きろっ!バカお兄!」



ラブ&ピースの平和な世界はここにはなく……少なくともこの部屋にはないと蓮は悟った。


蓮は目に激しい痛みを感じながら真新しい制服に素早く着替え洗面台で顔を洗いにいくために階段をとぼとぼと降りていったのであった。


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作者余談欄

ここまで読んでくださりありがとうございます♪

よければハート等貰えると嬉しいです。


白は基本的に寝ない設定です。あと、臆病な性格で笑いのツボが浅いです。容姿は後々登場するのでその時までお待ち下さい。


手探りで頑張っていきます。心の片隅程度で良いので、応援よろしくお願いします。

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