第48話
「はっはなせや~~~!」
「おうおうっ所詮は非力なエルフ、しかもガキだな? 捕まったらもうお終いか、んん?」
俺はリカラ捕まってしまった、まるで猫のように首の後ろ辺りを掴まれて宙ぶらになっている。
チビエルフの俺は手足が短いのでジタバタと攻撃してもヤツが攻撃を受けないように手を伸ばされたら何もできなくなって無力化されてしまうのだ。
おのれ~無駄に手足がすらっとしやがって、モデルスタイルなやつはこういうところが鼻につくんだよ。
かつて胴長短足だったアジア人種の俺から言わせればふざけるなと思う、最も現在の俺は胴体も短いし手足も短いのだが。
いやっそんなことはどうでもいい、問題は今の俺が捕まっているという事だ。
「こんな子供を捕まえて余裕ぶっこいてんじゃねぇぞこのキモキモ悪魔っ娘が、大人げないって言葉を知ってるかデカパイが! 頭にいく栄養が胸にしか回ってねぇんじゃねぇの? オラオラオラッさっさと放せやこの雑魚虫デビルが!」
「…………」
「おっとこんないたいけな子供に手を出そうってのか、手を出そうってのか!? 子供のやったことは全てノーカンなんだよこのタコ野郎! 常識も良識もないざ~こちゃんがよぉおおおおお!」
俺は子供の権利を主張して 非暴力を(心の中で)主張する。
リカラのやつは目をヤバイ感じにしてに睨みつけ、インテリ風は若干引いているが気にしない。
子供に暴力を振るうなんて言うお前らが悪いのだ、おやっリカラのやつが俺もインテリ風も引くような感じで邪悪な笑顔を浮かべているぞ。
「一体俺に何をするつもりだこのクソチンピラが、目つきがゴロツキの百倍悪い感じになってんぞこの碌でなしの短絡的ボケ悪魔が!」
危険を察した俺はあらん限りの暴言をリカラに吐いた、リカラのヤツは額に何本も青筋を浮かべながらインテリ風に視線で何やら指示を送る。
するとインテリ風が大きなため息をついて口を開いた。
「小さなエルフ、口は災いの元だ……ハァッ!」
なんとインテリ風までもリカラと同じように人間から魔族コスに変身した。リカラと違うのはインテリ風は髪は白髪のままで少し伸びて、瞳は同じ赤色に、肌の色は青色になったが……。
それ以上に気になる事がひとつ、こちらの方も妙に露出が高いのだ。
「野郎が露出の高い格好するんじゃないよキモいんだよボケッ!」
「すっ好きでこんな格好をしてるんじゃないぞ、これは魔族の正装で……」
「キ~モキモキモキモキモキモキモキモキモキモキモキモキモキモキモキモキモキモキモキモキモキモキモキモキモキモキモキモキモォオオオオオッ!」
「ひっひどい…」
俺はインテリ風に対しても暴言を吐いた。インテリ風はリカラと違い自身のコスチュームにも若干の引け目があるのか、明後日の方向を向いて何やらブツブツと言い訳をしはじめた。
「俺だってこんなモッコリスーツ嫌なんだよ、けど魔族って大半が本来の姿になるとみんな開放的になるというか……」
「いいからはやくあの魔法を使いな、抵抗出来なくしてこっちの質問に何でも答える様にすんだよ!」
イラついたリカラが文句を言う、渋々インテリ風は改めて俺に対して何かの魔法を発動しようとした 魔族たちが使う魔法なんてどうせろくなもんじゃないだろう。
「子供に邪悪な魔法を使うなんて最低だ! この薄汚い犯罪者共がっ!」
「もうホントうっさい! アピオさっさと黙らせなさいよ!」
「分かってるよ」
俺は抗議するもゴーレムは出さない、ゴーレムをクリエイトしようとすると多分本当に攻撃されるので口だけでなんとか戦う俺だ。
しかし俺の戦いは虚しくインテリ風は魔法を発動させ、俺に向かって使ってきた。
「悪いね、別に死んだりダメージを受ける魔法じゃないからさこれ……グロッキーシア」
「っ!?」
この魔法は、ついさっきミロットが黒マントに使った強制酩酊魔法じゃないか!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます