第43話
「……あのクソガキマジで許さねぇっ!」
「バカっもこれ以上あの変なのに関わるな、さっさとこの町が出るぞ!」
ほうほうっどうやらこの状況であれこれ自分たちの潔白を説明したとしても全て無駄、全て裏手に出るということを理解できてるようだなあのインテリ風。
パッと見のイメージ通り結構頭は回るらしい、どうしてあんな見るからにアホの子の相方などしているのか知らないが。
しかし残念、こちとら潰すと決めた獲物を逃がすほどお人好しじゃないんだよ。
「皆さんっ! この2人組は逃げようとしています 私のパンツを見せろと強要しパンツを売れと脅した2人組が!」
「このガキっ!」
「さっさと逃げるぞ!」
そして怪しい2人組は
「このロリコンどもが!」
「貴様ら、自分たちが何をしたのか理解できているのか!?」
「子供パンツを見せろとか恥ずかしくないのか!」
「親の顔が見てるみたいもんだぜ!」
「信じられない………最低ね!」
フレッゾの街の人々はチビエルフ側についた。
もはや出処不明の怪しい2人組はこの街に居場所はない。
「違うって俺たちは断じてロリコンなんかじゃない!」
「いくら言っても無駄だなさっさとずらかるよ!」
俺も逃げる2人組を追う何とかして奴らを捕まえリザードマンたちと繋がってる事の裏を暴かなきゃいけないからな。
そもそもこいつらが所属している組織とやらについても全くの謎である。街ひとつ潰そうなんて連中だからどうせ禄でもないやつらなんだろうけどな。
「この犯罪者たちよ自らの罪を認め地獄へ行きなさい」
「このクソガキがーー!」
バカみたいに必死こいて逃げる2人組を内心せせら笑いながら追っていたその時である。
俺の頭の中に声が響いた。
(ラディア、聞こえるか?)
その声はミロットのものだった。これも恐らく魔法だな、遠くにいるヤツと思念かなんかでやりとりする魔法があると聞いた事がある。
何やら緊迫したような感じだ。
(……聞こえているのなら返事はしなくていい、それにゴーレムを使ったアクションもいらない。ただこちらの様子を確認してきて欲しい)
声を低くしてる?
他の誰かには聞かれないように話している感じだった。
何かあったのか?
俺はミロットのアトリエに配置しているゴーレム と視界を共有してみた。
「ほうっやっぱりあのサルは私を騙くらかしていたようだな、やはりあそこに神殿はあったようだ」
そこにいたのは以前バイラスのタコ足を切り裂いていて姿を消した謎の黒マントである。
ミロットの家の窓は蹴破られていた、ここに来てまさかの押しかけ強盗とかマジかよ。
よりによってこのタイミングで、唖然とする俺だ。しかし今度はうるさい音が街中に響き渡る。
それはフレッゾの街に設置されているという街に緊急事態が訪れた際に使われるというアナウンスである。
やたらうるさい音が流れた後に緊迫した人の声が街中に響いた。
「緊急事態です! 現在フレッゾの街にリザードマン の大群が押し寄せております、さらに巨大生物まで接近中! 街に住んでいる人々は急いで避難をお願いします。町の兵士と冒険者の方々はフレッゾの街の入り口に集合してください!」
「ハァアアアッ!?」
そんなバカなっ!?
リザードマンのやつらは俺のゴーレムにボコボコにされて戦力とかかなり削られているはずだぞ。
それなのに攻めてきたって一体どうなって上がるんだ。
「リザードマンの連中がまさか来やがるとは…こうなりゃあの怪しい2人組だけでも抑えてやる!」
「………なあっ聞いたか? アピオ」
「ああっ どうやらあのエルフは俺たちの背景についても何やら知ってるみたいだな……」
さっきまでさっさと逃げようとしてた2人組が立ち止まりその雰囲気が変わった。
「……アストラルバインド!」
怪しい2人組を追っていた人々がいきなり気絶していった。あのインテリ風が何か魔法を使ったのか。
「悪いけど遊びはここまでだよクソガキ、お前が何者なのか。じっくり教えてもらうからね」
とんがり帽子の瞳の色が変わった、青から赤へ変わった色を爛爛と輝かせながらそんな事を言って来た。
これっ完全にやぶ蛇だったかもしんないぞ。
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