第35話

 なんか適当に街をぶらついていたら喧嘩があった 、そこで野次馬よろしく眺めていたらなんやかんや 怪しい2人組を発見していた。


 まあそれはそれとして、夜食の事を思い出したので俺はミロットのアトリエにそそくさと戻り、ゴーレムたちが作った夜食、肉と野菜が入ったシチューもりもり食べていた。


「……これは、美味いな」

「う~ん凄いね、ゴーレムってこんな便利だったの?」


 ミロットとプライムがゴーレムお手製シチューに感心している。俺は内心ハナタカだ。と言うかプライムはシチューを浮かせて自信のプルプルボディにくっ付けると吸収した、アレがスライムの食事なのか……キモい。


 あっもちろんゴーレムも使って怪しい2人組の監視は行っている、お腹が空いたので夜食を食うのを優先したのは仕方がないのだ。


 お腹がいっぱいになって少しゆっくりしてから再びゴーレムと視界を共有し連中が何をしてるのかを確認する。


 すると連中は魔法でも使ったのか既にフレッゾの街にはいなかった、こいつらもテレポートみたいな魔法でも使えるのかね。場所を見る限りはそこまで離れてはいないだろうが荒野だなここは。


 フレッゾの周りに広がる荒野のどこかか?


「ここが約束した場所なの? ジメジメしてて最悪なんだけど…」


「ああっ間違いない、この洞窟だ」


 2人の目の前にはこの荒野をどっかにあるらしい 洞窟の入り口がぽっかりと開いてあった、2人はその中に堂々と入る。


 2人は洞窟の暗闇の中も特に気にせず進んでいる、暗視とかできる能力とか持ってるんだろうかあるいは魔法か? ちなみにゴーレムの視界を通した場合の俺の視力もそこそこ良いので洞窟の闇くらいだったら問題なく見通せたりする。


 理由は知らん、エルフって目がいいんじゃねえの? 弓やとかを森の中で好んで使ってるイメージあるしさ、それはともかくとして、2人が洞窟の奥に進んで行く。


 すると奥の方から数体の人影っぽいものが見えた 、最初は冒険者か何かかと思ったんだが違う。

 そいつらはリザードマンだった、俺が知るリザードマンと違いそれなりに立派な装備で武装している。強そうだ。


  こんなリザードマンたち見たことないんだけど? 一体どこに隠れたんだよこんなのと俺が驚いているとそのリザードマンたちのリーダーらしき奴が奥から現れた。


 そのリザードマンはかつて俺が倒したリザードマンメイジのようなローブを身にまとっていてさらには指には宝石がはまった指輪、首にも装飾のされたアクセサリーを身につけている。

 その姿は魔法使いの中でも邪悪な魔法使いと言った感じの姿だった、ローブが黒くでちょっとボロいからそう見えるんだろうな。


 まあリザードマンだから頭、トカゲなんだけどな。

 リザードマンたちが鳴き声のようなものを規則性を持って発するおそらくだが奴らの中で通用する言語なのだろう。


「シャ~シャッシャシャッシャーッ!」


 白髪のインテリ風が一歩前に出て口を開く。


「こんにちは俺たちが組織から派遣されてきた者です」


 インテリ風の言葉に答えるようにまたリザードマンが規則性を持った声で話す。インテリアが頷くと 返事をした。


「……はい問題はありませんフレッゾの街に潜入してみましたがなにかに特に気づいてる様子もありませんでした。このまま準備を進めてもらえれば大丈夫だと思います」


 ほほ~ん、何やら悪そうな作戦の打ち合わせをしているな。しかし全く要領を得ないぞ、異世界言語 を理解する謎の能力を俺は持っているはずなのに。


 人間とかスライムとは問題なく会話ができるのにリザードマンたちの言葉は理解できないぞ畜生。

 するとあのとんがり帽子が割って入った。


「おいっアピオはリザードマンの言葉わかるだろうけどアタシはわかんないんだよ、ちゃんと通訳しろ!」


 俺が言いたかった言葉を代弁するかのように とんがり帽子が発言した、いいぞとんがり帽子。

 インテリははいはいっととんがり帽子の言葉に対応する。


「分かったよ、それじゃあ説明するから…」


 そして怪しい2人組とリザードマン達の計画とやらを俺は知ることになる。


「………いやっ分からないのなら普通の言葉で話すが?」


 いや普通に喋れるんかい!

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