第4話

 リザードマンメイジを御臨終させた後、リザードマンゴーレムとして早速リザードマンメイジを元にしたゴーレムを生み出した。


 無論見た目は他のリザードマンゴーレムと一緒、しかし亡くなられているリザードマンメイジから杖とローブを奪って自身に装備しやがった。


 他のリザードマンゴーレムも自身の元となったリザードマンの死骸から武器とかの装備を奪っていく、完全に追い剥ぎリザードマンだな。


 更にはリザードマン達を剣をナイフ代わりに使いバラバラに解体し始めた、そりゃゴーレムだからそう言う真似に忌避感とかないんだろうけどさ…。


 普通にその様子を見るのはアレなので少し離れる俺だ。多分リザードマンの素材ってお金になったりするのかも知れないから解体出来るならして欲しいとは思ってはいた。


 けどそれを元に生み出したゴーレムにやらせてる俺、ここに他の人間がいれば俺はドン引きされる対象になっていたな。


 俺の傍に護衛としてなのか、単に剣を装備してないから解体に参加してないのかリザードマンメイジのゴーレムがいたので少し話をする。


「メイジ、お前が使える魔法って種類どんだけあるんだ?」


「……………」


 まあ答えなんてない、しかしリザードマンメイジのゴーレムは杖を構えて魔法を発動してくれた。

 火の玉がポッと出て来る、そして消えた。

 それ以外は魔法を使わない。


「……つまり火の玉を飛ばす魔法しか使えないって訳ね」


「………………」


 リザードマンメイジが頷いた、どうやら肯定してるらしい。

 まあ仕方ない、火の魔法があるだけでも助かるしな。実際に火球として飛ばして来たときは脅威だった。


 遠距離攻撃は強いな、俺もエルフな訳だし弓やとか使えるようになりたい。

 あとこの荒野でサバイバルする必要があるなら最低でも水の魔法を使えるヤツのゴーレムが欲しい。


 幾らこの荒れ地でも水の魔法を使えるモンスターくらいいるだろう。

 リザードマンの解体が終わった、肉とか鱗をリザードマン二体が荷物持ちとして運ぶらしい。


 あまった内臓とかは穴を掘って埋めていた、ゴーレムがな。まあ洞窟の内部に腐敗臭とかしてたら他の利用者が来たときに絶対に文句言われるだろうから懸命だな。


 或いは他のモンスターが血の匂いに釣られてここに来ることを防ぐ為かも知れない。

 どのみちこのリザードマンゴーレム達の方が俺よりもこの荒野で生きる為の知識があるようだ……嫌なんでだよ?


 この謎な異世界に生まれたのは俺より後のくせして、納得いかないんですけど。


「……もしかしてゴーレムの元になったヤツらの知識とかまでゲットしてるのか?」


 ゴーレムたちが頷いた、それはいい情報を知れたぞ。

 なら物は試しだ。

 俺はリザードマンゴーレム達を集めて指示する。


「先ずは飲み水の確保をしたい、このあたりで少しでも安全な水場を知っているなら案内してくれ」


 リザードマンゴーレム達が無言で移動を開始する、どうやら本当に心当たりがあるみたいだな。

 洞窟から出ていくので俺も移動を開示するか、出来るだけ近い事を祈りながらな。

 俺はリザードマンゴーレム達の後について行く。

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