私が最も愛する人へ

大切な人がいます。とても、とても大切な人です。心の底から愛している、そんな人がいます。でもその人は私の気持ちを知りません。いえ、知っているのかもしれませんが、気づいていないふりをしています。私は度々気持ちを伝えるのですが、どうも上手く伝わりません。その人は感情より理論を好む人で、私とは考え方が真逆な人です。故に私は惹かれたのでしょうが、それが今となっては仇となり苦しみとなります。しかしそれは心地のいい苦しみであり、私はそれに浸ることに慣れてしまっていました。ですが幾つかの出来事で心というものは簡単に変わってしまうものです。私は元より独占欲が強く、重い感情を人に与えてしまう人間です。そんな私が私は嫌いなのです。自分を嫌う苦しみはその人によるものではなく、きつく私を縛りあげます。その人に全て打ち明ければ私の心は救われるのでしょうが、私はこれ以上この関係を壊したくないのです。これは私のエゴであります。特定の大きな感情はなくとも、ある一定の好意を棄てたくないのです。そのくせ更に先を求めてしまう私が嫌いです。その人は人との付き合いを苦手としており、私とごくごく親しい友人以上になる気は全くないと思います。私もそれでいいと思っていたのです。実に傲慢で、利己的な、エゴイストです。私の感情の変化でそれでは済まなくなってしまいそうなのです。助けを求めようにも出来ず、どうしようもなく悩んでいるのです。答えの無い問を出す必要が私にはあるのです。そして、決して間違える訳にはいかないのです。

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