第2話 真砂
三葉沙淮。同級生で、また、学級委員を務め、
成績もトップの才女。それが初めて見た印象
だったが、それは次の瞬間覆い被せられた。
もはや夫婦。それは、全生徒の共通認識だ。
気付いていないのは、大和だけだ。
「ほら、寝癖ついてるよ」
自前の櫛で大和の髪をといている。沙淮の
手付きが良いのか、こくん、こくんと落ちている。
「眠って良いわよ。後で起こすから」
「ん」
半分もう寝ているようなものだ。沙淮は、
大和の髪をとかした後、少々弄っていた。
今日は、低い位置での団子のようだ。またもや
自前の簪を大和の髪に挿している。
「やべぇ、めちゃくちゃ綺麗じゃね?」
「え、更にカッコ良くなってる…」
クラス中から口々にそんな驚きの言葉が出ている。
大和は、この学園の中でも本人が気付かぬうちに
イケメンの一人だと言われている。性格もあい
まって、人気だ。ちなみに旭野原は、順位で
いうと6位くらいだろうか。チャラ過ぎるのが
女子には、良く思われないらしい。それを聞いた
朱鳥は肩を落として落ち込んでいた。
空蝉の朝まだき 雛倉弥生 @Yuzuha331
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