第6話 チート能力発表
「「おまたせ~」」
声を聞いてはっと顔をあげる。目の前にはひげもじゃの斧が…止まっている。クロスした腕に当たる寸前で止まっている。ひげもじゃだけでなく、草も木も、この世界の全てが止まっているのだ。
「大丈夫でしたかジューロー。本当なら私達が干渉すること自体が異例なのですが、緊急の為時間を止めさせていただきました。長い時間止める事ができないのでサクっと、ヌルっと済ませたいと思います。」
なんか余裕あるなミカ…腹立つ…。
「ごめんなさい。手違いで惑星アルガズンではなく、惑星ドリスに送られてしまいました。しかも転生ではなく転移になりますので、赤ちゃんではなく今の現状で存在しなければなりません。」
「えっ、現状?このおじいちゃんのままってこと?チェンジなしで?そうか~ハゲたままか~~。」
「残念なのそこかい!」
おっミチがツッコンでくれた。心が落ち着くな~安心するわ。
「この国では平均寿命が60歳くらいですので、ジューローはすでに片足ぐらいはつっこんでますね。棺桶に」
「こわっ、いきなりその情報ぶっこんできたミカが怖いわ!」
「だけど安心してください。こちらのミスでもあるので、いくつか私達のできる範囲でのラノベのようなチートを用意させていただきました。」
「まぢで!チート!ラノベ展開くる~~~~~~~~!」
「どんだけラノベ展開心待ちにしてんだよ」
ミチ、もはや おおまかな担当じゃなくツッコミだけだなお前。
「それではまず1つめ、貫頭衣プレゼント~~~。腰紐、ネックレス付き。この国の標準的な服装ですね。ちなみに下着はないです。男女ともに。」
「あっおれ裸だった。地味にうれしい!」
「どんどん行くよ!2つめ、言語変換能力。この国の言葉を日本語に変換します。まあファンタジーでは定番ですね。っていうか、これがないと話が進まない。作者が面倒くさい…。」
「最後は余計だぞ、言わんでいい!だがこれはありがたい。」
「3つめ、お待ちかねのチート能力! 検索&解説能力!この能力はこの世界の全ての物質を調べて、地球で近しい物に例えてくれ、解説してくれる優れ能力なんです。本当なら赤ちゃんに産まれ、ゆっくりこの世界の常識を学んでもらうつもりだったのですが、おじいちゃんのままでこの世界に放り出されることになったあなた!この能力があれば右往左往しなくてもよいのです!」
「誰のせいだ!誰の!しかし日本で生きた情報、知恵しかないのでこの世界の情報が手に入るのはありがたい。」
「ちなみにこの能力は、右手の人差し指と中指をVの字に開いて右目をはさむようにもっていき、ベロをだしながら「検解(けんかい)」と叫ばなければなりません。」
「ぶふぉ~~、ちょっ、それテヘペロだよね?あのテヘペロだよね?まじかよ~~おじいちゃんなのにテヘペロはやめてほしかった。せめてテヘぐらいにしてほしい。」
「大丈夫です。その世界でテヘペロは流行りませんから。」
「そういう問題か!」
「そして4つめは、外見はおじいちゃんなのに中身は20歳!すみません、おじいちゃんとなった外見を今さら、変更することは出来ませんでした。申し訳ないので、臓器だったり筋力だったり、脳みそだったり、とにかくあらゆる内面はすべて20歳仕様にしておきましたのでご勘弁を。」
「なにげにそっちの方が難しくない?本当は外見変えれるんじゃない?ぜったい嫌がらせでしょ、それ。」
「いえ、本当に出来ないのです。せめてものお詫びに、顔は福○雅治風にしておきましたので。ハゲてますけどwww」
「絶対できるでしょ!外見なぶれてんじゃん!」
というツッコミもむなしく無視されました…
「そして5つめは、重力変換です。簡単にいうとドラ○もんで、のび○がある宇宙の星にいったら地球より重力が軽くてスーパーヒーローになっちゃった回、みたいな感じかな?」
「伏せ字ばかりでわかりづらいよ。わかるけどもよ。」
「つまり重力を調節することにより、超人のような力を手にいれることが出来ます。例えば重力を軽くすれば、硬い石などが発泡スチロールのようになったり、重い荷物を軽くして運ぶなどアイデアしだいでは、あなたもの○太くん以上に活躍できます。」
「まあ○び太くんはどうでもいいが、無いよりは有り難いな~ぐらいだな。」
「そして最後にこれは私達2人からの能力付与です。ミチ締めはよろしくね。」
「美味しいところありがとうミカ。その名も…」
「あっだめ時間が、時が動き始める。ジューロー、私達はこれから今のようにそちらの世界に干渉する事は出来ないけど、人を媒介して話す事ぐらいならできるかもしれないのでまた機会があれば連絡…ツーツー」
「ジューロー最後の能力なんやけど、ええかこの能…ブツ。ツーツー」
あっ切れた…慌てて2人一緒にしゃべるなよな~~
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「最後の能力伝えきれんかったわ。」
「まあその能力は今のところ無くても大丈夫でしょう。」
「それよりも、ジューローには移転させられた原因とか言わなくてよかったの?ミカ」
「今の段階で話しても混乱するだけだから言う必要はないと思うわ。」
「ジューローには悪いけど干渉者の目的を暴くためにも、ジューローに早々と死んでもらっては困るわ、その為にチート能力を授けたんだから。これから気づかれないようにこちらからもジューローを監視し続けるしかないわね。」
「つまりジューローには、囮になってもらうってことね。」
「そうよ。ふっふふふ、あーっはああっっっぶふぉー、ごぼっっごぼっ」
「なぜ悪い人風に笑ったミカ。器官に詰まって、むせてるし。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます