第12話 対処の仕方
赤丸桔平が京香にありがとうございますと言うと、純平は桔平に心当たりはありますかと聞く。桔平はわからないと答えるかと思いきや、そうでも無いようである。桔平は父親がいつ頃かポッドキャストの配信を始める頃になってから生活スタイルが変わったと説明するのである。
「ポッドキャストって?」
「音声ブログみたいなものです。短いインターネットラジオみたいな」
純平は警察の関係者が来るより前に聞いておきたい情報を赤丸桔平から聞いておこうと思った。すると京香がその様子を興味深そうに聞いて、間に入ろうとするのであった。仲良しグループではないが、京香がそれを演出しようとしている雰囲気である。桔平の言い分だと、父親がインターネット配信系にかかわるようになってから、何か変化があったような気がすると説明すると、それを記録する純平と京香であった。
ちなみに推理力では純平はそんなに優秀かと聞かれると、そんな事なく、至って人並みの推理力であった。それだけを聞くと父親が加害者側には思えないような節があると読んだ純平であったが、他に怪しい所は無いかと思う疑惑を洗い出そうとする。
「それがヒントになれば本当にいいのだけれど、単なるフェイクの話もあるかもしれないし」
それを言ったのは京香である。信用に値するかどうか判断している様子であるが、とりあえず目ぼしい物を発見しようではないかと言うのであった。
「それは駄目ですよ」
それを言ってのけたのは、警察の関係者であった。いつの間にか玄関に警察の関係者がおり、動きが早いように思われた。
「一体どういう事ですか。 ひょっとして本当に事件性が強いという事ですか、この件が? ひょっとして内偵をしていたとかですか?」
純平が様々な事を一度に聞こうとすると、それを遮断されてしまう。そして赤丸桔平は事情聴取を要請されてしまうのであった。
「ご用件でしょうか。何なら先に電話して下されば、そちらに出向いたのに。ひょっとして桔平さんを疑っているのですか?」
京香がそのように聞くと、本当にどうなるかわからない展開に純平は心の整理をして、初めての警察との関係に対処しようとするのである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます