第6話 サンタフェ西品川事務所

「まあまあ京香ちゃん、ここはお手柔らかに。純平の為にも長い目で見てあげようよ。例え失敗したとしても、それが経験になるかもしれないし。京子ちゃんは絶対しか条件を出さないみたいだけれどさ」

ここでも西野真子が助け舟を出してくれた。何故ここまで強い信頼を出してくれるのかわからなかったが、初対面とは思えない感じであったようだ。

「わかった、純平あなた真子に感謝するのよ。真子がいなかったら、ここでこの話は終わりだったかもしれないのだから。真子あっての私立探偵事務所って覚えておいて欲しいわ」

 京香はそう言うと、純平に対して別れの挨拶をして、この場から立ち去った。それと共に真子も挨拶をしてこの場から消えたのである。

「ちょっと話は、まだ何か言いたい事があったのではないですか?」

「無いわ、じゃあね」

 このような感じで今日は終わった。OKのサインはもらったが、京香がとても強い感じで出たので、何かわだかまりが出来た感じである。京香は昔あんな感じではなかったのだが。


 そうして純平は私立探偵事務所の設立の準備を行った。屋号の名前はサンタフェ西品川事務所である。神戸の生まれである横山純平は上野方面にも拠点を構える案を立てたが、やはり品川方面にしたようである。実は上野方面には行ったことが無いらしい。

「さてとこれでいいか。初めが肝心だからな」

 事務所開設を様々な方面で宣伝すると、友人が来てそれを祝ってくれる。勿論京香やその友人達もお祝いのメッセージをくれた。

「ありがとう、本当にありがとう」

 純平の一番の理解者である友人の吉田雅史からもメッセージを貰った。吉田はニヒルなやつで、気を使う事も無く、話しやすいのが特徴な男であった。

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る