幽霊の生き永らえる本棚と

田園の笛と朝の10時から神に祈る

電車の中で幸福そうに腹を撫ぜる


病院から中隊へ帰ると玉砕命令が出ていたから

私的な武装解除をして、友好部族の区域を目指す

戦争地帯においての判断は言葉を知っているかどうかと、

(つまり実際の呼気や重力を発揮している言葉)

あるいは運、または

「何かしらの運命について語らないこと」

逃亡兵の運命は、

所属部隊や階級や登録氏名からなる三人称的自己と、

実力的目標物としての、三人称的他者からの逃亡

これは失念、最後にもう一つ最重要項目として

「帰り道を覚えていること」


歩行や跳躍あるいは落下か、浮上する。

辛いということは全くない

ただ、恐ろしさがあって、

辛さはない、進む方が「わからなくなること」が怖い。


終点まで一人で座っている

絹地のように日光は乾いていて

客室のそとで寒そうに風が鳴る

人足が駅名を叫ぶ

雲間に光線が閃く

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