第8話 隠者

今私は、辺境伯のお宅を探索中です!

隠者を使ってですけどね。

本当に見つかることなく移動できるのか確認しております。

廊下を歩き、厨房に行き、使用人控室に入っても誰も気付かない。

極めつけは、手を叩いたり、声を出しても誰も気付かないと言う事だ!

完全にそこに私は居ないことになっていた。

本当に誰も気付かないってこのスキル、かなりヤバイやつです!

しかも、

自分だけではなく、物や他の人にも使えるようなのだ!

配膳されたナイフやホークに隠者を使った所、

マーサが、すみません忘れてきました!!

と、食堂に走っていったほどだったし・・・。

目の前にあるのにね!

ごめんなさいマーサ・・・。

そして人に使った時は、

チョットかけた人が可哀そうなくらい無視された状態になってしまい、

術は解除したけれど、あれから大丈夫だっただろうかと心配になってしまった。

私がやってしまった事だけど、ごめんなさいね。


今向かっているのはお父様の書斎だ。

そこにある蔵書を見せてもらおうとしている。

ま、見せて欲しいと頼めば見せてくれるだろうけど、

スキルの確認もあるために、こんな事しているに過ぎない。


ガチャ・・・。ドアを開け中に入る。

お父様は気付かずにお仕事の書類に一生懸命向き合っていますね。

こう見ると仕事をしている殿方の姿はカッコイイと素直に思う。

明かりを付けても隠者効果は継続されるようで。

お父様は気付いては居ない。

フムフム・・・文字は理解できるな・・・。

あたりまえか、魔法の本や薬草の本を読破していく。

何々?魔物の生体!?やはり魔物も居るんだ!


ヤハリこの世界の治安は驚異的だな!

魔物以外にも強姦されたくらいだしな・・・やはり護身術は必須っすね!

魔法も早めに極めておきたいし。


こうして、日中一杯探索した後は、

夜中に庭に出て、魔法の練習をするのだ。

あの時は、初めてだったから、加減を間違っただけだ!

次は出来る。

出来る・・・・・・・。

チョロチョロ~!よっし!

これを凍らせよう!原子分子が動かないようにするイメージ・・・。

カッチーン・・・冷え冷え・・・。良し!!!

次はこれをお湯に、ジュワジュワジュワ~!モクモクモク・・・。

おお!沸騰して蒸気になった!

蒸気も?

サワサワサワ・・・~!凄い!霧になった!

え?これ自分が出したものは操作が出来る。

魔力でつながってるって感じがするから、確かだ。

キリをサワサワサワ~と動かせるのは、

なんだか本当にファンタスティックだった。

私天才かもしれない!!

明日は家庭教師の先生も来ると言う事だから、

今日はこの辺で部屋に戻ることにした。

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