第4話
いま、この家にママはいない。
わたしはふたたび
わたしのいないあいだに、かれらがなにかナイショの話し合いでもはじめるのではないかと、
リビングはがらんとしていて、そのあまりにものさびしげな
さっき、ユキヒロのまえでは「お母さん」なんて言ったけれど、もし、わたしがママにたいしてきゅうにそんな
部屋からは、お気に入りのフェイクファーの赤い半そでシャツと、そのうちグレーがいちばん目立つ、くすんだ色どうしのチェック
だれも見ていないのをいいことに、わたしはリビングのまんなかで
そうして、たまたま
「おっ!何してたんだよ。ずいぶんのんびりしてたみたいだけど」
部屋にもどるなり、ユキヒロからはそんな
「おい、姫。つーかきみ
その
「はっ!?マジで!?」
ユキヒロがあわてだした。
トモキはこの四人のなかではあきらかにいじられポジションらしかったけれど、こんなときにはいちばんよく気づいてくれるんだな、と思った。
ただ、「姫」呼びはなんとかよしていただきたい……――。
あいかわらず、ほかとくらべてポーカーフェイスを
「せっかく『おめかし』してきたとこ
ぐいと
「あ……の」
しぼり出すように言うと、トモキよりもむしろユキヒロが
「わたし、『
ユキヒロがにんまりして言った。
「もちろん、それは知ってるよ。……
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