第3話
「うぉおおおおい!?」
黒髪が、さも何かたいせつなプライドをふみにじられたかのように大げさな態度で、いちどその名前をつげたっきり、ふたたび
といっても、そのミツルも『黒髪』とおなじくらいの髪の黒さなんだけど。
「おめー、な~にさらっとフライングしてくれちゃってんのォ!」
「……
「この
なっ?とふり
「こいつは、シンジって~の」
ユキヒロがうしろから黒髪をさして言った。
「だから、なに言って……」
いわれて、しゅん、となぜかとつぜん
「お名前、自分で名乗ってください」
と黒髪にお
「ああ。優しいとこあんじゃん、
「シンジって、ウソじゃない」
にわかに元気をとりもどしたらしいトモキを見てから、うしろのユキヒロをにらみすえると、かれは悪びれる様子もなく、大きくフンッと鼻を鳴らした。
「で、あなたは」
「マサナオ」
と、かれはもったいつけることなく、ひとことでそうこたえた。
「んでー」
どうやら、この四人のなかではしきり役らしいユキヒロが、「着がえに行く」といって部屋を出て行こうとしたわたしをひきとめてから、おもむろに言い出した。
「まあ、あんまり引きのばしてもよくねえからさ。おれたちゃ、いったいどこの何者で、何が目的でここにいるのかってことを、……すぐには
いや。それ
「……ごめんなさい、じゃ先に……」
「ん?」
こちらに目をむけたユキヒロの目……というかその顔には、「さては、
「ちゃんとした服に着がえてくる」
なんとかこの
ユキヒロはなぜかきゅうに
「しょおがないなァ~もぉ~……」
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