進級。新しいクラス!?

突然ですが、ナコの通っていた中学校。

SSRからレベルアップしたクラスが存在します。


――その名もなんと、『さわやか学級(仮名)』!

※そのまんま使ってしまうと学校バレになるので仮名にしましたが、響きは似せてます。


残念ながら【LR(レジェンドルーム)】ではありません。SSRがレベルアップするならば、LRになるんじゃ!?――――って、なるわけがない。

……真面目な話に戻りますが、2年生から3年生に進級する前に、ナコはさわやか学級へ移動する選択を迫られることに。


SSRから、さわやか学級に移動すると何が変わるのか?……問題はそこですよね。

何も変わらない訳がない。だって、レベルアップしてるのですから。


SSRを利用していたナコですが……実は、当初の話し合いの中には、さわやか学級の利用という選択肢もありました。

※さわやか学級もSSRと同じく、1〜3年生が利用できます。


ナコはその選択を即却下。「嫌」と、ナコにしては珍しくはっきりと自分の意思表示したことに驚いたのを覚えています。


子供達が学校と距離を置かず、登校し続けられるようにサポートする為にあるクラスが『SSR』だとすれば、『さわやか学級』は、ある程度普通に登校できるようになった子供達を元のクラスの授業に参加させつつ、友達との関わり作り、日常生活に戻すのをサポートするクラスです。


――これ、どこかで聞いた(?)見た(?)覚えがありませんか?


前回の【スクールカウンセリングと色々な選択②】の中で、『①1日をSSRのみで過ごす』とナコが選択する際に先生方に提案されていた。 

   ↓  

(1)授業は元のクラスで受ける。

授業が始まる直前と終わる間際に、担当の先生が送迎をしてくれる。


――そう。これです。

結局のところ、SSR→さわやか学級へとスムーズに移れるようにすることを前提とした提案だったわけですよね。


先生方の提案が悪いことだとは思いません。

今後の受験や進路のことを考えれば、元のクラスに戻るのが最善なのですから。

最善を尽くして下さるお気持ちは嬉しいのですが、一度自分の居場所を失くしたと思ってしまった子供がその場所に戻るのは、かなりの勇気が必要です。


『思春期特有の凝り固まった思想』

『やってみたら意外と上手くいった』

『やってみなければ分からない』

『人生はもっと大変なことがある』

――これって【経験者は語る】ですよね?(*ノω・*)テヘ


他の子供なら乗り越えられるかもしれない。

でも、今のナコにとって元のクラスに戻ることは、『清水の舞台から飛び降りる』ほどの勇気が必要なわけで、乗り越えられるとは限らない。

決死の覚悟をさせるくらいなら現状のままで構わない。ガッチガチに固められた学校が自分の世界の全てだと感じて絶望するくらいなら、私はその先の自由を何度も語って夢を見せたいと思います。

大袈裟だと思うかもしれませんが…イジメられっ子だった私の経験上、思春期の子供は大人が思っている以上に死を選びやすいです。

SOSを出しているナコが嫌がることを私達はしません。



――ということで。

ナコは3年生から『さわやか学級』を利用することになりました。


……え?言ってることと結果が違う?


いいえ、何も違っていません。

最終的にナコがさわやか学級を利用することにしたのは、【教室】の問題なのですから。


SSRの教室は3年生の校舎にあって、さわやか学級は1、2年生の校舎にある。それだけです。

ナコがひっそりと生活するには、教室を変える必要があったのです。


先生方と様々な話し合いをしましたが、ナコはさわやか学級でもSSRと変わらない生活を送ることになったのでした。

オンライン授業には参加してましたが、結果的に元のクラスには一度も戻りませんでした。



※補足……SSRや、さわやか学級を利用する子供達は、1年○組、2年○組、3年○組という元々在席していたクラスに籍を置いたままで、SSR等に通っています。

クラス担任の他に、SSRの担任、さわやか学級の担任、カウンセリングの先生と、その他にも沢山の先生方が情報を共有をし、子供達を全力でサポートして下さっています。 



次回――『進路と受験』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る