当時の状況
SSRで生活をするようになる裏側で、色々な選択をしました。
――と、その前に。
当時のナコの身体的、精神的な状況はこんな感じでした。
■体調不良の状況
1か月以上、不正出血が止まらなくなったことがきっかけで、常に貧血と目眩。疲れやすくなり、すぐに微熱が出るように。
↓
婦人科を受診し、ホルモン剤投与(すごく痛い)。
MRI検査やレントゲン、腹部エコー等による精密検査をするも、原因は不明。ストレスだと思われる。
止まらない出血を抑える為に、低用量ピルの服用開始。
低用量ピルを服用すると徐々に出血が減りはじめ、1週間ほどでやっと止まる。
1〜2ヶ月に1回受診し、経過をみながら服用を続ける。
1年ほど通院をしたところで、本人の希望もあり、婦人科受診と低用量ピルの服用を止める。
月経をコントロールするのにピルを使用するのは知っていましたが、出血を止める(徐々に)治療に使用できることをこの時に初めて知りました。
便利に思えるピルですが、勿論副作用があります。
吐き気やムカムカ感等の悪心があるだけでなく、長期間に渡って飲み続けると、血栓ができるリスクもあるそうです。
※ナコの通っていた婦人科では、長期間使用する方には、定期的な検査を実施しています。
未成年であり、思春期のナコが低用量ピルを服用するリスクは、血栓の他にもありました。
――それは【身長が止まること】です。
『低用量ピルを飲み始めたら徐々に出血は治まると思いますが、身長が止まります。二度と伸びません。それでも飲みますか?飲みませんか?』
様々な説明の最後に先生にそう言われました。
因みに、その時のナコの身長は148センチ。
母親の私が154センチで、夫もそんなに背が高いわけではないので、ナコの身長もそんなには伸びないと思っていましたが……【身長が止まる】という言葉の衝撃はなかなかのものでした。
先生の話を聞いたナコは迷っていましたが、この選択は私が即断しました。『飲みます』と。
低ければ低いなりに、高ければ高いなりに悩みが出てくる身長問題。
低用量ピルを服用したことで、身長が止まってしまったことをナコは、現在進行系で今も気にしていますが、私はあの時の選択を後悔していません。
未だに後悔しているのは、思春期にはありがちな生理不順だと真剣に捉えなかったあの時の自分に対して、です。
今は身長が伸びなくなったことを自虐ネタに使うナコを宥めながら、様子を見守っていきたいと思います。
ナコのように不正出血を止めたり、病気や治療の為。その他に様々な理由で、ピルを服用する方がいらっしゃることでしょう。
『ピル=避妊の薬』という安易なものではありません。服用している方は、リスクを知った上で服用しています。
『ピルがあるじゃん!』とか、『ピルを飲めば?』なんて言ってくるような相手との関係は、早急に見直すことをオススメします。
『私がピルを飲むなら、あなたは去勢してくれるよね?』と、にこやかに言うも良し。罵倒するも良し。さっさと捨ててやりましょう。
■精神的状況
早退や欠席を繰り返しながらも、なんとかクラスの授業に参加するものの……
『たくさん休めて良いよなー』や『早く帰れてズルいよな』、『自分も早退したい』等といった悪気のない言葉を一人の生徒から数回言われたことがあったり、クラスには既に仲良しグループが出来上がっていた。
それでも馴染もうと話しかけたりと努力するが、男女混合の出席番号で、一番最後のナコの席の周囲は、支援学級の生徒や不登校の生徒の空席があり、席が孤立しており、前後や隣の子達と話すこともできない。――という、ナコにとっての悪状況に置かれていた。
目眩や貧血で気分が悪いのに、気を使って話し掛けないといけない。ままならない自分の身体に苛立ち、悲しくなる。
慎重で人一倍気を使う性格であり、人見知りのナコは、元々溜め込んでいたストレスが体調不良となって一気に爆発したのだと思います。
心が折れたナコは、朝に微熱を出すことが増え、欠席することが増えました。
欠席中に中間考査があり、元のクラスではなくSSRの教室でテストを受けたのをきっかけに、ナコはSSRに通うことも考えるようになったようです。
――次回
『スクールカウンセリングと色々な選択』。
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