SSRとは②

ネットで検索をしてみると、学校によっては、ソファーを置いたり、畳を敷いたり、大きなぬいぐるみがあったり――と、様々な工夫をされている所も多い『SSR』ですが、ナコの中学校では、会議室にあるような長机を1人1台与え、その周りを取り囲む様に大きなパーテーションを何枚か立て、個室状態にしていました。


1年生から3年生までの混合クラスでしたが、それぞれの子供達に定位置があり(自分で選ぶ)、SSRに通う子供達同士でも、本人が望まない限りは干渉し合いません。

ナコは教室の一番後ろの窓側を定位置にしていて、完全個室空間で過ごしていました。

(外や他の校舎の様子が気になるが、存在を知られたくない為にパーテーションで鉄壁のバリケード対策)


ナコは私が仕事前に送ってましたので、ほぼ毎日同

じ時間に通っていましたが、ナコの話によれば、在席する他の子供達は、学校に来たくなった時に登校してくるという感じだったようです。


※『今日は午後から行く』、『午前中だけ登校して帰る』等の選択が可能でしたが、その場合は遅刻や早退の連絡。保護者の迎えがなく一人で早退する場合には、帰宅後の報告が必要。


SSRの教室で子供達が何をしているかといえば、絵を描いたり、本を読んだり、自主勉をしたりと比較的に自由の様です。

ナコは家庭科や美術の授業の作品を作成したり、体育館の実技を受けられない代わりの補習をしたりもしてました。

コロナ禍のお陰というべきか……オンライン授業化が進み、実験的なオンライン授業に参加できたこと、SSRの子供達を気にかけて下さる教頭先生を始めとした先生方が、空いている時間に勉強を教えて下さったことが大変有り難かったです。

本当にありがとうございます。


――因みに、ナコさんのSSR生活の1日の流れがどんなものだったかと言えば……


HRや1時間目の授業が始まる頃(皆が教室にいるタイミング)に、ひっそりと登校。

      ↓

そのまま職員室に行き、先生方に朝の挨拶をしてからSSRに向かう。

      ↓

オンライン授業がある時はその授業を受けたり、課題をしたりする。空いた時間は本を読んだり、自習。

      ↓

給食が終わったら、掃除は身の回りだけする。

      ↓

先生に挨拶をして、皆が帰る前にこっそり帰る。


――こんな風に、同級生や同学年の子供達から隠れるようにしてひっそりと1日を過ごしていました。


給食の配膳を先生にお任せし、誰も居なくなった廊下をコッソリ歩いてタブレットのある教室に取りに行ったり、全体掃除が始まったら隠れ、誰かが近寄ってくる気配があればささっと物陰に隠れて息を潜め……って、忍者か。


ナコは『借りぐらしのアリエッティみたいだ』と自分のことを言っていました。

本人的に、色々と制限のある学校生活でしたが、細やかなことを楽しんでいたみたいですよ。


【登下校時には必ず自分から挨拶をして帰る】や【自分のことは自分でする】といった幾つかの決まり事がありましたが、担任の先生方はとにかく優しかったです。

そして、『登校してきて偉い』、『朝から放課後まて居れて偉い』と、沢山褒めて下さっていたのが最後まで印象的でした。


先生に給食の配膳をお任せしたりと、結構融通していただいていたナコですが、SSRでは様々な『選択』をしました。

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