第3話 今にも泣きだしそうな空
「今にも泣きだしそうな空」
深く深く
秋が沈んでいく
悲しいほど澄んだ水面に
枯れ葉が踊っている
今にも泣き出しそうな空
あの時と同じ秋の空
蒼く蒼く
雲が流れていく
寂しいほど紅い夕日に
枯れ木が黙り込んでいる
今にも泣き出しそうな空
あの時と同じ秋の午後<
あれからどこに行って
何をしたのかはさえわからない
確かに君と一緒に
この景色を過ごしたはずなのに
今にも泣き出しそうな空だった
それでも君と一緒だった
冬になることさえ
考えてもいなかった
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